世界で注目された20cm砲搭載型巡洋艦。
軽巡洋艦「夕張」の改良型。
それが―――
重巡洋艦「古鷹」
青葉を護り、戦い抜いた古鷹型重巡洋艦1番艦の結末を語ろう。
加古…ごめんね…先に逝くね… by古鷹
重巡洋艦「古鷹」
古鷹は、旧日本海軍の古鷹型重巡洋艦(一等巡洋艦古鷹型)の1番艦。
世界で注目された20cm砲搭載型巡洋艦だ。
列強の巡洋艦は当時15cm砲塔を搭載する軽巡洋艦がメインだった。
それを凌駕する巡洋艦として、20cm砲を6門搭載した8000トン級巡洋艦として1923年度の計画で建造。
設計を担当したのは、八八艦隊計画で有名な平賀譲造船官。
実験艦であった軽巡洋艦「夕張」を改良して設計され、砲塔以外にも煙突を巨大化して、高校生を高めるために波型の甲板を採用した特徴的な船体。
砲撃力、速力、水雷戦闘能力共に太平洋戦争開戦時の水準を満たした強力な中型巡洋艦となり、当時の仮想敵だった米海軍のオマハ級軽巡洋艦の性能を上回るものだった。
その最後―――
1942年8月7日よりはじまったガダルカナル島の戦いで、連合国軍は制空権を掌握しており日中に輸送船団を送り込んでいた。
日本海軍は、駆逐艦による高速輸送作戦、通称「鼠輸送」を用いて夜間に活動するコトに。
ガダルカナル島に対する重火器輸送を企図し、支援に第六戦隊を基幹とする艦隊を送り込んでヘンダーソン飛行場への砲撃を計画していた。
第六戦隊は、青葉、古鷹、衣笠。
そして、同行する第11駆逐隊2小隊は、初雪、吹雪の2隻。
この編成で、ガダルカナル島のヘンダーソン飛行場砲撃に出撃した。
第一次ソロモン海戦の頃と比較しても僚艦はかなり少なく、この時の回想録でも―――
「せめて加古が健在ならば」
と残されている。
そして運命の1942年10月11日~12日―――
サボ島沖海戦
11日、トラック泊地より戦艦「金剛」、「榛名」以下、第二水雷戦隊、及び第二航空戦隊もまたヘンダーソン基地漢方砲撃の為に出撃していた。
それに先行して、水上機母艦「日進」、「千歳」、駆逐艦部隊、秋月、綾波、白雪、叢雲、朝蜘、夏雲のガダルカナル島揚陸作戦も実施されていた。
夕方から激しいスコールに見舞われるも、日進隊の作戦成功の一報を受け、第六戦隊もそのままガダルカナル島を目指して前進を続ける。
だが、この時、既に米軍側は増援部隊(陸兵約3000名)輸送船団から重巡洋艦サンフランシスコ・ソルトレイクシティー、軽巡洋艦ボイシ・ヘレナ、駆逐艦5隻の艦隊を護衛任務から引き抜き、アイアンボトム・サウンドに派遣して待ち構えていたのだ。
第六戦隊は速力30ノットを保ち青葉、古鷹、衣笠が単縦陣となり、旗艦青葉の右前方に吹雪、左前方に初雪という布陣で航行していた、
21時43分、スコールを抜けた先、サボ島方向に第六戦隊は艦影を認めた。
司令部は、艦影が日進隊なのか発進信号を発信し、識別を実施しようとしていた。
時間は遡り21時25分、米軍側は軽巡ヘレナに搭載された改良型レーダーで、既に敵影(第六戦隊)を確認していたという。
第六戦隊が識別信号を発信した時、その艦影から砲撃が開始され、そのまま丁字戦法で攻撃されることとなった。
この時、日本側では、米軍側が水上部隊を布陣しての反撃をする可能性は極めて低いと判断していた為、若干なりとも油断していた。
先行した日進隊からも米艦隊視認の報告がかなったコトも判断の遅れにつながったようだ。
最初の砲撃は、青葉前方を航行していた吹雪に命中、船体が炎上する。
同時に青葉の艦橋を貫通。
五藤司令官を含む司令部・艦首脳部を戦傷死してしまう。
大破した青葉は、信号で「我青葉」を連送しつつ、面舵に変針。
同時に煙幕が巻かれる。
古鷹は、取舵で左旋回で回避を試みていたが、青葉の面舵変針と炎上を確認後、青葉を援護する為に追うように針路を反転させる。
これにより、青葉と米艦隊の間に割り込む形となってしまった古鷹。
