【アプリサミット】第2回 カイロソフトの人気ゲット『アストロ探検隊』 の海外レビューサイトの評価だけ集めてみた

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執筆者:編集部

世界にはいろんなAndroidアプリがある。そして、世界にはいろんなレビューがある!

ということで、Androidゲームアプリをグローバルな視点から取り上げるコーナーが「アプリサミット」第2回目!

1回目はモンスター級のヒット作のインディーゲーム『Minecraft – Pocket Edition(マインクラフト – ポケットエディション)』をとりあげたが、今回は国産!日本が誇るインディーデベロッパーのカイロソフトをとりあげたい!

カイロソフトはもともとPC向けのゲームから出発したデベロッパー。主にフィーチャーフォンのアプリで人気を集めたが、時代がスマートフォンに移行していくのにもうまく対応して、数々のヒットアプリを生み出している。

海外版もリリースしており、世界的に知名度の高いデベロッパーだ。また日本のデベロッパーとしては珍しく、アイテム課金制ではなく、有料ゲームで勝負をしているところも注目だ。

そんな国内でも海外でも人気の高いカイロソフトのゲームだが、今回は海外で特に評価が高かった『アストロ探検隊』(英語タイトルはEpic Astro Story)のレビューを集めてみた。


アストロ探検隊とは

他のカイロソフトのゲームと同様、『アストロ探検隊』もシミュレーションゲームだ。プレイヤーは未知の惑星を開拓していく。施設を建設しながら、人口を増やしたり、食料を生産したり、他の惑星からの観光客を招いたり!可愛いドット絵とは裏腹に予想以上に多くの要素がつまったゲームだ。

アストロ探検隊画面

かわいいドット絵だが本格的なシミュレーション。

特徴的なのはRPG風のバトルだ。戦闘は自動だが、サイドビューでドット絵が戦っている姿をみるのはなかなか楽しい。もともとフィーチャーフォン向けに2009年にリリースされた作品だが、タッチパネルなどスマートフォン操作に対応してリニューアルされているぞ。


海外レビューサイトの評価点とコメント

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「Know Your Mobile」 10.0 (2012年1月5日)

イギリスのスマートフォン・モバイル機器の大手総合サイトKnow Your Mobileはスコア10.0と大絶賛。スマートフォンのゲームとして、「日本の会社カイロソフトほど魅力的で興味深いデベロッパーは少ない」とこれまでのタイトルに対しても高く評価しながら、『アストロ探検隊』に魅力を以下のように説明する。

カイロソフトのこれまでのゲームとくらべて、『アストロ探検隊』はよりいっそうやりがいがあり、奥深い。一度に多くの要素をやりとりする様は、『シムシティ』や『シヴィライゼーション』のようなPC向けのリソース管理型のタイトルを思い起こさせる。そして、それらのタイトルがゲーム史においてもっとも魅力的なものであるように、これらは決定的によいことがらである。

アストロ探検隊の建設

様々な施設を建設したり、武器を開発したり!

『シムシティ』や『シヴィライゼーション』といった偉大なゲームと比較されるほどの絶賛ぷり。強いて挙げられる欠点として、『アストロ探検隊』が他のカイロソフトのゲームよりも「複雑」であり「少し難しい」と述べている。

アストロ探検隊メニュー

確かにメニューのコマンドはいっぱいあるけど、そんなに複雑!?

個人的には「いや、さすがにそんなに複雑じゃないだろう。少なくとも『シヴィライゼーション』に比べたら相当シンプルだろ」と思わなくもない。たぶんKnow Your Mobileは、ゲーム専門メディアではなく、スマートフォン総合サイトであるから、よりカジュアルなユーザーが多いため、このような評価になったのだろう。


「POCKET GAMER」  9.0 (2012年4月9日)

さて前回も取り上げたイギリスの携帯ゲーム専門メディアのPOCKET GAMER。彼らも『アストロ探検隊』のレビューを掲載している。気になるスコアは9.0と高評価。イギリスのメディアらしい辛口で辛辣なレビューが多いPOCKET GAMERにとってはこれはかなりの高評価だ。では一体、どこが評価されているのだろうか?

『アストロ探検隊』はこれまでのカイロソフトの作品の良い部分をまとめた集大成だ。ものすごく中毒的で、驚くほど奥が深く、とことんやりがいがあり、魅力的かつ懐かしいレトロなドット絵デザインは誇り高い。

アストロ探検隊のドット絵

画面拡大をするとよりドット絵が鑑賞できる。

というふうに、基本的にその中毒性、システムの奥深さ、デザインの点で大絶賛している。ただし、それでも批判点を提示しているところはPOCKET GAMERらしい。

しかしながら、それは完璧というわけではない。操作性は少しばかり頭痛の種だ。例えば、道路やビル、他の建築物を建てるとき、正しい場所を指定するのがやりづらいことがある。ビルを間違った場所に建てたとき、建築を潰してやり直す他ないことがあるのだ。

アストロ探検隊操作

細かい場所に施設を建てるときなど操作はちょっとやっかい。

確かに『アストロ探検隊』の操作性は完璧というわけではない。画面の拡大縮小などには対応しているが、POCKET GAMERでも指摘されているように、マウスで操作ができたらやりやすいのにと思うことはしばしばある。

ともあれ操作性の以外の点においては、ほぼ満点!やはり世界に誇れる日本のゲームであるだろう。操作性に難があるならば、海外向けにPC版をリリースしたらどうだろうか?


