2017年7月1日(土)、東京池袋のシアターカフェ&ダイニング「STORIA(ストーリア)」にて、『エグリア~赤い帽子の伝説~』のファンイベント「エグフェス!」が開催された。
本記事では、会場で明らかにされた新機能「ペンキ屋」や、拡張版、サントラ予定など、ファン大歓喜の情報をお伝えするほか、開発元のブラウニーズのスタッフとファンが近い距離で交流する暖かいイベントの雰囲気をお届けしたい!
イベントは以下のお題で、3部構成で進行した。イベントの内容を順を追ってご紹介していく。
- 第一部「エグリアの野望」
- 第二部「ブラウニーズたちと戯れよう」
- 第三部「ブラウニーズ デザイナーズトーク」
目次
待望の家具の色変えが出来る「ペンキ屋」、新種族やエッグ追加の「拡張版」、そしてサントラ発売情報も!【第一部ダイジェスト】
イベントが始まってステージに現れたのは、右から、MCを務めるフリーアナウンサーの楪望氏、ブラウニーズの代表にしてエグリア総監督の亀岡慎一氏、そして背景デザインを務めたデザイナーの津田幸治氏、プランナーの宮川真理氏、杉田霞氏、松本沙紀子氏だ。
会場をちょっと引き目でパチリ。満席の大盛況だ。全国からエグリアファン「エグリスト」が駆け付けた。
「エグリアの野望」と名付けられた本セッションは、パネル形式で、笑いのたえないトークが繰り広げられ、ファンが喜ぶさまざまな情報が公開されていった。
以下に、順次ご紹介していきたい。
ファン待望!家具の色が変えられる!「ペンキ屋」の実装
魂のこもった描き込みが素晴らしいグラフィックの家具の数々で、マイルームのインテリアをコーディネートするのは、「エグリア」ならではの楽しみだ。
そんなインテリアライフをより楽しめる「ペンキ屋」の実装が発表された。
色変えのUIはズバリ、こんな感じ。
もちろんペンキ屋に住人も追加される。こちらはリスのようなキツネのような、ペンキ屋で働いくフーリーチン族の「フェンネル」だ。尻尾に3色のペンキが!
こんな具合に、よりインテリアのコーディネートが楽しめる。
新しいキャラが!新しいエリアが!新しいストーリーが!拡張版が来る!
エグリアの世界がより広がる!という嬉しいニュースがこの「拡張版」のお話。
なんと、新しいニーベルエッグやフィールド、そしてキャラクターに出会うことができる拡張版がリリースされるらしい。ただし、正確な時期は未定。
もっともっとエグリアの世界を楽しめることが分かり、この発表に会場は大いに沸いた。
新しいニーベルエッグで楽しむことができる「ゴブリン森イベント」と「精霊湖フィールド」だ。新しいキャラクターに、精霊も見たことのない顔が……。
ゴブリン族の新キャラクター「コトミヲ」(上)に「ハルシロ」(下)だ。
そして、新しい家具も追加されるという。上の画像に見られるような、キッチン家具などの部屋らしさが増す方向性のものや、下の画像に見られるような遊具など屋外らしさが増す方向性のものなど多岐に渡る。
さらにはペンキ屋の追加も相まって、ますますオーナーのセンスがより問われる。腕がなる!
あの名曲の数々を家で、出先で、聴くことができる!サウンドトラック発売予定!!!
エグリアの楽曲は、ゲーム音楽界でもレジェンダリーな存在である下村陽子氏と弘田佳孝氏が手掛けた粒ぞろいなものが揃っているが、そんな楽曲を収録したサウンドトラックが発売される予定があるという。
発表の瞬間、客席からはペンキ屋や拡張版に負けず劣らずの歓声が上がり、本ゲームにおける音楽の評価の高さを感じた。(この発表を聞いて、ハイタッチしているお客さんの姿も!)
