2015年2月12日にAndroid版、同3月4日にiOS版をリリースし、1ヶ月で100万ダウンロードを突破した和製RTS『リトルノア』。
5月30日に実施された大型アップデートでは、新たな召喚施設やレイドボス発見者報酬が実装された。このアップデートの反響やユーザーを離さないような施策などを、プロデューサーの岡田佑次氏に伺った。
目次
大型アップデートの反響は?
-よろしくおねがいします。先日の大型アップデートの反響はいかがでしたか?
岡田佑次氏(以下、岡田):概ねいい評価は頂いていて、そこからより継続してくれている方もいますし、今回のアップデートで増えた新規の方もいますね。前向きに捉えてくれているユーザーさんが多いという印象です。
リトルノアをリリースしてから多かった意見が、ユニットの拡張が運の要素が大きいというところでした。そこにやり込み要素を感じてくれるユーザーさんと、そこで離脱してしまっているユーザーさんがいたのを、レイドボスの発見者報酬や召喚施設での増殖というところでカバーできればというのが今回のアップデートの目的でした。
-僕自身、今回のアップデートは非常に嬉しかったです(笑)ユーザーからの声はどうやって反映させていますか?
岡田:問い合わせやTwitterからの意見も多いので、それらを開発者で検討、取捨選択して実装していっています。それ以外にも、数字上で離脱の多いポイントなどを調べて、どこをしっかり強化したほうがいいかなども含めて改善、検討しているという形です。
-ちなみに、どういう意見が多いですか?
岡田:様々なお問合わせをいただきますが資源関係のご意見が一番多いです。
-すごくリアルですね(笑)そういった部分のバランスは難しそうですね。
岡田:そうですね。バランスに関する問い合わせも多いです。資源が足りないっていうのもですし、このキャラの動きはこうしてほしいとか、あのキャラをもう少し強くしてほしいとかも。
-キャラクターのパラメーター調整に関しては、どういったやり方をとっているのでしょうか。
岡田:いまのところ弱体化は考えていません。このキャラを弱くするために他のキャラを強くしようというのもありません。
そのキャラの活躍する場が少ないとか、使用率が低いという場合、もう少し使いやすくして使用率を上げようという感じです。
-使用されるキャラのバラツキがあると思いますが、どのキャラも使いやすくするような形で修正していくという感じなんですね。
岡田:その時によって調整内容は変わりますが、なるべく色んなキャラクターを使ってもらいたいし、試行錯誤してほしいと思っています。1つのキャラクターが強いというのにはしたくないので、そういった調整をしていこうと思っています。
離脱の原因を調べてピンポイントでアップデートを
-今回のアップデートも併せて、一度離れたユーザーを再び呼び戻して、更に人を増やすにはどういった部分が重要だとお考えでしょうか。
岡田:離脱した人が、どこで離脱したかをしっかり分析して、そこにピンポイントでアップデートをかけるのが一番重要だと思っています。
今まで遊べてなかった物を遊びやすいようにしてあげると、戻ってきた時に「あ、これ遊べるようになってるんだ。」というのがあるので、そこを意識してやっていきたいですね。
6月末のアップデート(※)で、4人協力バトルプレイでフレンドやログインしているユーザーさんを募集できるというのを実装しようと思っています。これまでの協力バトルだと、ギルドに入っていたり掲示板に書き込んだりっていうのが多かったんですが、それをアプリ内でフリーで募集して、例えばレベルがこれ以上の人と一緒にやりたいとかで検索したりとか。
そういう調整をかけて、戻ってきた人が「お、遊びやすくなってる」って感じられるようにしていきたいです。
※6月29日のアップデートで実装済
-そうなると一人で遊んでいるユーザーもやりやすくなりますね。やはりギルドを組んでいる人が多いんですか?
岡田:そうですね。Twitterやリアルの友人同士でギルドを組んで、レイドや協力バトルで遊んでもらうというのが多いようです。
継続しているユーザーさんはギルドに入っていて、ギルドでコミュニケーションをたくさんとっている人が多いので、そういう人が増えるような仕組みを作っていかなければと思っています。
ノアの眼帯の奥に秘められたものとは!?
-デザインはほぼ内製なんですか?
岡田:ほぼ内製でやっています。
-同じような箱庭ゲームがたくさんあるなかで、リトルノアは非常にグラフィックに力を入れられていますよね。
岡田:アートディレクターに吉田明彦さんを迎えていたので、箱庭ゲームというだけでなく、ネイティブゲームの中でもグラフィックは突出したもの、他では絶対にデザインできないものというのがリトルノアにとっての最大の強みだと思っているので、そこは魅力を可能な限り出していこうと思っています。
-キャラクターのデザインは、特定の年齢を狙ってたりするんでしょうか?
