暴君・不遜・たまにコメディキャラなギルガメッシュ。多くのFate作品に参加している彼ではあるが、彼の元ネタというものはいったいどんなものなのだろうか?
ギルガメッシュと言えば、
出典:ドルアーガの塔『ザ・ブルークリスタルロッド』より
こんなのや、
こんなのを思い出す人もいるだろう。昔は筆者もその一人であった。
とはいえ、彼らがギルガメッシュ元ネタというわけではない(fateギルの金ぴか鎧はドルアーガギルの鎧を参考にしたらしいが…)
本当の元ネタは世界最古の叙事詩である『ギルガメシュ叙事詩』である。
ギルガメシュ叙事詩
出典:wikipediaより・ギルガメシュ叙事詩が書かれた粘土板
古代メソポタミアにおいて、実在していた可能性のある伝説の王ギルガメシュをモチーフに書かれた、紀元前3000~2000年ごろの文学作品。
筆者の家にある日本語訳版『ギルガメシュ叙事詩』の文庫本を手に取って読んでみると、内容が少ない割にかなり難しい。
日本語訳が古いせいもあるが原文自体破損や紛失で読めない部分があるため内容が飛び飛びで、話の内容がなかなか理解しづらい。
これからギルガメシュ叙事詩を読もうと思っている人は先に『Fate/extra-ccc』をプレイしてみよう。作中で「ギルガメッシュ叙事詩Fateヴァージョン」を読むことが出来るぞ。
fateバージョンは原典と細部がいろいろ違うが大まかな流れは把握できるので原典自体の流れも理解できるようになるはずだ。
ギルガメシュ叙事詩の大まかな流れ
1、半人半神(なぜか1/3が人間で2/3が神になっている)の王様ギルガメッシュは暴君としてウルクに君臨していた。
2、これはまずいと思った神々、ギルガメッシュの敵対者としてエルキドゥを生み出す。エルキドゥは初め獣のようだったが、人と交わるにつれて知恵をつけていった。
3、知恵をつけたことで自分の使命を思い出し、ギルガメッシュの暴君ぶりがヤバいと理解したエルキドゥ、ギルガメッシュにケンカを売り、両者激突。喧嘩の末に意気投合、仲良くなる。
4、ギルガメッシュとエルキドゥ。二人で組んで森の怪物フンババを退治したり、ギルガメッシュに振られてヤケになった女神イシターがけしかけた天牛を撃破したりと大活躍。
5、「この二人を組ませるとヤバい」と思った神々、どちらかを殺すことに。協議の結果、エルキドゥが死ぬことに。
6、エルキドゥ死亡。自分と対等な者の死によって自らも死ぬことを恐れたギルガメッシュ、不老不死の方法を探して旅に出る。
7、長い旅の結果、不老不死の人物に出会い、不老不死になる方法を学ぼうとするが居眠りにより失敗。かわりに若返りの薬草をもらってウルクに帰る。
8、ウルクへの帰り道で水浴びをしていたところ、置いてあった若返りの薬草を蛇に盗み食いされる。こうしてヘビは脱皮をすることで若返ることが出来るようになりましたとさ。
王の財宝
どうやらAUO様は原典からしてうっかりであったようである。とはいえ、
「慢心せずして何が王か!」
「我はともかく我の財宝を侮るなよ!」
引用:Fate/hollow ataraxiaより
の言葉どおり本人のステータスが低かったり、うっかりであったとしても、
彼の持つ宝具「王の財宝」(ゲートオブバビロン)はそれを補って余りあるどころかチートレベルまで突き抜ける性能を持っている。
出典:Fate/Extra-cccより
ギルガメッシュのもつ宝物庫には世界中すべての宝具の原典が収められており、宝具を無差別にぶっぱで戦うのが基本戦法。
とにかくサーヴァントというものは生前の逸話に縛られるため、必ず何らかの弱点を持っているものが多いのだが、
原典をすべて打ち込めば何らかの弱点に当たるだろの精神でぶっ放すためこの攻撃はほぼ全てのサーヴァントに特攻効果を持つのである。
己の実力よりも装備の方を優先する、という考え方は↓の人と一緒だな…。