Oculus RiftやHTC VIVEといったVRハードウェアの登場で、ゲーミングPCという単語を聞く機会も多くなってきたと思います。
そこで「目指せVRゲーマー」と題して、PC初心者でもVRゲーマーなれるような情報を、全三回の連載で特集します。
第一回目の今回は、一口にゲーミングPCと言っても一般的なPCとの違いがよくわからない、結局どれを買っていいのか分からないという人のために、ゲーミングPCと普通のパソコンはどう違うのか、VRコンテンツを遊ぶために推奨されるPCはどんなものなのかを紹介します。
ゲーミングPCと普通のパソコンの違い
パソコンは家電量販店、専門ショップ、インターネットショッピングなど様々なところで購入可能ですし、ラインナップは非常に多くなっています。
しかし、普通のパソコンはゲーム用ではないため、パソコンでゲームをやるのには適していません。
PCでゲームをする際に重視しなければいけないのは「CPU」「メモリ」「グラフィックボード」の3つです。通常のPC選びで大切なCPUとメモリに加え、常に高画質で映像を描画するため、グラフィックの性能も必要になってくるわけです。
CPU
CPUはPC全体の処理や計算を行う部分で、CPUの良し悪しがPCの性能に直結すると考えてよいでしょう。
CPUメーカーではIntelという会社が有名です。一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
Intel製CPUのCore iシリーズがメーカー製PCなどにはよく用いられていて、Core i3、i5、i7という感じで数字が大きくなるほど高性能になっています。
CPUはCore i5の上位版で十分ゲームを楽しむことが可能ですが、ゲーム以外にも使うでしょうし今後数年同じPCを使うのであれば、i7の中でもある程度上位のものを選んでおくと安心です。
メモリ
メモリは、PCがやりとりするデータを一時的に保存しておく場所。メモリの容量がたくさんあるほど、同時にいろいろな作業ができるわけです。
メモリは最低でも8GB、欲をいえば16GBは欲しいところ。しかし、ゲームをするという目的が主で、ゲームと同時に他のことをするのでなければ8GBでも問題ないでしょう。
グラフィックボード
PCでゲームをする際に最も重要視されるのがグラフィックスの性能(GPU性能)です。このグラフィックス性能の差が、ゲームを快適に遊べるかの差になるといっても過言ではありません。
もちろんCPUやメモリも大切ですが、ゲームをするという観点で見た場合、グラフィックボード>CPU>メモリの優先順位で重要になってきます。メモリの場合は自分で増設するハードルもそこまで高くないので、足りなくなったら増やすいという考えでもいいわけです。
グラフィックボードは大きくNVIDIA製とAMD製に分けられます。それらの中で、要求・推奨されるスペック、あるいはそれ以上のものを選べばよいです。
OculusやVIVEの推奨環境をチェック
実際にOculusやVIVEといったVRハードウェアの推奨環境を見てみると、このように書かれています。
Osulus Rift | HTC VIVE | |
---|---|---|
CPU | Intel Core i5-4590以上 | Intel Core i5-4590、AMD FX8350以上 |
メモリ | 8GB以上 | 4GB以上 |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX970、AMD Radeon R9 290以上 | NVIDIA GeForce GTX 970、AMD Radeon R9 290以上 |
参考:https://www.htcvive.com/jp/product-optimized/、https://www3.oculus.com/en-us/blog/powering-the-rift/
この中でグラフィックス性能に注目すると、Oculus、VIVEともにNVIDIA GeForce GTX970、AMD Radeon R9 290以上となっています。
家電量販店に売っているような普通のメーカーPCでは、ほとんどこの要求を満たすことができません。ネットを閲覧したり、オフィスソフトを使う分であればここまでのグラフィックスを求めないからです。
確かに購入すればすぐ使えるわけですが、「この中でCPUだけ交換したい」「グラフィックボードをよりいいものにしたい」と思ってもパーツを選ぶことができません。
自作PCであれば自分の好きなパーツでPCを組むことができるため、自分の用途にあわせてグラフィックボードは最上位にしてメモリは控えめにするといった用途に合わせたPCにするこができます。
しかし、自分でパーツを選んで購入、組み上げるというのは初心者の人にはハードルが高いですよね。
また、組んだとしても電源がつかなかったり、電源は入るけどOSが起動しなかったりといったこともあります。こういったトラブルに自分の力だけで対処できないのであればオススメはできないです。
ゲーミングPCという選択肢
そこでゲーミングPCの登場です。
ほとんどのゲーミングPCは、購入する際にパーツを自分でカスタマイズすることができるため、自分の用途に合わせたスペックのPCを、自分で組む手間なくなく手に入れられます。