距離、近っ!めちゃくちゃフレンドリーなブラウニーズたち(=開発スタッフ)による客席の旅【第二部ダイジェスト】
第一部のあとの休憩を挟んで、第二部「ブラウニーズたちと戯れよう」が始まった。
全客席を5ブロックに区切って、亀岡氏、津田氏をはじめとする5組に分かれたブラウニーズたちが、所狭しと大暴れ、、ではなくて、フレンドリーに練り歩いてサインをしたり撮影をしたり談笑したりするという、ファンには堪らないアクティビティだ。
個人的に驚いたのは、会場のファンの全テーブルを、各開発スタッフが回ることになっていたことだ。1~5までのブロックを、例えば亀岡氏は8分ずつ時間を割いて回っていたことになる。これは津田氏をはじめとする他の開発スタッフも同様。
もしかしたら濃ゆいファンは話し足りなかったかもしれないが、それでも約40分間、会場全体が暖かい雰囲気で盛り上がっていることが伝わってきた。
※んだっちゃ津田幸治氏の写真のブレがひどくてスミマセン…。
と、ちょうどこのタイミングで、表の大型ディスプレイにエグリアのPVが流れ始めたという嬉しいお知らせ。
エグリアファンの一人としては、なんだか誇らしい気持ちに。
ゲーム作りはかくも厳しいものなのね……。ボツネタ・未公開イラストで紐解く、エグリア涙のものがたり【第三部ダイジェスト】
第二部から休憩をはさんで始まった第三部は、題して「ブラウニーズ デザイナーズトーク」。
亀岡氏、津田氏に加え、まあこ氏、くぁぞー氏、あいどぅ氏といったデザイナー陣による未公開のイラストや画像を眺めながらのパネルトークを展開した。
亀岡氏の場合
亀岡氏が披露してくださったのはボツ画像というよりかは初稿の画像。ヒルダ&ヨルダとチャボだ。
ヨルダ&ヒルダは、大分可愛らしく描き上がってしまったことでセルフボツ。「グレムリン族らしさ」を求めさらなる調整が加わり、今の姿となったようだ。
そしてチャボ。スライドが映されると会場がどよめいた。さすがのチャボ人気。
左が先に描かれたもので、骨格をどうするか等、バランスを見るために描いたもののようだ。角がない等の指摘があり、これはチャボではないのではないか疑惑(!)なども飛び出して会場は笑いの渦に。
右側のチャボは今と近いようだが、等身がより人間と異なる方向に調整され、そこに合わせて体のパーツも調整されているとのこと。キャラメイキングにおける調整の細かさを垣間見た。
津田氏の場合
津田氏は、初期の頃のタオチン(左)とテカテ(右)を披露してくださった。
テカテは過去にご自身で描いた絵と似ている、という理由で大幅に改変。津田氏フリークはなんとなく思い当るのではないだろうか……。頭の中では、映画「ネバーエンディングストーリー」の「ロックバイター」のイメージが強かったそう。
タオチンについては、紆余曲折があったようだ。インド風のおじいさん案もあったらしい。そんなタオチンも見たかった!
