陽炎型駆逐艦(一等駆逐艦)の2番艦。
霞・霰・陽炎と共に第18駆逐隊を編成した。
それが―――
駆逐艦「不知火」
一度沈みかけて復活し、危険を顧みず味方艦艇を助けようと奮闘した勇気ある駆逐艦の結末を語ろう。
死なば諸共… アナタも一緒よ…! by不知火
駆逐艦「不知火」
「不知火」は、旧日本海軍の陽炎型駆逐艦(一等駆逐艦)の2番艦。
霞・霰・陽炎と共に第18駆逐隊を編成し、第2水雷戦隊に所属。
太平洋戦争開戦後、「真珠湾攻撃」「ラバウル攻撃」「ポートダーウィン攻撃」「セイロン沖海戦」に参加。
「ミッドウェー海戦」にも攻撃部隊護衛で参加するも大惨敗。
その後、第18駆逐隊はキスカ島への輸送任務へ。
1942年7月3日未明、第18駆逐隊の霰、霞、不知火3隻は、水上機母艦千代田と輸送船あるぜんちな丸を護衛しつつキスカ島を目指していた。
順調に航行していたが、深い霧に包まれてしまう。
ここまで激務が続いていたことと、視界の悪さから司令官である宮坂義登大佐は霧が晴れるまで一時仮泊をする決断を下す。
この判断が仇となってしまう。
午前3時前、米潜水艦グロウラーは、日本の船団を確認。
動かない標的に対し、魚雷を発射した。
この雷撃により、霰を沈め、不知火を大破に追い込んだ。
不知火は、艦体が「く」の字に折れ曲がり、断裂寸前という危機的状況だった。
ぎりぎりの崖っぷち状態で沈没していないだけ。
自力航行どころか、曳航すらできない状態だったが、工作艦を手配して艦首を爆破切断した。
また艦橋も取り払われ、ようやく後進曳航が可能なまでになった。
この時の失態を油断であると非難された宮坂大佐は責任をって腹を切ったという。
その最後―――
1944年8月~9月、不知火は硫黄島への輸送任務に従事。
10月25日、志摩艦隊の所属し、西村艦隊とともに「レイテ沖海戦」の砲撃戦に参加することとなる。
那智以下の志摩艦隊へスリガオ海峡へ突入していく。
3時頃、先行した西村艦隊と米艦隊との戦闘音や閃光が視認できた。
3時24分~25分、第1水雷戦隊の阿武隈が被雷し艦隊から落伍。
4時10分、海峡中央部に炎上する艦艇を2隻発見した―――しかし、それはスリガオ海峡で真っ二つになり炎上する戦艦扶桑の姿だった。
この時、西村艦隊は舵故障と修理を繰り返しながら撤退する時雨を残しほぼ全滅。
4時15分、海峡へ向かった志摩艦隊。那智は敵艦らしき目標2つを探知、那智と足柄2隻による雷撃を行った。
その雷撃後、那智は炎上中の西村艦隊の重巡最上の前方と通過しようとしたが、最上は停止しておらず同航体勢で衝突。
那智の艦首が損傷してしまい、最大速力が18~20ノットまで低下してしまった。
4時25分、志摩長官は突入中止を決定。
『当隊攻撃終了、一応戦場を離脱して後図を策す』
打電した後、那智・足柄は扶桑の残骸付近を通過し、時雨に合流指示を出すが、時雨は続行することができなかった。
不知火は、この時は何もできずコロンへ撤退することになる。
26日14時、不知火は那智と共にコロン湾へ到着した。16時28分には、熊野、足柄、霞の3隻も到着。
夕刻、パナイ島北東で第16戦隊の軽巡鬼怒、駆逐艦浦波が空襲を受ける。
鬼怒より救援要請を受け、不知火は救援に向かうが鬼怒を発見できなかった。
不知火が現地へ到着したのは日没後―――鬼怒は、17時20分には沈められてしまっていたのだった。
そして運命の10月27日―――
朝方、鬼怒を発見できず帰途についていた不知火は、早霜が大破し擱座しているという情報を得た。
その救助の為、セミララ島付近へ急行する。
早霜の姿を確認した不知火は救援に駆けつけようとする―――が
「ワレ早霜、敵襲ノ恐レアリ、来ルナ」
という不吉な信号が早霜から発信された。
しかし、不知火は今度こそ救助しようという想いからか、早霜の信号を無視し、沖合1000m付近より救助カッターの準備を始める。
―――この早霜の予感は的中。
まるで早霜を餌に待ち構えていたかのように、米戦闘機の来襲。
不知火は緊急回避行動に入った。
だが、救助体制中だったために速度が上がらない。
動けない標的は、空爆の格好の餌食だった―――
迫る爆弾は、吸い込まれるように不知火へ直撃。
大爆発。
業火に巻かれつつ、不知火の艦体は真っ二つに割れ―――轟沈。
早霜はその凄まじい大爆発を見ていることしかできず、悔しさのあまり怒号をあげたといわれる。
不知火の眠る海は―――
フィリピン諸島シブヤン海北緯11度44分 東経122度16分地点。
大海に還った魂に敬礼―――
スマホで遊べる軍艦ゲーム
【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ
「【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ」は、リアルなグラフィックの艦隊で戦う架空戦記ストラテジー。
第二次世界大戦を舞台としているので、登場する艦船はもちろん「艦これ」同様に人気のものばかり。
システム的には、入手した設計図から造り出した軍艦で艦隊を結成し、敵国と戦っていくというもの。
艦のカスタムに重点を置いたやり込み要素が豊富で、好きな艦をとことん強くしていくコトができる。
また、艦のグラフィックがとびぬけていて、ウェザリング(汚し)まで再現しているこだわりようがスゴイ。
戦艦帝国
戦艦帝国は、戦艦を集めて艦隊を作り、他の艦隊と戦っていくシミュレーションゲームだ。
戦艦のグラフィックは非常にリアルで精密に描かれており、これならミリタリーマニアも満足できるのではないかという出来だ。
基本的には、戦艦を集めて装備をパワーアップさせて艦隊を編成。
海域を選んで他の艦隊と戦っていく。
海域等の構成は、第二次世界大戦から採用されている模様。
…つまりこれは、リアル版「艦隊これくしょん」といっていいゲーム。
「白露型」駆逐艦を入手した場合、艦名を「白露」「時雨」「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」「海風」「山風」「江風」「涼風」などから選ぶ事もできる。
ただもちろん、あの「艦これ」とは全く別物。
美女は登場するが美少女ではなく、グラマラスで大人な雰囲気。しかも音声がカタコトでSiriみたい…なので「艦これ」を期待してしまうと、「コレジャナイ!」と叫びたくなるだろう。
だが、リアルな戦艦が好きな人なら、必ずやその出来に満足できるゲームだ!
「鋼鐵少女」
「鋼鐵少女」は、美少女化された軍艦を育成するシミュレーションRPG!
システムは、ほぼ「艦これ」で台湾版の艦これと噂されている程。
だが、本家よりかなりユーザビリティな作りで―――
・海域の進行条件が見える
・資源回収後に鎮守府に戻る選択肢が出る
・陣形効果が見える
などなど、艦これでの不満点が解消されているような感じ。
イラストやUIは、完全にオリジナルで作られていて完成度が高いぞ。
ローカライズされていないものの、ボイスや書き文字だけ日本語だったり、かなりおススメできる逸品だ。
アプリゲットが贈る艦これ特集「魂の還る海」をご覧ください!
記者むらさきが、艦これファンのために書き下ろした「【魂の還る海】シリーズ」をご覧ください……。