潜水艦の中でも大戦果を挙げた代表格。
海大VI型aの1番艦。
それが―――
潜水艦「伊168」
ミッドウェー海戦で米潜水艦「ヨークタウン」を撃沈した海のスナイパーの結末を語ろう。
ああ、もっと太陽を浴びていたかったな…。海の底はもう…飽きたよ… by伊168
潜水艦「伊168」
伊168(伊号第百六十八型潜水艦)は、旧日本海軍の潜水艦。
伊百六十八型潜水艦(海大VI型a)の1番艦。
竣工時は伊号第六十八潜水艦という艦名だった。
最も有名な戦果は、ミッドウェー海戦時の米空母「ヨークタウン」、駆逐艦「ハムマン」を轟沈させたというモノ。
潜水艦の一撃で、空母撃沈か・・・艦これでも大戦果だな。
このことから、「海のスナイパー」の異名を持つ潜水艦となった。
その最後―――
1942年に、伊168はミッドウェー海戦に参加し、前述の大戦果をあげる事に成功。
その後、呉へ入港し入渠修理を実施し、翌1943年にはガダルカナル島やキスカ島への輸送任務などの活動記録が残っている。
5月には横須賀へ入港し、7月12日に呉を出港。
7月25日には、トラックを出港してラバウルへ向け航行を開始した。
そして、運命の7月27日―――
未明、米潜水艦「スキャンプ」は、ラバウル近海で輸送船団とその護衛艦と交戦。
特務艦「風早」に魚雷6本を発射。
うち1本が命中するも撃沈には至っていない。
同日17時54分、「スキャンプ」は、1隻の潜水艦を発見。
これが「伊168」だった。
伊168も、スキャンプを補足し、魚雷を発射。
これをスキャンプは67メートルまで潜航してやり過ごす。
この時、伊168はスキャンプを見失っていた。
完全に伊168をやり過ごした10分後、スキャンプは潜望鏡深度まで戻り狙いを定める。
発射された魚雷は4本。
スキャンプは、5つの爆発音を捕らえた。
全弾命中なのか、船体自体の爆発音か―――
対象潜水艦の轟沈を確認した。
アメリカ側の記録では、伊24を撃沈とされていた。
後に日本側の記録を参照した結果、この時、スキャンプが轟沈したのは伊168と判明した。
海のスナイパーの異名を持つ潜水艦は、静かな戦いの末―――
太陽の光の届かないところへ深く・・・深く沈んでいった。
中島艦長以下97名全員が戦死。
詳細は、このアメリカ側の戦闘記録のみである・・・・・・
大海に還った魂に敬礼―――