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パズドラ(正式名称:パズル&ドラゴンズ)を生み出したガンホーの新作RPGということで、リリース前から期待度が高かった『ディバインゲート』。
9月30日の配信から約1カ月足らずで、100万ダウンロードを突破。現在も順調にユーザ数を増やし続けており、Google Play(TM)及びApp Storeのユーザーレビュー評価も共に「4.5」(※)と非常に高い。
※2013年11月7日(木)時点の評価です。
この人気を後押ししたのは、パズドラというブランドだけでなく、枠にとらわれない発想と『スタイリッシュさ』というコンセプトを押し通したこだわりのゲーム作りにある。
世界観・キャラデザ・UIそのどれもに強いこだわりを持って制作にあたったクリエイティブディレクターの高野氏に今回、お話をうかがってきた。
目次
グループシナジーが生み出した『ディバインゲート』
渡邊:はじめまして!アプリ★ゲット編集部の渡邊と申します!早速ですが、まず高野さんのディバインゲートにおける役割を簡単にご説明いただけますか?
高野氏:僕は、仕様を切ったり、パラメーター調整やデザイン面の監修など開発全般を見ています。
元々、プロジェクトの立ち上げ時は、僕とプログラマーのほぼ2人きりで3ヶ月間ほど動いていました。
イラスト部分は、他のデザイナーさんにお願いしてましたが、僕自身がデザイナー出身だったので、UIは自分でラフをデザインして、イメージのすり合わせをおこなってから依頼したりと、ほとんど自分でやっていました。
渡邊:高野さん自身がかなり手を動かしてたんですね。もっと大人数で作ってるかと思ったのですごく意外です。そもそもディバインゲートはどんな経緯で生まれたんですか?
タッタッタッ!ガチャ!(会議室のドアが開く)
四次元広報「ミスター☆ディバイン」氏:ここは私の出番だな!
一同:ミ、ミスター☆ディバインーーーー!!!!!(笑)
四次元広報「ミスター☆ディバイン」氏:オホンッ!(咳払い)企画経緯は私から説明しよう。
今回は同じグループ会社であるガンホーとアクワイアの2社合同プロジェクトで、開発は高野氏を筆頭としたアクワイアチームが担当。ガンホーの森下(現ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社 代表取締役社長CEO)がプロデューサーという形で、両社のいいところを融合させ、グループシナジーでゲームを作り上げよう!というところから、プロジェクトが発足しました。
開発部分で重要視したのは「手触り」と「ライブ感」
渡邊:ミスター☆ディバインさん、詳しくご説明ありがとうございます! 続いては、今回の本題であるゲームコンセプト『スタイリッシュさ』という点についてお聞きしたいのですが、このコンセプトはどのように生まれたのでしょうか?
高野氏:元々はスマフォゲームだったので、慣れ親しんだデフォルメ系のアートワークがいいと思い、プロデューサーの森下さんに提案していたんですが今回はゲーム性もコア向きだし、ハード系でもいいんじゃない?という話になって。
ただ、個人的にハード系も違うかな?と思っていたので、その真ん中。キャラの等身は高いけど、こってりしてなくて、アニメのりっぽいけどオシャレみたいなところに行き着きました。
渡邊:なるほど!そのコンセプトをベースに特にこだわって作った部分はどこですか?
高野氏:まず開発部分で重要視したのは「手触り」と「ライブ感」。
「手触り」は直感的に触って面白いかどうか。「ライブ感」は、例えばバトル時に手札がどんどん出てきて常に状況が変わっていく「変化」という部分で、この2点はゲームシステムでかなりこだわりました。
渡邊:今回はかなり「変化」という点を重視されてということですね。
高野氏:そうですね。ゲームとしての「ノリ」というか、勢いというか。
パズドラからの脱却。使いやすさより、かっこよさ
渡邊:パズドラと比べるのも変ですが、論理性重視のゲーム性のパズドラに対して、このゲームは疾走感やスリルなどが重視されていますよね。これは、あえて全く違うものを作ってやろう!っというような意識があったのでしょうか?