さらに津田氏はフィールドイメージボード、ニーベルエッグの案を披露。
おかしな城については、津田氏の認識では、中間のチェックでは問題なかったものの、最後でダメが出て直すことになったとのこと。亀岡氏と認識のズレがあったらしい。が、結局のところ修正する時間が取れず、そのまま世に出ることになった、という数奇な運命をたどったグラフィック。
氏曰く、資料集め(画像を見ているとお腹がすく)とのことで、世に出るくだりと併せて、会場の笑いを誘っていた。
未公開ニーベルエッグのくだりでは、なんと不要なはずのマイタウンのニーベルエッグまで作ってしまったという、贅沢な話が飛び出した。
不要(発注がそもそもなかった)にも関わらず、すでに実装できる状態のデータのレベルまで作ってしまったらしい。再び会場が笑い声に包まれた瞬間であった……。
マイタウンのニーベルエッグは画像の右下だ。
まあこ氏の場合
まあこ氏は、プレイヤー諸氏が何度か煮え湯を飲まされているであろうバル族(強いほう)のボツイラストを披露してくださった。
もともと、パル族が変化する、という話だと考えて表情の変化をイラストに起こしたらしいが「どう見ても怒ってる顔ではない」という理由でボツになり、「怒りとは何か」を考えたという。
下の画像の「怒」は、バル族が怒っているという意味なのか、まあこ氏がボツに対して怒っているという意味なのか。審議の結果、どうやら前者が正解で、まあこ氏はボツになり、ただ悲しかったのだそう。
くあぞー氏の場合
ボタンの色のみならず枠の形なども含めて多数のパターンがボツになった、くあぞー氏のUI制作のお話。
画像内で「候補」とあるボタンも実は実装されたものではない。
読者の皆さんは、この中から一番実装データに近いものが分かるだろうか?
答えは一番左の列、下から4番目。
亀岡氏は、ゲーム開発者になろうとしている人が引いたかな?と冗談めかして語っていたが、本当にストイックな現場であることが分かるお話だった。
そして、くあぞー氏といえば、くあぞー。
このグラにこの説明は……!?
あいどぅ氏の場合
大量のボツを出したというあいどぅ氏。
くあぞーの王様のひげと冠は、別なキャラで見たような見てないような、見たような……。
その後、会場を訪れたエグリストからの質問に答える形のセッションがありつつで、デザイナーセッションは幕を閉じた。
詳しくは語られなかったが、亀岡氏によればチャボとテカテが同い年、というのは本当らしい。
楽しい会の〆は豪華な賞品が当たる抽選会
最後に、デザイナー陣が一枚一枚、丁寧に描き込んだ色紙をはじめとした豪華な賞品をかけた抽選会が行われた。
こちらは亀岡氏のチャボ色紙を幸運にも当てたお客さんに、色紙が手渡される様子だ。
そんなこんなで、大盛り上がりのうちに、エグフェス!は幕を閉じた。
まだまだエグリアの世界が拡がっていくことが分かった上に、製作者の顔が見えることで、参加したファンの皆さんは、より一層今後のエグリアの展開が楽しみになったのではないだろうか。
スペシャルドリンクや物販コーナーなど!その他の会場の様子
精霊の缶バッジや、キャラクターのアクリルキーホルダー、ロゴ入りトートバックなどなど、多数の物販が実施されていた。
こちらはガチャガチャの機械のラベル。上のチラシにもあるのだが、「えぐり屋」というロゴが分かるだろうか?こんなところも手を抜かないのが、ブラウニーズ流。
こちら、オリジナルのノンアルコールカクテル「レッドキャップ」。他にも2種、合計3種のスペシャルドリンクを注文することができた。
会場であるSTORIAの一角のあるコーナー。業界の有名人のサインがある中で、我らが亀岡氏のイラスト&サインが!
こちらは、イベント開始前はガチャの箱(機械の調子が悪いときに使われていたらしい)で、その後は抽選会で使われた抽選ボックスの側面の写真。この中にガチャやくじが入っていた。のだが、こんなところにもブラウニーズの遊び心を発見。
休憩時の一コマ。亀岡氏(左)とイベントの仕掛け人であるDMM.com POWERCHORD STUDIO 高木伸也氏(右)。
幕間にサービスしてくださったのは津田幸治氏。
あとがき
本イベントの抽選会の賞品として、デザイナー津田幸治氏が描いた色紙を、イベント直後に当選したファンの方に撮影させていただいた。
色紙一枚がこのクオリティだ。下手な写真で伝わるかは心もとないが、実物を近くで見れば、皆さんもきっとため息がでることと思う。
開発元ブラウニーズのゲーム作りにかける情熱がどのようなものか、改めてよく分かった。
編集部:大谷