岡田:基本は万人受けするようなものを考えています。しかし、吉田明彦さんのファンがかなり多いので、子供の頃にプレイしたゲームのデザインがイメージしやすい年齢の方に多くプレイしていただいているという印象です。
-ネームバリューも大きいですし、そこから来る人も多そうですよね。ちなみに、今後もどんどん新しいキャラを追加していくのでしょうか?
岡田:完全新規のキャラクターの追加もですが、今いるキャラクターの追加進化もしていく予定です。ただ、他のゲームよりも増やすペースは少なくなると思います。
-楽しみにしています。ノアを増やす予定もあったりするんでしょうか?
岡田:そうですね、各属性のノアは必ず追加していこうという形で考えています。
-よく聞かれるとは思うんですが、ノアの眼帯の奥の設定とかは決まってるんですか?
岡田:毎回聞かれますね(笑)吉田さんとも「あの奥どうしましょうか?」って話をしています。
-完全に未知数なんですね。
岡田:そうですね(笑)
-ちなみに、岡田さんが一番好きなキャラはなんですか?
岡田:アーチェが一番好きですね。使いやすいというのもありますし、3Dであがってきて一番バランスのとれたキャラクターだと思いました。
-使いやすさでアーチェを使っている人は多いですよね。開発中に「このキャラは人気でそうだな」と思っていたりしたものもあるんでしょうか。
岡田:デバッグ期間で開発陣が使うキャラの中でも使いやすいキャラクターは今でも使われていますね。
-となると内部での人気も割れそうですね。
岡田:そうですね(笑)吉田さんはブロッカが好きって言ってましたね。
-意外です!
コンシューマーとスマホの違い
-最近は、元々コンシューマーをやられていた方がスマホに参入することが多くて、個人的にも非常に楽しみなんですが、岡田さんもコンシューマーをやられていましたよね。
岡田:そうですね。コンシューマーと、あとアーケードも開発に関わった経験があります。
-当時とスマホだと全然違うんじゃないですか?
岡田:開発の手法は同じですが、考え方は全然違いますね。特にスマホは出して終わりじゃないというところが大変でした。僕自身ソーシャルブラウザゲームはやっていたので重々承知ではあったんですが、ブラウザではなくアプリとしてあるものをバージョンアップして出していくというのはかなり難しいと思います。
ブラウザ版だとすぐにチューニングしたり、不具合を修正したりというのができたんですが、アプリとなるとすぐに修正できないことが多かったりするので、苦労しています。
-アーケードもそうなんですか?
岡田:アーケードもすぐは直せませんが、チューニングとかアップデートを半年に一回はするような筺体もあります。アーケードもオンラインゲームと一緒で、プレイしている人がまた明日とか来週こようとか、あのゲームがアップデートしたから遊ぼうとか思わせないと、ユーザーが離れていきます。
続けてやるメリットがないとユーザーに足を運んでいただけないので、その辺はアーケードも似てる部分があるとおもいます。
-ゲームを作るというやり方自体は、今も昔も大きく変わらないんですね。
現リトルノアユーザーやこれから始めようとしているユーザーに向けて
-これからリトルノアを始めてみようというユーザーや一度離れてしまったユーザーに対して、今一番推せるポイントを教えて下さい。
岡田:以前よりもキャラが集めやすくなっていますし、ギルド機能も強化しているので、なるべくギルドに入ったり、ギルドを作ったりしていろんなユーザーさんとプレイしてもらえると、以前やめてしまった人も楽しめるかなと思います。
レイドボスの発見者報酬などでキャラを集めてもらって、対戦で資源集めて強化するという流れが組めますし、ユニットを増殖するという仕組みも増えたので、ドロップするまでやり続けなくても、時間はかかりますがどんどんユニット数を増やせるようになりました。
こういった部分で以前よりも遊びやすくなってるので、離脱してしまった人がいたら、もう一回遊んでほしいです。
-なるほど。逆に、ヘビーユーザーをさらに継続させるための施策はありますか?
岡田:リトルノアのメインコンテンツとしては、ライトユーザーでも協力して強くなれるレイドや協力バトルを推していますが、コアユーザーになってくると、運営が用意したクエストやボスではなく、生のユーザーと対戦できるのが駆け引きもあって面白いと思っているので、そこをより楽しめるような仕組みを作っていきたいです。
-今後、ゲーム内ではなく実際のリアルなイベントを予定はありますか?
岡田:まだ予定はありませんが、やっていきたいと考えています。僕自身もユーザーさんと話してみたいです。
-その時はぜひ取材させてください!
本日はありがとうございました。
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