高野氏:特に意識してはいなかったのですが、今回のゲームは作っていくうちに自然に出来上がっていったという感じですね。ただ、最初からかっこよければいいよね、というのがあったのでバトルで勝った時に流れるボイスを「ビューティー」とか英語にしてみたり(笑)。その辺は最初から意識して作りました。
渡邊:BGMやボイス部分は、無機質というか人間味がないような音に感じるのですが、あえて狙って作ったのですか?
高野氏:あれには裏話があって、実は開発中にサンプルとして英語の教材をボイスにしたんですよ。それがあまりにもしっくりきちゃって(笑)
最初は格ゲーとかのハードなボイスを考えていたんですけど、あの無機質さが逆に暑苦しくなくてクールだなと思って。そのまま本番でも同じテンションで、改めてボイスもとっていきました。
渡邊:確かにしっくりきますね!他にも何か裏話はありますか?
高野氏:他には、今と真逆の激しいバージョンのボイスもとりました。
渡邊:激しいバージョンなんてあるんですか?(笑)まったくイメージがつかないんですが…
高野氏:カウントとかもすっごく元気で、グレイトッ!!みたいな(笑) リングアナ的な感じですかね。他にもアニメ声バージョンとか(笑)。実は3種類録音してまして、それぞれを切り替えて使っても面白かったんですが、誰が聞いても今のボイスを選ぶかなと思い、あえて一つに絞りました。
渡邊:そんな裏話があったとは!UI面ではどんなところにこだわりましたか?
高野氏:「横スクロール」と「斜め」という点にこだわって作りました。
UI面に関してはパズドラからの脱却というのも意識していて、エリアの選択画面はパズドラで採用されていた縦リスト形式ではなく、横スライドを採用しました。縦じゃなければやはり横かなと(笑)。
あとは、とにかく「斜め」を意識して作りましたね。文字やバトル時のキャラ画像、SPポイントの並びに至るまで全部です。
あえて斜めにすることで、UIに疾走感が欲しいと思いましたし、コンセプトであるスタイリッシュ感も出ると思って「斜め」にしました。
渡邊:確かに疾走感が出てて、かっこいいですよね!ただ、あまり今までにないタイプのUIなので、ユーザさんから使いにくい!っというような声はなかったですか?
高野氏:多少、お声をいただいてはいますが見やすさ、使いやすさばかりとってしまうと枠にハマッた本当につまらないものになってしまう気がしたので、今回は割り切ってコンセプトを押し通しました!
ちょっとした見づらさより、かっこよさが一つの判断基準でしたね。
インスピレーションと連想ゲームでスピーディーなキャラ制作を実現
渡邊:このUIがかっこいいっていうユーザも多いですし、結果的には多くの人に満足されているんでしょうね。他にも、キャラクター面についてお聞きしていきたいのですが、現段階で実装されているキャラクターは何体ぐらいいますか?
高野氏:300体強ぐらいですね。現在もどんどん制作しているので早く出したいところもあるんですよね。
渡邊:どんな流れでキャラクターは作られていくんですか?
高野氏:メインキャラなどの場合は、年齢・髪型・性格や好きなブランドの服に至るまで細かい人物像を深堀りして考えました。特に今回は、ファッションに力を入れていますね。
渡邊:例えば、アオトの場合はどんな感じでしょうか?
高野氏:アオトの場合は、ちょっとすかしたキャラなのでハイブラのモード系が好きっていう設定です(笑) 他だとアカネはアメカジ系が大好きって設定で。
ギンジは、ちょっと下品なドメブラが好き(笑)みたいな設定でそっち系のテイスト。
ユカリは、大人しいわりには結構アバンギャルドな感じなのが好き。
ミドリは、カジュアル系のテイストでボーイッシュってイメージですね。
ヒカリは109っていうか、ちょっとギャルっぽいけどガーリーな感じで。
ちなみに年齢は高校生の設定です。
渡邊:なるほど。実際6体は、どのぐらい時間をかけて作ったんですか?
高野氏:実は、アカネとアオトに関しては最初にサンプルを描いてってデザイナーさんにお願いしてあがってきたのをほとんどそのまま使ってるんですよ。
服装は制服を着てたり、向きが違ったりと細かいところで変更はしたのですが、結構サクッといきましたね。
メインキャラ以外も、大体2日に1体ぐらいのペースで作ってます。イラストレーターさん、3人で。
渡邊:3人でですか!?1体1体すごい時間をかけて作ってると思いきや、結構サクサク作っていったんですね!ガイドキャラクターである『めたぼん』もサクッと作られたのでしょうか?
