『株式会社アプリボット』は、「神式一閃カムライトライブ」やマンガRPG「ジョーカー~ギャングロード~」(以下、ジョーカー)を提供しているゲーム会社だ。
「ジョーカー」では、漫画とバトルを融合させたアプリで、魅力的なイラストが多いのも特徴の一つだ。
漫画は「ジョーカー」のホームページ内でも楽しむことができるので、興味ある方は是非閲覧して欲しい。
また、同社が開発した「グリモア~私立グリモワール魔法学園」(グリモア)は200万DLを記録し、メガヒット作となっている。キャラクターと疑似的に交流できる独自のシステムが、ユーザー層から熱く支持されている作品だ。
今回は本作プロデューサーの佐藤氏に普段聞けないことを直球で伺ったので、じっくりとご紹介していきたい。
なお今回のインタビューの模様は、全2回に渡ってお届けする。(前編はこちらから)
目次
ストーリーはシナリオライターに一任。「More@」や「電話機能」の誕生秘話
ーーストーリーはどなたが書いていらっしゃるのでしょう?
佐藤氏:
メインシナリオライターが全部ストーリーを考えていて、僕はほとんど口を出していません。見たとしても、お客様の意見などを参考に、次はここに気を付けて欲しいくらいの要望ですが、それもほとんどありません。
――割とおまかせしている感じなのですか?
佐藤氏:
そうです。世界観やストーリーの部分に口を出すことはなく、お客様の反応を見ながらシナリオライターさんが自走してくれているので安心して任せられています。
そのおかげで、機能面やどうやったらお客様が楽しんでくれるかを集中して考えることが出来て、「More@」のような機能も生まれています。
――機能実装の時のアイデア出しは、プロデューサー自らやっているのですか?
佐藤氏:
基本的には、チームメンバーです。
チームメンバーと話していて女の子と仲良くなったらこんないいことがあるというのをもっと作ったほうがいいよねという流れから、「キャラクターとチャットしたいよね。」という意見が上がって、チャット機能の「More@」が生まれました。
その1年後くらいに、今度は「どうせなら電話したいね。」と言うアイデアが出てきて実装しました。
――お客様の反応はいかがですか?
佐藤氏:
良かったです。アンケートをとったのですが、2番手・3番手ぐらいに、「More@」がきますね。やはり、一番は、サービスリリース時から大切にしているキャラクターとストーリーを楽しんでくれていることも改めて分かりました。
――導入の時に大変だった部分は?
佐藤氏:
シナリオライターさんが一番大変だったと思います。
「More@」は、メッセージだけでなく電話もできるので、シナリオを考えたり、収録にも同席するので、こういう演技でやってください等の指導もしたり、生徒分シナリオも考えないといけないので。
ファンの熱意に心が動きます。悲しむようなことをしてはいけない。
――人気があるキャラクターは誰でしょう?
佐藤氏:
総選挙でも人気なんですけど、小鳥遊自由と水無月 風子。あとは冬樹イヴなどです。ですが、人気に関係なくみんなとてもかわいいですよ。
――お客様の熱さを示すエピソードなどはありますか?
佐藤氏:
水無月 風子を非常に推されているお客様と1度お話しさせてもらった時があったのですが、熱量が凄くて本当に好きなんだと感じました。
――具体的にどんなところで?
佐藤氏:
「グリモア」を愛しているということが伝わりました。「運営にこういうことを伝えておいてください!」とお言葉をいただいて、もっと頑張らなきゃいけないなと思いましたね。
お客様を悲しませるようなことをしてはいけないなと思いました。
――どういった形で愛でているのでしょうか?
佐藤氏:
ゲーム内もそうですし、二次創作をされる方もいます。誕生日を祝ってくださる方もいますね。
――それは、運営としては公認しているのでしょうか?
佐藤氏:
そうですね。どこかのタイミングで、「どうぞ。ぜひやってください」と言った記憶があります。
魅力的なキャラクターもライターさんが担当!
――キャラクターを考えているのは?全部ライターさんなんですか?
佐藤氏:
基本的にはそうです。シナリオライターさんから、こういうテイストで新しいキャラクターを出したいと相談され、進めていいかなどの判断は僕がしています。
斬新な面白さを表現したい。「グリモア、またやってるよ(笑)。」が欲しい。
――ゲーム全体の中で、こだわったポイントはどこでしょう?
佐藤氏:
ストーリーの見せ方ですね。シナリオライターがこだわっている所なんですけど。あとは「More@」などのオリジナル機能です。私たちにしかない機能には、すごくこだわって作っています。また、”いい運営であること”と”面白いことをすること”を意識しています。
面白いこととは、面白いシナリオや企画のことです。去年の年末は小林幸子さんとコラボさせていただきました。
――抱き枕もですね?