「GAMEDYNAMO」  9.3 (2012年5月31日)

英語とスペイン語の二ヶ国語によるゲーム総合サイトGameDynamoのスコアも9.3と高評価。『アストロ探検隊』を他のカイロソフトのゲームと比較して、そのRPG風のターン制バトルが特徴だとしながら、以下の様な欠点も指摘している。

残念なことに、『アストロ探検隊』は難易度の高いゲームではないので、開拓者たちがモンスターに負ける危険性はほとんどない。ゲーム展開は非常に親切で、部隊や都市をアップグレードする機会はたくさんある。(…)そのため、より難易度の高い戦略性を求めるゲーマーは他をあたるべきだ。

アストロ探検隊バトル

RPG風のバトルが本作の一番の特徴。

実際のところ、筆者も『アストロ探検隊』の難易度はちょっと簡単すぎて、拍子抜けしたところがある。ほとんどの戦闘は負けることがないし、たとえバトルで負けたとしても失うものは少額のお金だけだ。

ただこの難易度の低さは他方ではメリットであることを、GameDynamoは同時に指摘している。

だが幸いにも『アストロ探検隊』の難易度の低さは、その魅力と中毒性を作り上げている。グラフィックはカラフルで心地よく、音楽は快適で邪魔にならない。やれることは多くて、飽きてしまうことはなく、開拓地が発展していくのを見るのは満足感がある。

アストロ探検隊イベント

都市が発展し、開発できるものが増えいてくのは楽しい。

要するに難易度は低いが、そのゲームバランスはカジュアルに楽しむには丁度よいといことだろう。グラフィックと音楽の心地よさは特筆すべき点であり、気軽に遊ぶには最適のゲームなのは間違いない。


「Gamezebo」  8.0 (2011年12月19日)

カジュアルゲーム専門のサイトGamezeboのスコアも8.0と高評価。RPG風のバトルを盛り込んだことを良い点として指摘しながら、、『アストロ探検隊』を以下のように評価する。

最初の1、2時間をプレイして、リズムを掴むまでは、『アストロ探検隊』はすぐにはその本性を表さない。資金が減っていくと、都市が黒字に回復するまで待ちながら、ゲームを起動して放置しておく時間が必要だ。だが一度、探索に成功し始めると、お金は定期的に転がり込んでくる。(…)カイロソフトがどうやって「あともう一回だけ」という中毒性を作り出してたのかはわからないが、『アストロ探検隊』は、彼らが作ったもっとも中毒的なゲームのひとつだ。

アストロ探検隊成長

ゲームは起動している時間とともに経過する。

確かにゲーム自体は簡単なものの、資金を貯めるには時間経過が必要な場面も多い。しかも、昨今のソーシャルゲームと異なり、本作はゲームの起動している間だけ時間経過が発生する。とはいえ、ゲームが進むにつれて、探索できる場所や建設できる施設、開発できるアイテムが増えるので、これはそんなに気にならない点だろう。


「アプリ★ゲット」  8.0  (2011年11月30日)
アプリ★ゲットでもカイロソフトのゲームは多数レビューしてきた。『アストロ探検隊』のスコアは8.0とまずまずのところ。一方『ゲーム発展国++』のスコアが9.0とカイロソフトのゲームでは最高評価だ。気になるレビューの内容はというと…

人気アプリを多数配信する「カイロソフト」の新作。携帯アプリからの移植作だが、Android用に操作面が拡張されており、非常に遊びやすくなっている。とくに、端末の向きによって画面を縦・横に切り替えることができ、通勤中は縦画面で片手操作、がっつり遊ぶなら横画面で、という具合に使い分けができるのは嬉しい。

アストロ探検隊縦画面

縦画面にも対応して遊びやすい。

まずはフィーチャーフォンとスマートフォンの操作性について言及。端末が縦横両対応なのは、やはり好印象だ。肝心のゲームの内容については…

内容は、今までの経営ゲームジャンルに戦略ゲームの要素がうまく盛り込まれており、堅苦しいシステムがないため、幅広い層で楽しめるものとなっている。ただ、物語が簡素なので戦闘がどうしても作業的になってしまう。バトル要素があるなら物語にも重点をおいてほしいところだ。

アストロ探検隊探索

いちおう探索時にイベントはあるが、物語というほどのものではない。

「バトルはあるが、物語性がうすい!」となかなか辛口コメント。フィーチャーフォン時代からカイロソフトのシミュレーションやケムコのRPGをたくさんレビューしてきた納谷さんだけに、このコメントには含蓄がある。

以上、『アストロ探検隊』のレビューをいろいろ見てきたが、総合的にかなりの高評価と言えよう。特筆すべき点としては、どのレビューも本作をカイロソフトの他のゲームと比較している点であり、海外でのカイロソフトの存在感は大きい。またRPG風のバトルが好評なのは、海外ゲーマーらしい視点と言えそうだ。

自由にタイトルをリリースできるスマートフォン時代。カプコンやセガ、スクウェア・エニクスといった大手ゲーム会社のタイトルだけではなく、カイロソフトのような小規模のインディーデベロッパーが海外で活躍する様子にはなかなか勇気づけられる。

執筆者: 編集部