「艦隊これくしょん -艦これ-」に登場する兵器「甲標的 甲」。
ゲーム中では、先制雷撃が可能となる便利な兵装だ。
小型潜航艇であるコトは知られているが、どのようなものだったか知らない人も多いだろう。
日本が勝利する為に開発された、特別攻撃艇―――
その設計図は何を産み出したのか・・・。
「甲標的」開発のはじまり
甲標的は、旧日本海軍が最初に開発した特殊潜航艇。
艦首に2本の魚雷を装備し、鉛蓄電池により行動する小型潜航艇で、後に発電用ディーゼルエンジンを搭載し、ディーゼル・エレクトリック方式となる。
1931年11月のこと、艦政本部第一部第二課で日本独自の兵器を研究開発する数多くのアイデアを検討していた。
そのアイデアの一つに横尾敬義予備役海軍大佐の提案した「魚雷肉攻案」があった。
当時の海軍には必死兵器を採用しないという伝統があった為、多くの課員の興味を集めた本案は発送に変更が加えられて採用される。
小型潜航艇から魚雷を発射するという着想で企画は実現される運びになる。
同年12月、魚雷型超小型潜水艇の開発が始まった。
「特別攻撃隊」そして「回天」へ・・・
「甲標的」の作戦参加は、実は山本五十六大将には採用されなかった。
それは、攻撃後の収容が困難であるコトが理由とされた。
活動可能な時間は約1時間程度、小型潜航艇ではあるもの旋回能力は大型艦船とあまり変わらないという運動性能の悪さもあり、攻撃に出た後の事はほとんど考えられていないと言っても過言ではなかっただろう。
数度の陳情で採用に至った経緯がある。
1941年11月11日、甲標的の部隊名が決定する。
「特別攻撃隊」
これが意味するコトは、何となくわかるだろう。
つまり、特攻隊という意味だ。
後々の意味合いとはこの時点では違っていたのかもしれないが、甲標的の発想の元は魚雷を人間が操作して体当たりを敢行する企画からのものなので、あながち間違いではない。
同年12月、5隻の甲標的が真珠湾へ―――甲標的部隊の初陣である。
当初は戦果不明とされていたが、近年の研究では戦果が評価されている。
1隻が攻撃に成功。
戦艦ウェストバージニアと戦艦オクラホマに魚雷が命中。
オクラホマはそれが致命的ダメージとなったと再認識された。
そして変えようのない事実として、5隻とも未帰還となる。そのうち1隻は座礁していたところを拿捕された。
その後もシドニー湾攻撃や、ディエゴ・スアレス港の攻撃などで「特別攻撃隊」が実施され―――
その全てで帰還者はなかった・・・。
甲標的部隊は数を増やしていき、「特別攻撃隊」の名がつかわれなくなっていくが、後の必死攻撃隊を結成する際に「特別攻撃隊」の名が受け継がれていくことに。
そして、甲標的は最終的に禁断の必死兵器、人間魚雷「回天」の開発への道筋となっていく。
スマホで遊べる軍艦ゲーム
【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ
「【戦艦】Warship Saga ウォーシップサーガ」は、リアルなグラフィックの艦隊で戦う架空戦記ストラテジー。
第二次世界大戦を舞台としているので、登場する艦船はもちろん「艦これ」同様に人気のものばかり。
システム的には、入手した設計図から造り出した軍艦で艦隊を結成し、敵国と戦っていくというもの。
艦のカスタムに重点を置いたやり込み要素が豊富で、好きな艦をとことん強くしていくコトができる。
また、艦のグラフィックがとびぬけていて、ウェザリング(汚し)まで再現しているこだわりようがスゴイ。
戦艦帝国
戦艦帝国は、戦艦を集めて艦隊を作り、他の艦隊と戦っていくシミュレーションゲームだ。
戦艦のグラフィックは非常にリアルで精密に描かれており、これならミリタリーマニアも満足できるのではないかという出来だ。
基本的には、戦艦を集めて装備をパワーアップさせて艦隊を編成。
海域を選んで他の艦隊と戦っていく。
海域等の構成は、第二次世界大戦から採用されている模様。
…つまりこれは、リアル版「艦隊これくしょん」といっていいゲーム。
「白露型」駆逐艦を入手した場合、艦名を「白露」「時雨」「村雨」「夕立」「春雨」「五月雨」「海風」「山風」「江風」「涼風」などから選ぶ事もできる。
ただもちろん、あの「艦これ」とは全く別物。
美女は登場するが美少女ではなく、グラマラスで大人な雰囲気。しかも音声がカタコトでSiriみたい…なので「艦これ」を期待してしまうと、「コレジャナイ!」と叫びたくなるだろう。
だが、リアルな戦艦が好きな人なら、必ずやその出来に満足できるゲームだ!