『FGO』における初期サーヴァントでありヒロインでもあるマシュ・キリエライト。
デミ・サーヴァントである彼女が何の英霊をその身に宿しているかは今のところ不明。
けれどもストーリーにおける登場人物たちの言動、とりわけ『アーサー王物語』の登場人物たちの言葉から、マシュは「ガラハッド」を宿しているのではないかと言われています。
出典:http://urx.mobi/uxHx
今回はそのガラハッドについて紹介していきましょう。
13番目の円卓の騎士ガラハド
出生
ガラハド(ガラハッド)は円卓の騎士・ランスロットとカーボネック城の姫君・エレインとの間に生まれた子供。
ランスロットは元々、アーサー王の妻であるグウィネヴィア王妃とデキていた(不倫)のだが、
ランスロットがカーボネック城を訪れた際、エレイン姫がランスロットに一目惚れ。彼に振り向いてもらおうと魔女に頼んで魔法をかけてもらい、グウィネヴィア王妃そっくりに変身してランスロットに迫っていく。
魔法による変身だと気づかず一夜を共にしたランスロット(不倫)。翌朝相手がエレイン姫だということに気が付いたのだけどすべてが後の祭り。
グウィネヴィア王妃に不倫させているにもかかわらず、自分は別の女と浮気してしまった事実に耐えきれなかったのか、ランスロットは肌着のまま寝床から逃亡。
出典:岩波少年文庫『アーサー王物語』
そのまま狂化・暴走し数か月にわたって森の人となって行方不明。方々に迷惑をかけたわけだがここでは割愛。
個人的にはもう少しラーンスロットさんの黒歴史について触れていきたいような気もするが…まあ、とにかくそんなこんなでガラハドは生まれたのである。
ガラハドの両親は、散々貶しておいてなんだがランスロットが優秀なのは言うまでもないことだけど、エレイン姫も先祖をたどればキリスト教・アリマタヤのヨセフにたどり着き、カーボネック城自体も聖遺物(ロンギヌスの槍&聖杯)を保管する格式ある家系。
実力と格式を兼ね備えた、誰よりも優秀な騎士になりうる資質がガラハドには存在していた。
ナイツオブラウンド結成!→解散
ガラハドが成長し、アーサー王の元へ集うと、彼は今までずっと空席であった円卓の13番目の席に着席する。
この席、13番目の席ということで呪われており、資格のないものが座るとわざわいが降りかかると知られていたのだが、ガラハドは有資格者だったようで事も無げに着席。
この瞬間アーサー王と12の円卓の騎士がすべてそろったことになり、キャメロットが最盛期を迎えることになる。
…だったのだが、すべての円卓の騎士が着席したときアーサー王たちの目の前で強烈な光と共に聖杯が出現。そのまま何をするでもなく消えてしまうというふしぎな出来事が起こった。
その光景を目の当たりにした円卓の騎士たちは次々と席を立ち、あの聖杯を「探求」してみせると宣言。そのまま冒険の旅に出発してしまった。ガラハドもまた、その中の一人だった。
…物語を読む限り、アーサー王物語の騎士たちは、冒険に出る際事前に「冒険の目的」「探究の内容」を決める必要があるようで――なにやらどっかのネトゲのようなシステムだけど――そんな彼らにとってこの聖杯騒動は格好の「クエスト」だったのだろう。
ちなみに、この旅で命を落としてしまった円卓の騎士が結構いたため、円卓の騎士が13人すべてそろう瞬間はこの時が最初で最後だったとか。
ガラハドの剣
わざわいの剣
ガラハドの持つ剣はアイスソード…などではなく、アーサー王のエクスカリバーと同じくアヴァロン製の魔法の武器。
資格を持つもの以外が持っていると持ち主にわざわいが降りかかるという剣で、かつての持ち主であったバリンという騎士はそのわざわいによって命を落としてしまった。
このバリン、粗暴で短気ですぐに手が出る乱暴者だが、根っこから悪人というわけではなく、アーサー王物語の序盤の強敵であるリオン王(ヒゲ・アホ毛狩りが趣味な暴君王)を捕えるなど実力も確かな騎士。
けれども剣のわざわいのせいか、紆余曲折あって実の弟と決闘することになりお互いがそうと知らぬまま殺し合い、命を落としてしまう。
選定の剣
その後、わざわいの剣は資格を持つもの以外が抜くことが出来ないようマーリンによって岩の中に封印、
まるでアーサー王伝説の初めの物語のように、キャメロット近くの川石に突き刺さるそれをガラハドはあっさり引き抜き自分の剣としたのだった。
ガラハドの盾
ガラハドの盾はアリマタヤのヨセフによってもたらされた盾で、資格のないものがその盾をもつとわざわいが降り注ぐという。何度目だよその設定…
また、その盾を持つものは聖杯の探求に成功するとも伝えられており、ガラハドはとある修道院におさめられていたその盾を譲り受け、事実聖杯の探求を成し遂げている。
ガラハドの聖杯探究
円卓の騎士たちが求める聖杯――魔術によって作られた願望器ではなくキリストの血を受けた聖遺物――はカーボネック城、つまりガラハドの実家に保管されているわけだが、
カーボネック城は聖遺物の力、というか呪いのせいで存在するかがわからず、そう簡単に里帰りと行かないような場所にあるらしい。
ガラハドは魔法の船に乗り、イギリス中を旅してまわり、ついにカーボネック城発見に成功する。
…そのちょっと前にランスロット卿がカーボネック城をすでに発見していたが、不倫するような人は聖杯に嫌われるらしく、あとちょっとのところで聖杯を手にすることが出来なかったという。
……ちなみにランスロット卿、作中で合計5回聖杯とニアミスしている。不倫さえしてなければ手に入れてたんじゃないの?
まあ、それはともかく、カーボネック城の祭壇に祭られた聖杯を手に入れたガラハドは聖杯に湛えられた聖酒に口をつけ、カーボネック城の呪いを解き、そのまま天に昇って行ったという。
…ガラハド死んだ!?
マシュについているのはガラハドなのか?
…とまあ、ここまでガラハドの生涯について語ったわけだが…問題は本当にマシュについているのがこいつなのか?ということ。
FGO本編においてやたらとアーサー王物語系の英霊に反応されることから、かの物語に関係している英霊であることはまず間違いないし、
モードレッドが聖杯の持ち主にふさわしいと言っていたあたり、物語で唯一聖杯を手に入れることのできたガラハドである可能性は非常に高い。
…疑問なのはマシュの盾そのもののデザイン。
英霊召喚のサークル設置にも利用されているマシュの盾だが、真っ白な盾にアリマタヤのヨセフの血によって十字が描かれているというガラハドの盾とは微妙にデザインが異なっている。
ひょっとしてこれからの霊基再臨で盾のデザインが変わっていくのかも?