高野氏:これ、実は大分後になって作ったんですよね。
ゲームのメインビジュアルが出来た時に、床のパネル部分が寂しいねって話をしてたら出てきたんですよ、急に(笑)。
ディバインゲートはパネルをめくっていくゲームなので、メインビジュアルの床を試しに1つめくってみたんです。
でも、ちょっとこのままだと寂しい感じだったので、この空間に込める何かいいアイディアないかなって模索してたら、ちょうどチュートリアルで喋ってくれるようなガイドキャラクターがいないことに気づいて、作って出しちゃおう!ってことになりました。
なのでたしか、半日ぐらいでサクッと作りました(笑)。
渡邊:半日で出来たキャラがナビゲーターですか!?とにかく制作スピードが速いのに驚かされます!イラスト制作で苦労した点などはなかったのですか?
高野氏:やはりイメージの共有ですね。今回はキャラのファッションにもかなりこだわりを持って作っていたので、キャラごとの趣向などは、ファッション誌を読んでもらったりして、近しいイメージを持ってもらえるように働きかけました!
渡邊:キャラクターのネーミングはどんな風に決めていったんですか?
高野氏:メインキャラはわかりやすさを重視して、赤=アカネ、青=アオト、緑=ミドリという感じ。他の3人は、紫の音読みでユカリや、ヒカリは黄色でいいのがなかったので、光に。
結構、安直なネーミングですね(笑)。
あ、あと女の子は「ヒカリ」「ユカリ」「ミドリ」でリをつなげて、3人娘みたいにしたかったです(笑)。
服装とかも、ネーミングと同じ考え方で、例えば御伽シリーズ第1弾の『アカズキン』であれば、そのまんま赤ずきんはないから、フードかな!?という感じに決めていきました。
渡邊:イメージの連想ゲームで決めていっているんですね!なるほど。キャラクター関係でもう1つ質問なのですが、各キャラクターのプロフィールは誰が書かれているんですか?
高野氏:プロフィール文もほとんど私が書いています。実は、あのプロフィールも紐解いていくと結構解かることがあるんです。
渡邊:プロフィールには何か隠し要素があるんですか?
高野氏:実は今後出る予定のキャラクターのヒントだったり、他のキャラクターの関わりが解かるようなことが書いてあります。
例えば、ブヒーとかクビギツネシリーズのプロフィール欄には、先ほど話した『アカズキン』の登場を示すヒントが書かれていました。
今後の登場キャラクターについて、一つヒントを出すとすると、トロン系のシリーズにヒントが隠されています。ぜひ、ユーザの皆さんには熟読してほしいと思います!
渡邊:プロフィール文を読み解くと、意外なつながりが見えてくる。また、違ったディバゲの楽しみ方があるんですね。これは要チェックです!最後にコラボイベントについてお聞きしたいのですが、前回コラボした『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』。これはかなり反響が大きかったように思うのですが、どんな経緯でコラボすることになったのでしょうか?
四次元広報「ミスター☆ディバイン」氏:ここは私から説明しましょう!
コラボのキッカケは、まず名前が似ていたという点。もう一つは、厨二的な世界観。ディバゲも同様の世界観を内包しているので、共通点がありました。そして、何よりディバゲのチームメンバーがシュタゲの大ファンだったのでぜひ、コラボしたい!っと思い、権利元であるMAGE.様相談したところ、快くお受けいただくことができたので実現されました。
実はどうしても入れられなかったキャラがいるので、次こそはと思ってるんですよね。
渡邊:第2回あるんですか!?
四次元広報「ミスター☆ディバイン」氏:まー、今後もいろいろなコンテンツとコラボレーションしていく予定がある、とだけ言っておきます。(笑)。
渡邊:なるほど、大分意味深な発言ですね!今後の動向がさらに楽しみになりました。
1ユーザとして今後もディバインゲートを応援していくので、今後とも頑張ってください。本日はどうもありがとうございました!
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