「ポップ」という言葉では到底形容できないセンスをもつタイトル画面、目を閉じたらインドにいると錯覚するかのようなBGM、無敵アイテムを使っていても牛にぶつかると即ゲームオーバーというストイックなゲームシステム。
すべてがすべて新感覚のレースゲーム「マサラドライブ」。
そんなパンチの効いたゲームを制作しているのは、数多くのアプリをリリースしているハッピーミール株式会社だった。
今回、どのようにしてこの「マサラドライブ」が生まれたのか代表取締役の関 純治氏にお話を伺ってみた。
▲タイトル画面からして強烈。
▲関 純治氏
目次
リリースまでに4年という月日がかかったので、作曲して下さった方にもご報告
――今回、作曲した方にはリリースはお伝えしましたか?
関氏:
そうですね、喜んでいましたね(笑)
実は作曲家の方でインドに精通した知り合いがいていろいろ聞き、本場の要素を取り入れていただきました。
――実際にインドに精通していた方も作曲が関わっているんですね。
関氏:
「知り合いにボリウッドダンスやっている人がいたから聞いてみるわ」って。
南インドの何か民族的な要素を取り入れて作曲したと言っていました。タイトルの曲です。
せっかくいい曲つくってもらったのに、リリースが伸ばし伸ばしで悪いなとはずっと思っていました。
マサラドライブが生まれたきっかけは趣味の旅行だった。
――曲は本当に印象には残りますよね。「マサラドライブ」のゲーム性はどのように生まれたのでしょうか?
関氏:
きっかけはカジュアルで簡単にできるのはないかなと。
当時レースゲームで、ただ単純に進んでいくゲームが結構ダウンロードされてたのをみて、プレイしてみるとシンプルで面白い。
じゃあシンプルなレースゲームということで、基本的にはシンプルなものを目指して作りました。
――そうですね。遊んでみると直感で操作できます。
関氏:
言ってしまうとあんまり新しくないというか。
何か特徴を出したいと思い、昔のおもちゃみたいな、ハンドルに車がついていてそれを動かすレースゲームがゆるくていいなと思ったのは始めたのは覚えています。
――まだインド要素はありませんね。いつからインドの方にシフトされたのでしょうか?
関氏:
確かテーマは何にしようかなと考えて、もとから幾つかネタとしては持っていたので自分の気になっていることにしようと。
そもそも結構細かいの好きなんですよ、自分。
たくさんキャラが出てくるような。ぞろぞろつなげていったりするような。
――確かに「マサラドライブ」はタイトル画面からして結構細かく見ていても楽しいです。
関氏:
あと、ドライブするような音楽など楽曲を考えた時にどインドの曲楽しそうだなと思いまして。
――そういったもろもろの理由からインドの方に行き着いたと。
関氏:
そうです。あと趣味で旅行によくいきます。
インドも仕事を含めて、2回行きました。
――ではその時に撮影した写真などもなどをゲームの参考にされたのでしょうか。
関氏:
そうですね、
いつも何か素材として使えないか気になったものを撮りためてそれらを利用します。
――今までに行ってきた中で、珍しい国や場所はどちらでしょうか?
関氏:
なかなか行かないところだと、イースター島です。
――イースター島といえばモアイ像!イースター島だとチリ経由で行くのでしょうか?
関氏:
日本から行く場合はタヒチ経由で行けます。
自分はそのときはたまたまタヒチ便がストで欠航していて、オーストラリアから行ったんですけど。
えらい時間かかりました。24時間飛行機に乗って。
――丸々1日……島に着く前に疲れてしまいますね。そんなにかかるんですね。
関氏:
普通はそんなにかからないんですけど、タヒチ通って、一回シドニーに行って、ニュージーランド行って、タヒチ行ってみたいな感じでしたね。
大変でしたが、やっぱり(※)グラディウスのモアイ像を見ないとと思っていたので。
※コナミより発売されたシューティングゲーム。モアイ像に酷似した敵キャラが出現する。
――確かにモアイ像というとグラディウスのイメージですね(笑)
タイトルはあっさり決定。インドといえば「マサラ」しかない。
――『マサラドライブ』のタイトルの由来はどのようなものがあるのでしょうか?
関氏:
これはすぐ決まりました。『マサラ何とか』にしようという思いがあって。
ちなみにマサラは香辛料とかそういう意味だったと思います。
――タイトルは迷われなかったのですね。他にこうしたい!という候補もなく?
関氏:
なかったですね、制作を始めてすぐロゴつくって。
タイトルのメインイラストからつくりました、今までの作品もそうですがタイトルロゴとかメインイラストからつくります。
――タイトルからのイメージを膨らませていく感じでしょうか。
関氏:
そうです、だいたいイメージしている世界観やイラストがあって、そのイラストのイメージからゲームを作るという感じです。
――世界観とか、影響を受けたゲームとか映画はありますか?
関氏:
インドといえば、マサラムービー。インド映画のことをマサラムービーっていうじゃないですか。
ムービーじゃなくてレースゲームだからマサラレースだなと。
でも、「レース」だとちょっと弱いので「ドライブ」。「ドライバー」とかの方が英語的にはいいのかもしれないですけど(笑)
――イメージの繋がりが見えてきました(笑)ゲームを作った際に、ねらっていたターゲット層はどういった層を狙っていたのでしょうか。
関氏:
ターゲット層は決めていなかったです。実はいつもあまり決めていなくて……会社としてよくないんですれど。
人と同じものを作らないようにはしています。
――とにかくみんなが楽しめるところなんですね。
関氏:楽しめて、人がやらないところを作る。という意識です。
グラフィックは関氏がほとんど担当。とにかく細部まで見てほしい。
――グラフィックもそうですが、操作性ですとか、爽快感などこだわったところはありますか?
関氏:
やはりグラフィックですね。
ほぼ、自分が描いています。
思ったより迷うことなくすんなりできました。
▲マップも細部まで描かれている。
▲タイトル画面も圧巻だ。
――最近はアナログで描かれるんですか? それともデジタルで描かれているのでしょうか?
関氏:
基本デジタルで、今回はあまり時間がなかったので、有料の素材集からも使わせていただいています。
――うまく融合されています。独特なフォントもイメージのあったものを探されたんですね。
関氏:
ヒンディー文字は違いますが、ボタンなどの文字は独自につくりました。
――フォントは作ったんですか?!
関氏:
とりあえず、この山みたいな線などつければインドっぽいかな?と雰囲気でつけています(笑)
――すごいですね。インドっぽい既成のフォントを使用されていると思っていました。
関氏:
自分のイメージでですね。正確じゃなくても、日本人が見てインドっぽければ良いかと。
海外の映画で、下手な日本語を出しているような感じが理想です。逆に日本人がから見るインドらしさ重視がいいかと。
日本人は全くわからないですけど、インドの人が見たらちょっと「何だよコレ!」ってツッ込まれたいですね。
――確かに変なカタカナの片言の看板など目につきます。
関氏:
そのような感覚を追求するのが面白いかなと。