煙幕に入りきらなかった古鷹は、米艦隊の集中砲火を受けてしまう。
被弾し、搭載されていた酸素魚雷が誘爆―――
大火災が発生した古鷹は、そのまま射撃目標とされてしまった。
三番砲塔が旋回不能となり、魚雷発射管破壊、機関室にも砲弾が貫通し、左舷傾斜5度と損害が累加していく―――
最終的に航行不能にまで追いつめられる。
高射砲で応戦しつつ、残された主砲で迎撃し、第二斉射以後で敵艦に損害を与えた。
この古鷹の奮闘もあり、青葉は無事に離脱できたのは皮肉かもしれない。
仰天し、混乱していたのは日本側だけでなく、米軍側もまた同士討ちが発生していたとされる。
そして、古鷹と同様に青葉に追従して面舵に変針していた吹雪は、米艦隊に1500mまで接近しており、集中砲火を一身にあびていた。
大爆発―――吹雪、轟沈。
青葉、衣笠、初雪が戦場から離脱するコトに成功後、古鷹は海上を漂っていた。
22時40分、水線下への被弾による浸水が進み、自力での航行可能までの復旧は不能と判断。
その時、敵駆逐艦と思われる艦影が古鷹へ接近、最後の戦い―――
とはならなかった。
艦影はそのまま反転して遠ざかっていったのだ。
生き残った乗員たちは復旧可能な箇所を模索し、短電話のみが復旧できた。
駆逐艦「初雪」と連絡が取れる。
丁度、初雪は救援を命じられ近郊海域を航行中だった。
しかし、この後、古鷹は報告した位置より西へ流されてしまい万事休すかと思われていた。
が、初雪の航海長の好判断により古鷹は発見される。
接舷を試みたが、想像以上の傾斜により断念。カッターボートでの救助を行う。
船長以下の生存者は、初雪にどうにか移ることは出来た。
軍艦旗が降ろされた後、古鷹は役目を終えたように艦尾よりゆっくりと沈没していった―――。
10月12日午前0時28分、サボ島310度22浬。
深夜の暗い空の元、古鷹の船体は静かに―――静かにアイアンボトムサウンドの海底へ沈んでいった。
大海に還った魂に敬礼―――
スマホで遊べる軍艦ゲーム
【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ
「【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ」は、リアルなグラフィックの艦隊で戦う架空戦記ストラテジー。
第二次世界大戦を舞台としているので、登場する艦船はもちろん「艦これ」同様に人気のものばかり。
システム的には、入手した設計図から造り出した軍艦で艦隊を結成し、敵国と戦っていくというもの。
艦のカスタムに重点を置いたやり込み要素が豊富で、好きな艦をとことん強くしていくコトができる。
また、艦のグラフィックがとびぬけていて、ウェザリング(汚し)まで再現しているこだわりようがスゴイ。
戦艦帝国
戦艦帝国は、戦艦を集めて艦隊を作り、他の艦隊と戦っていくシミュレーションゲームだ。
戦艦のグラフィックは非常にリアルで精密に描かれており、これならミリタリーマニアも満足できるのではないかという出来だ。
基本的には、戦艦を集めて装備をパワーアップさせて艦隊を編成。
海域を選んで他の艦隊と戦っていく。
海域等の構成は、第二次世界大戦から採用されている模様。
…つまりこれは、リアル版「艦隊これくしょん」といっていいゲーム。
「白露型」駆逐艦を入手した場合、艦名を「白露」「時雨」「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」「海風」「山風」「江風」「涼風」などから選ぶ事もできる。
ただもちろん、あの「艦これ」とは全く別物。
美女は登場するが美少女ではなく、グラマラスで大人な雰囲気。しかも音声がカタコトでSiriみたい…なので「艦これ」を期待してしまうと、「コレジャナイ!」と叫びたくなるだろう。
だが、リアルな戦艦が好きな人なら、必ずやその出来に満足できるゲームだ!