簡単に言えば、普通のPCと自作PCのいいところを合わせたようなPCということです。
また、通常は一年程度の保証期間があるので、万が一電源がつかなかったり、保証期間内に故障してしまっても販売店のサポートが受けられます。
つまり、ゲーミングPCとは、完成した状態で購入することができ、かつ推奨環境を満たす、いわばゲーム用に最適化されたPCというわけです。
PCでVRゲームがしたい!という場合はほぼゲーミングPC一択といっても良いでしょう。
ALIENWAREはVR推奨PC
今回はOculus・Vive双方の認証をとっている唯一のゲーミングPCであるALIENWAREの中から、例としてプレミアムモデルのArea-51をご紹介します。
本機にはスタンダード・プレミアム・プラチナ・スプレマシー・Oculus Readyスペシャルと種類があり、それぞれスペックが以下のように異なります。
ALIENWARE Area-51 | |||||
---|---|---|---|---|---|
スタンダード | プレミアム | プラチナ | スプレマシー | Oculus Readyスペシャル | |
CPU | インテル® Core™ i7-5820K プロセッサー (6-コア, 15MB キャッシュ, Overclocked 最大 3.8 GHzまで可能 ターボ・ブースト付き) | インテル® Core™ i7-6900K プロセッサー (6-コア, 20MB キャッシュ, Overclocked 最大 3.8 GHz まで可能 ターボ ブースト 付き) | インテル® Core™ i7-6950X プロセッサー (10 コア, 25MB キャッシュ, Overclocked 最大 3.8 GHz まで可能 ターボ ブースト 付き 3.0) | インテル® Core™ i7-5820K プロセッサー (6-コア, 15MB キャッシュ, Overclocked 最大 3.8 GHzまで可能 ターボ・ブースト付き) | |
GPU | NVIDIA® GeForce® GTX 960 2GB GDDR5 | NVIDIA® GeForce® GTX™ 970 4GB GDDR5 付き- PNY | NVIDIA® GeForce® GTX 1070 with 8GB GDDR5 | NVIDIA® GeForce® GTX 1080 8GB GDDR5X 付き | NVIDIA® GeForce® GTX 980 4GB GDDR5 |
OS | Windows 10 Home 64ビット 日本語 | ||||
メモリ | 8GB (4GBX2) DDR4 2133MHz SDRAM メモリ | 16GB (4GBX4) DDR4 2133MHz SDRAM メモリ | 32GB (8GBX4) DDR4 2133MHz SDRAM メモリ | 16GB (4GBX4) DDR4 2133MHz SDRAM メモリ | |
ハードドライブ | 2TB 7200回転 SATA 6Gb/s | 256GB SSD 6Gb/s メイン + 4TB 5400RPM SATA 6Gb/s ストレージ | 512GB SSD 6Gb/s メイン + 4TB 5400RPM SATA 6Gb/s ストレージ | 128GB SSD 6Gb/s メイン + 2TB 7200RPM SATA 6Gb/s ストレージ | |
光学ドライブ | スロットロード DVDスーパーマルチドライブ | スロット ロード デュアル レイヤー ブルーレイ リーダー (BR-ROM, DVD±RW, CD-RW) | スロットロード DVDスーパーマルチドライブ | ||
電源容量 | 850W電源 | 1500W電源 | 850W電源 | ||
サイズ | 569.25 × 638.96 × 272.71 mm | ||||
重量 | 28 kg | ||||
保証 | 1年間 訪問修理サービス (リモート診断付き) (6営業日9-17時) | ||||
価格(BTO標準構成) | 209,980円 | 279,980円 | 399,980円 | 499,980円 | 299,980円 |
この中で、Oculus RiftやHTC Viveの推奨スペックを満たすのは、プレミアム以上のグレードのものとなっています。
また、Oculus Readyスペシャルモデルは、「Riftを快適に動かせるスペックを満たす」とOculusお墨付きの公認PC。
今後、よりグラフィックの優れたコンテンツが登場することを考えると推奨環境プラスαのスペックが欲しいところですが、このOculus Readyスペシャルにしておけば問題ないということですね。
Oculus Ready PCは、Area-51のOculus Readyスペシャル・エディションの他に、X51 Oculus Readyスペシャル・エディション、、X51 Oculus Readyプレミアム・エディションもあります。
このように、ALIENWAREには要求を満たすGPU性能、Oculus・Vive双方の許諾をとっているという安心感があるので、ゲーミングPCの選択というのは思ったよりも難しくないのです
ALIENWARE Area-51ゲーム用デスクトップ | Dell
次回は、実際にゲーミングPCでVRゲームをプレイする実体験レポートを8月1日(月)11:00に掲載予定なので、お楽しみに!