サリーちゃんのパパが頭頂部をモヒカンにしたような顔に、胸の鳥、小さな盾。
独特のシルエットのスーパーロボット、それは―――
「アトランジャー」
原作アニメなしで展開し、今もファンの多い伝説の合体ロボットシリーズ。
今回は、今も愛されるアオシマのオリジナルロボット「合体ロボット アトランジャー」を大特集だ!
アトランジャー召還! byネプテューヌ
「アトランジャー」って?
アトランジャーは青島文化教材社(以下、アオシマ)から1975年に発売されたロボットプラモデル。
紀元前5500年の古代アトランティスで製造されたスーパーロボットで、西暦2500年の世界で戦う。
という設定だ。
TVアニメなどは存在しない。
この設定を見て「あっ!」と思えた人はロボットアニメ通だろう。
1975年と言えば古代ムーで製造されたスーパーロボット「勇者ライディーン」が放映されていた時代。
設定自体は、あっちがムーならこっちはアトランティス!的な発想だったのだろう。
だが、あえて明記させてもらっておこう。
パチモノプラモ戦記の中でも、このアトランジャーとそのシリーズは、本来はパチモノというカテゴリで語られるべき作品ではないコトを!
アオシマの「合体マシン」
この「アトランジャー」は、アオシマの「合体マシンシリーズ」の一つとして登場。
このシリーズでは、一体のロボットを「合体マシン」として分割販売するというモノ。
「スーパーロボット・マッハバロン」の版権を得たアオシマが試行錯誤で生み出した名作プラモシリーズ。
1970年代のロボットプラモデルは、一体500円が通常だった。
しかし、子供たちのお小遣いでそれを買うのは難しかった。
そこで、頭、腕、足、胴体を分割してそれぞれを、これも当時人気だったスーパーカーなどのマシンと融合させて100円のキットとして販売。
全部そろえると一体のスーパーロボットと、様々な組み合わせ可能なオリジナルメカになる。今考えると、かなりお得な展開。
しかも、接着剤を子供に使わせるのは危険という判断で、いち早くはめ込み式を採用。
着色しないで素組みする子供も多かった為、そのままでも楽しめるようにと、色分けされたランナーで形成してそのまま組んでも着色モデルと遜色ないように。
こうして誕生した「合体マシンシリーズ」は大ヒットとなった。
接着剤を使わないコンセプトは、アトランジャーのデザインにも反映されている。
腕や足の赤い輪のようなパーツが分かるだろうか?
これをはめ込んで接着剤の代わりにしていたのだ。
差し込み型より、安定したものとなり、動かしてもパーツが離れにくい構造がなくなっていた。
こういったアイデアも、ヒットの一要因だったのだろう。すげぇ……。
発展する「アトランジャー」
アトランジャーはオリジナル作品の中でも人気が高かった。
「ニューアトランジャー」
「発展型アトランジャー」
など、別の形のアトランジャーも作られ、シリーズの更なるアイテムにもつながる作品も追加されていく。
「合体マシン タイガーシャーク」
100円でのばら売り時に、ロボットパーツの付属品だったマシンを融合させたものから発展したモノ。
このロボットじゃない部分のパーツが進化し「合体マシン レッドホークヤマト」などへ進化していくが、それはまた別の話。
愛され続けるアトランジャー
実は、アトランジャーは、ゲームなど様々な作品に登場している。
こうなったらTVアニメも今更ながら、作ってほしいものだ!
【登場作品】
・アオシマコミックス(作・今道英治)
・プレイステーション版「70年代風ロボットアニメ ゲッP-X」
※横スクロールSTG。アオシマより友情出演。
・ユージンSRシリーズ「懐ロボミュージアム1」
・終末ロボット戦記 アトランジャープロジェクト-e(トラウママンガマガジン連載、作・渡辺和幸)
・アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
※8話OPに登場。
・「神次元ゲイム ネプテューヌV」
※ネプテューヌのスキル「アトランジャー召喚」。
この中でも「ゲッP-X」をピックアップ。
こちはは、70年代のロボとアニメ、特に「ゲッターロボ」と「ゲッターロボG」をモチーフに作成されたシューティング。
ステージ毎にOP/EDと次回予告までついている。
更にアイキャッチとCM(!?)まで!と、凝り過ぎている作品内容はまた機会があれば詳しく……。
アトランジャーは、クリア後に友情出演という形で使用可能になる。
非常に強力なキャラで、アトランジャーの兄弟ロボであるゴダイガーも登場するという豪華さだった!
夢のアニメ化!
2011年12月のコミックマーケット81で、OVA「合体ロボット アトランジャー」が発売。
販売はジー・モード。後に、ダイナマイトアクション限定版の特典として、同OVAが収録されたDVDが復刻された。
主題歌は串田アキラさんが熱唱しているので必聴!
キャスト
飛鳥賢:遠近孝一
紅剛一:松尾大亮
博士:上別府仁資
神宮寺艦長:遠藤大智
上條拓弥:藤田佳宣
目黒翔太:阿部幸恵
目黒勇太:鍋井まき子
早乙女ユイ:高垣彩陽
中田瞬:松尾大亮
桐山康平:角研一郎
本城舞子:高垣彩陽
スタッフ
原作:青島文化教材社
監督:吉田徹
脚本:平野秀朗
キャラクター原案:今道英治
キャラクターデザイン:森下博光
メカニックデザイン:まさひろ山根、吉田徹
美術監督:杉山祐子
色彩設計:松山愛子
撮影監督:棚橋裕次
音楽:井上日徳
音響監督:飯田里樹
音楽プロデューサー:黄樹弐悠
アニメーションプロデューサー:福家日左夫
アニメーション制作/製作:AIC
主題歌
「ぼくらのアトランジャー」
作詞:桑原永江 / 作曲:渡辺宙明 / 歌:串田アキラ
アトランジャーとは、パチモンとして認識している人がほとんどだろう。
だが、これはアオシマの本気が詰まったオリジナルのロボットシリーズだったコトがわかってもらえただろうか!
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