誰もが名前を知っている超超超大手ゲーム会社の現役プロデューサーXによる、特別寄稿シリーズがこちらの「スマホゲーム百人組手」。コアなゲーマーであるX氏は、同時に作り手でもあり、ゲームへの愛が深すぎるゆえ、日々超辛口にゲームをぶった斬りまくるのであります。
辛口すぎてどこまで続けられるんだろう……。編集部にすら分かりません。
第二回となる今回は「ワンダークラウン」です。
→「ワンダークラウン」のレビューはこちらから
目次
ストーリーがとにかく魅力。ライトな読み物感覚でのプレイがオススメ!ゆるめなRPG「ワンダークラウン」
本作は、あの可愛いキャラで人気の「ゆるドラ」の「クローバーラボ」さんが贈る最新作。「ゆるドラ」とまた違った、可愛いキャラクターたちをフィーチャーしている。
システム面は前作を踏襲しながらも改良が加わっていて、画面上の文字表示が極力抑えられ、キャラクターや演出に注力されているようだ。特に戦闘は前作以上にインパクトがある。戦闘時にはキャラクターがしゃべりまくるので、なかなか賑やかなバトルが楽しめる。ちなみに特定キャラクターが同じパーティーにいると繰り出せる「合体技」も存在しており、それを探し出すのもまた一興。
UIも含め、画面全体が見やすくて、操作もしやすくて気持ちいい。UIデザイナーの実力の高さがうかがえる。なので、スマートフォンゲーム初心者でも、専門用語には疑問を持っているものの、迷うことはまずないはず。
キャラクター
いまどきスマホアプリを選ぶときは、なんだかんだ最初はキャラの雰囲気が合うか合わないかから入る人が多いんじゃないかと思う。戦闘時のキャラクターは安定の3頭身であるものの、ストーリー登場時は、「ゆるドラ」の3.5頭身と違って、比較的にリアル寄りの5頭身となっている。
また、ほかのゲームと比べると、見た目がやや地味でお色気成分が少し足りていないので、「そっち系」の客層への訴求は難しいかな?とはいえ、一般の目線から見れば十分に可愛いのは間違いない。
キャラクターの育成
キャラは「強化」、「進化」、「限界突破」、「結晶装備・強化」、「コマンド強化」と数多くのカテゴリーで育成可能。それぞれ異なる方向で能力を伸ばせる。キャラクターには「親密度」があり、特定親密度に到達すると「キャラクター」クエストがプレイ可能になる。それらをクリアするとステータスが上がる。詳しくは割愛するが、育成面では「限界突破」以外は案外簡単にできるのでストレスを感じることは少ない。
進化に関しては、☆3から☆5まで進化できるキャラもいれば、最初から☆5しか存在しないキャラもいるので、そこらへんはゲーム内からいける「掲示板」なり、ネットで調べておくと損しないぞ。
ゲームの雰囲気
筆者が最初にアプリを起動した直後の第一印象は「テンションたっけえなヲイ!」だった。
アプリを起動するたびにいろんな声優さんのタイトルコールがあり、どれもめちゃくちゃ明るい。あと、人気男性声優若本さんの「わんだ~くらうんっ!!」が聞けるのはここだけ!
同じく可愛いキャラ盛りだくさんの別作品「ラストピリオド」と全く正反対で、ストーリー全体的にはハイテンションな紙芝居で進行して、話がなかなか楽しくて面白いので、是非ともスキップせずに全部読んでほしい。
ただ、所々、元ネタがおやじ臭いところは否めないので、シナリオライターの年齢がバレてしまわないかが心配だ!
マネタイズ
さて、皆さんが一番気になるであろう課金について。本作もほかのアプリと同じく、キャラクターガチャがメインとなる。ガチャを回すための単位は「金メダル」、一回で500メダルで10連は4,500金メダルなり。
チュートリアルで好きなキャラが1体出るまで何度も有料ガチャが回せる。その後2,000金メダルの初回課金10連ガチャが回せる。
チュートリアルを終えて、すべてのプレゼントを受け取り終えるところまでは全部無料。ちなみに提供割合はこんな感じ。
番外編:効率良く金メダルの稼ぎ方
このコーナーは、たぶん開発さんにはあまりよく思っていただけない内容かもしれない。が、「そういうシステムなので」ということで、ここで軽く披露したい。
クエストをクリアしていくと「金メダル」が100単位でもらえる場合もある。そして「キャラクエスト」に関してはキャラクター1人に3本あり、クエストをクリアすると100金メダルがもらえる。
課金ガチャのほかにも当然、フレンドガチャもある。面白いことに、このゲームはフレンドガチャのキャラクター数が異様に多い。たぶん50キャラ以上はかと思われる。なので、フレンドガチャを積極的に回して、「キャラクエスト」をクリアすると金メダルががっぽり入ってくる。時間があれば、完全無課金でも☆5一色のパーティーを組むのは可能だ!
ちなみに筆者は現在4つ目の大陸まで到達し、フレンドガチャを欠かさず回して、レベル1のままのキャラクエスト1だけさばいていった結果、プレゼントでもらえた金メダルで課金ガチャを少なくとも50連ぐらいはしていると思う。
で、戦果は御覧の通り。非常に運が良いのかもしれないが。
まとめ
「ワンダークラウン」を5日ほどプレイした所感としては、キャラも声もかわいい、個性的。ストーリーも面白いからスキップ大好きマンの自分も思わず読んでしまうレベル。しかしキャラクターの可愛さはやはり「ラストピリオド」とは到底比較できない(オタク的な直感)ので、ここで相当損していると思われる。
ゲームプレイはいたって普通で、ストーリーモード以外の遊びは現時点皆無なのでゲームでのソーシャル要素はフレンドユニットレンタルのみ。つまり飽きが早くて、キャラの育て甲斐が正直あまりない。実際、筆者のフレンド一覧では半数以上はすでに離脱していると思われる。
上記各要素で課金意欲が湧かないのが、提供元としては相当痛いんじゃないかと思う。いまの良いところを壊さないようにしながら、いかにユーザーに残ってもらうのか、課金誘導できるのか、ビジネス上の最優先事項として考えるべきなのではないかと思う。
全体的に「浅い」ので、「ライトな読み物」感覚としてプレイすれば楽しめるが、がっつりプレイしたいコア寄りゲーマーには物足りないタイトルだなぁと思った。