「カセットビジョン」ファミコン発売前にゲームブームを起こし、様々なタイトルでゲームファンを生んだエポック社の家庭用ゲーム機を大特集!【ゲーム年代史】

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執筆者:編集部

画像出典:http://blogs.yahoo.co.jp/mr_momotaro2007/37995226.html

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ファミコン発売2年前ゲームブームを巻き起こしたハード。

低価格を実現し、40万台以上売り上げたエポック社のマシン

それが―――

「カセットビジョン」

アクション、シューティング、パズルなど様々なタイトルでゲームファンを生んだ家庭用ゲーム機を大特集!

カセットビジョン

画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Epoch_Cassette_Vision.JPG

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カセットビジョンは、1981年7月30日エポック社が発売した家庭用ゲーム機。

日本製のカセット交換式ゲームハードとしては、ファミリーコンピューター(ファミコン)が発売されるまでの2年間最も売れた。

販売台数は、40万台~45万台を売り上げ、1983年9月まで日本でトップシェアを誇った。

最大の特徴は、当時のカセット交換式ハードの基本価格が5万円前後だったのに対し、本体価格が12000円と非常に低価格だったこと。

ACアダプタが別売り1500円だったが、後に同梱版13500円で発売。

ソフトも4980円で安価なものだった。

この低価格設定が功を奏し、販売台数を大きく伸ばした。

画像出典:http://www.webzakki.com/z070329.shtml

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1983年には、廉価版であるカセットビジョンJr.が発売。

更なる低価格だったが、コントローラーの関係上で未対応のソフトがあった。

性能面

きこりの与作 画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=HpaIb2Ptygs

きこりの与作

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=HpaIb2Ptygs

画面は54×62ピクセル、色数は8色という粗いものだった。

ファミコンを含む当時のライバルハードが128から256ドット程度の画面解像度だったことを考えると、相当粗いがキャラが見やすいという意見もあったようだ。

他のハードには無い三角形のドットも珍しい。

モンスターマンション 画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=x-WwHKdjdAI

モンスターマンション

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=x-WwHKdjdAI

音源が同時発音数単音と他のハードに比べて貧弱で、バックグラウンドが単色表示であるなど、当時の技術的にみても低性能だった事は否めない。

ゲームソフト側工夫しているものも見受けられ、ゲームによっては和音に聞こえるように調整してあったり、キャラクターの配置座標をずらすことでスクロールを表現したりなどがあった。

パクパクモンスター 画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=3jOG-aTI2ec

パクパクモンスター

画像出典:https://www.youtube.com/watch?v=3jOG-aTI2ec

コントローラーも本体に配置されているという今では考えられない仕様になっていた。

デザインの関係上か、ボタンなどの配置が全て左右対象になっている為、1P側は左手でレバーを、2P側は右手でレバーを操作するというもの。

左右コントロールレバー、ボタン、ダイアルコントローラーという構成。

ギャラクシアン 画像出典:https://middle-edge.jp/articles/I0000207

ギャラクシアン

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廉価版であるカセットビジョンJr.では、2P側が無かったり、ダイアルコントローラーの廃止などの変更があった。

画像出典:http://www.webzakki.com/z070329.shtml

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カセットビジョン対応ソフト

様々なジャンルの11作品が発表。スポーツ作品3タイトルカセットビジョンJr.では遊べない。

カセットビジョンJr.対応タイトル

画像出典:http://www.suruga-ya.jp/search?category=20030&search_word=

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きこりの与作:カセットビジョンの題名とともいえるアクション。アーケード版の移植作品。
ギャラクシアン:ナムコ版とは別物。後に版権料を支払ったらしい。
バトルベーダー:テレビベーダーのカセットビジョン版。
パクパクモンスター:エポック社の『パクパクマン』同様で、大きくアレンジされたパックマン風ドットイートゲーム。
モンスターマンション:エポック社の『モンスターパニック』のようなドンキーコング風アクションゲーム。
アストロコマンド:エポック社の『FLスペースディフェンダー』の作者によるスクランブル風シューティングゲーム
モンスターブロック:ペンゴ風パズルアクションゲーム。
エレベーターパニック:エレベーター要素のあるモンスターマンション風アクションゲーム。価格が3980円と低価格。

画像出典:http://www.suruga-ya.jp/search?category=20030&search_word=

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カセットビジョン専用

ベースボール:『テレビ野球ゲーム』のカセットビジョン版
ビッグスポーツ12:『システム10』を元にした『スーパー10』のカセットビジョン版。このゲームのみ光線銃対応。
ニューベースボール:1人プレイにも対応したベースボール

販売中止タイトル

グランドチャンピオン:トップビューのレースゲーム。
※販売直前に致命的なバグ(「ゴールできない」「ゴールしても止まらない」)が発見、修正されたが結局は販売中止となったらしい。

画像出典:http://www.suruga-ya.jp/search?category=20030&search_word=

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コピーゲームのようなタイトルが多いが、それぞれスペック内で工夫された当時としては面白いソフトだった。

画像出典:http://www.suruga-ya.jp/search?category=20030&search_word=

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次世代機となる『スーパーカセットビジョン』も発売されたが、それはまた別の話としておこう。

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執筆者: 編集部