バードマン ラリー

｢鳥人間コンテスト｣を知っているだろうか？

主に大学生による人力飛行機の大会である。

｢高校生クイズ｣などと並び日本テレビ系列で放送される視聴者参加型の長寿番組だ。

ちなみに編集部員紹介でも書いてあるが、何を隠そう私は高校生クイズ地区大会準優勝で少しテレビに出たことがある。

実は「鳥人間コンテスト」にも子どものころから、少し出たかった。

だが、大学では鬱屈した文化系男子になってしまったので、体育会系のノリにはついていけなかった（笑）。

しかし、本作は名前から予想したとおり、まさに鳥人間系のシンプルアクションだった！

子どものころの叶わぬ夢をせめてゲーム内でも叶えられる個人的に胸熱な作品だ。

ゲームを始めるといきなり発射台の上。

「Start」と書かれたボタンを押すと、押し手（Pusher）がパイロットを乗せた飛行機を水上へと運び、テイクオフ（離陸）する。

テイクオフした後は、基本的に何の操作も行えず、風に任せて滑空するのみ！

「鳥人間コンテスト」でいえば人力プロペラがない滑空機部門だ。

発射台はゆっくりと上下に動いているため、発射のタイミングによってテイクオフの高度が変わる。

結果として、飛行距離を伸ばすには基本的には発射のタイミングだけを操作するというなんともストイックなゲーム性だ。

正直、これでは単純すぎてゲームとして面白いのか少々戸惑った。

テイクオフのタイミングはすぐに慣れるため、ゲームはほぼ運まかせ。

しかしステージにランダムで配置される風船を取ると飛行機に浮力が付き、ポンポン飛行距離が伸びていく。

この風船を取って浮遊する感じかなかなか楽しい！

そして本作の最大の魅力は飛行機のカスタマイズ。

ステージクリアやゲーム内で獲得したMoneyを消費して各種パーツやテイクオフ時の押し手の人数などをアップグレード可能だ。

またステージ中盤になるとカモメなどが邪魔をしてくる。

これらの妨害はシールドで回避したり、レーザーで撃退可能。

ステージが進むのに従って、カスタマイズや飛行中の操作が増えていくので、シンプルな割に以外と飽きずに続けられるぞ。

「一度テイクオフしたら最後、後はほぼ運頼み」と言えばシンプルすぎてつまらないようなゲームに思える。

しかしながら、飛行機をカスタマイズして滑空させるというアイデアは意外にリアルなプレイ感覚だ。

そして

「あともう少し！」

「もう少し！」

と祈るようにプレイを見ているのは、まさに「鳥人間コンテスト」に近かった（笑）。

邪魔ものとして上空にはUFO、水面には潜水艦が出現するなど演出のバリエーションが豊富なのも楽しい。

そして何より連続して風船をゲットしたときの飛行機の浮遊感は見ているだけでも気分がよい。

シンプルな操作でプレイするのも苦にならないため、暇つぶし用のカジュアルなゲームとしてはとてもイイ感じに仕上がっているぞ！