佐藤氏:
そうです、世界に1個しかない抱き枕も作ったんですよ。少し悪ふざけではですけど、こういうことを本気でやっていて面白い会社だねと受け取ってもらえたら嬉しいです。あと最近でいうと、疑似VRもその施策の一つですね。
佐藤氏:
キャラが可愛いかとかストーリーが面白いか等は、お客様が「グリモア」に一番求めているものだと思っていますし、「グリモア」を続けてもらっている一番の理由だと思っています。
ただ、どこもやらないけど、「うわ、こんな面白いことやるんだ!」みたいなことをやり続けないと埋もれてしまうと思っています。
――小林幸子さんコラボの反響がよかった、と。
佐藤氏:
よかったので、2年連続でやっています。去年も一昨年もお世話になりました。特に既存お客様の反響が大きいですね。
「また今年もやってるよグリモア(笑)。」みたいな。面白いからついログインしちゃう、という声もありましたね。
――最近実施したとがっているアイディアは??
佐藤氏:
疑似VRで『満員電車』というものをやったのですが、お客様からの反応は最高でした。
――具体的にどういった内容なのでしょう?
佐藤氏:
満員電車に乗っているシチュエーションで、画面を切り替えると壁越しの窓ガラスにキャラクターが映っているんです。
朱鷺坂 チトセというキャラクターなんですけど、「満員電車に好きな子と乗らなければいけない、しかもこんなに近くにいる」それってドキドキだよね、という内容でした。
ーーその設定は、どうやって決めるんですか?
佐藤氏:
チームメンバーと話して決めています。
これ絶対こうしたほうがいいですよ!このシチュエーションはドキドキしますよ!みたいな、みんなで話しながら、わいわいとしたテンションで進めています。とても素敵なチームです(笑)。
――アプリボットさんって全体的にそういう雰囲気で?
佐藤氏:
いえ、みんながみんなそういうタイプではないですね。自分は隙あらば面白いことをしたいタイプなので、チームのみんなもそんな雰囲気になっているんだと思います。もちろんユーザーの方が楽しんでもらう企画という前提を崩さずにですが。
電話ボックスイベント。本当の声優から電話が…!!?
――新規ユーザーに向けた施策はありますか?
佐藤氏:
以前、秋葉原に電話ボックスを4台程並べていたのですが、その電話ボックスから「グリモア」の電話機能を体験できる、という「More@」の機能と絡めたイベントを実施しました。2時間に1回くらいのペースで本当に声優さんから電話が掛かってくるんです。その企画は新規お客様向けに実施しました。
――今後、コラボイベントを行うペースは?
佐藤氏:
そこまで明言はできませんが、今後もやっていきたいと思っています。コラボもやりますが、主軸ではないです。今年1月にコラボさせてもらった時は、キャラクターと電話ができるようにしました。
――来ましたね、お得意の。
佐藤氏:
そうなんです。やはり「グリモア」らしい体験をしてもらいたいと思っています。
チャットもできるし、電話もできる。そういう意味では、コラボ先のタイトルがほかのゲームとコラボした時にはできない、「グリモア」でしかできない体験が提供できます。お客様にも好評で、よかったです。
――新機能の予定はありますか?
佐藤氏:
今はユーザーの皆様からの要望が多い機能を優先的に開発しています。自動売却機能であったり、誕生日を祝ってくれる機能だったり。8月で3周年を迎えたので、3周年に向けて楽しんでもらえるようなコンテンツを作ろうと動いています。
ぜひ、”ヒーロー扱い”を体験してほしい
――ユーザーに向けて一言お願いします。
佐藤氏:
プレイしてくださっている皆さま、いつも本当にありがとうございます。
3周年、そして4周年目に向けて楽しんでもらえるように、いろんな機能やイベント等の催しものをどんどんやっていく予定なので、心待ちにしていただけると嬉しいです。ストーリーも、ここから面白くなってくる展開が待っているので、期待して見守っていただけたら嬉しいです。
そしてまだプレイされていない皆さまへ。
ゲーム性はすごくシンプルなので、何も考えずに女の子と仲良くしたいなという方にすごく合っているんじゃないかなと思っています。いろんな女の子と仲良くなれるので、ぜひプレイしていただければいいなと思っています。
――確かに、すごい仲良くなれますね。
佐藤氏:
単純なラブコメ的な要素ではなく、人として最高にモテることができます。「グリモア」は魔法学園で、魔法に覚醒するとその学校に転校しなきゃいけない設定なのですが、主人公であるゲームプレイヤーは無尽蔵の魔力を持っている転校生なんです。
――無尽蔵、すごいですね。
佐藤氏:
そうなんですよ。圧倒的な魔力を持っているんですが、人に与えることしかできないという制限が入っています。
逆に言えばその力をきっかけに女の子が魔物と戦うので、女の子が一緒に戦うときに必ず自分を選んでくれる。
必ず女の子と仲良くなれるので、そのヒーロー的な扱いをぜひ、体験していただきたいと思っています。
――ありがとうございました。
完。
※前編はこちらから。