既視感はあるが、日本人好みのアレンジが光る!大手ゲーム会社の現役プロデューサーが斬る「スマホゲーム百人組手」! 【第三回 シャドウバース】

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執筆者:編集部

誰もが名前を知っている超超超大手ゲーム会社の現役プロデューサーXによる、特別寄稿シリーズがこちらの「スマホゲーム百人組手」。コアなゲーマーであるX氏は、同時に作り手でもあり、ゲームへの愛が深すぎるゆえ、日々超辛口にゲームをぶった斬りまくるのであります。

辛口すぎてどこまで続けられるんだろう……。編集部にすら分かりません。

第三回となる今回は「シャドウバース」です。
「シャドウバース (Shadowverse)」のレビューはこちらから

「ハースストーンっぽい」という意見はよく聞くが、独自なシステムでの差別化は図られている「シャドウバース」

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「シャドウバース」は、あのサイゲームズさんがリリースしたガチンコカードゲームだ。チュートリアルからしばらくプレイしてみると、「これはまた、どこかで見た感じのゲームだな~」との印象を受ける。

本作については、かなりの本数のレビューが様々なメディアから出ているので、今更レビューしても参考にならんかな?と思いつつ、そうはいっても本作についてヒトコト、フタコト言わせてもらいたい気持ちがふつふつと、、、。

シャドウバースには、神撃のバハムートのカードが出てくるよ!

簡単に言うと、サイゲームスさんがリリースした『神撃のバハムート』のカードイラストを用いたカードゲーム。なのだが、時期が時期だけに、ガワ換え版『ハースストーン』(以下『HS』)という意見はよく目にする。

しかーし!

細かく見ていくと、『HS』とはプレイできるユニットの上限や、本作の「覚醒」といった独自なシステム差別化はできているのだ。

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『神撃のバハムート』のイラストは今となっては古いものではあるが、当時の水準からすれば、かなりクオリティーの高いものであった。それゆえに、カードゲームとの親和性はバッチリだ。

『HS』と同じく、同じカードでも動的エフェクトが付いている「プレミア」仕様のカードが存在し、特定レベルに達したときの報酬として手に入ったり、パックを購入時に稀に入っていたりする。「プレミアカード」のエフェクトは大変幻想的かつ、上品な仕上げとなっているので、一見の価値は十二分にある。

こちらはノーマルのカード

こちらはノーマルのカード

こちらはプレミアのカードだ

こちらはプレミアのカードだ

ストーリーモードを遊んで自分のお気に入りのデッキを見つけよう

リーダー1人につき(現時点で)6ステージで構成され、それぞれのリーダーがデッキに与える影響を考慮しつつプレイを進めていき、最初と最後のシナリオをクリアすることで、リーダーごとのコンセプトに沿ったカードが貰える「ストーリーモード」や、メインコンテンツともいえる「ランクマッチ」と言う対人戦モードがある。

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それぞれのリーダーは自分が属する「種族」と、「ニュートラル」と呼ばれる2つの《クラス》(タイプ)しか扱えないので、初めて本作を触る方には全員のシナリオを遊んでみて、自分のプレイスタイルに合った《クラス》のリーダーを選んでデッキを組み、そこから課金を考えることを強くオススメしたい!

シャドウバース攻略の流れ

基本的にコンセプトの異なる7人の《リーダー》キャラクターから1名を選び、それに沿った40枚のデッキを構築することから始まる。最高のレア度を誇る「レジェンド」カードを含め、同じカードは、最大3枚までデッキに入れることが可能だ。

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カード種類はメインの攻防行動を取る「ユニット」カード《フォロワー》に、「手札から発動する様々の効果がある」《スペル》と、攻防力がないものの「場に置くだけでターン毎に何らかの効果が出る」効果を持つ《アミュレット》の3つがある。

ゲーム開始時に、お互いに3枚の《手札》カードを引き、気に入らないカードを交換することは可能。その際は交換したいカードと同じ枚数のカードを再度デッキから「ドロー」(引く)することになる。これがTCG用語では「マリガン」と言う。(ドヤッ

それぞれのカードを「使う」ために、またはTCG用語では「プレイ(ドヤッ)」するためには、カードの左上に明記されている《マナ》と呼ばれているコストを支払う必要がある。《マナ》は最初のターンで1、2ターン目で2と、最大10まで、ターン毎の上限が増えていき、自分のターンになる際に全回復する。ほかのカードゲームでもそうだが、いかにマナを有効利用するかが勝敗を決っすると言っても良いだろう。

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対戦の勝敗判定は、相手の《リーダー》の体力を「0」、または相手のデッキを「0」することだ。簡単な話でしょ??

カードゲーム初心者へのアドバイス

恐らくTCGをプレイしたことなく、絵だけに釣られた挙句ボッコボコにされた可哀想なクマーたちは少なくないと思う。「遊○王」や「ギャ○」などを少々かじっただけの筆者ではあるが、どうしてもマッチに勝てない方へとアドバイスしたいと思う。

とりあえず下記2点を念頭に置いてみるのはどうだろうか。

《フォロワー》、《スペル》、《アミュレット》の比率に気を配ろう

「《スペル》ばっかりで《フォロワー》がなかなか来ない!」あなたへ。デッキ構成時の比率を見つめなおそう!

リーダーにもよるが、一般的では《フォロワー》 3:《スペル》 2:《アミュレット》 1にしてみるのはいかが?

例えば、《フォロワー》 25枚、《スペル》10枚、《アミュレット》5枚などにしてみると、自分の場が空きっぱなしで顔面殴られ放題の状況を回避できるかもしれない。

《マナカーブ》を考慮したデッキ構成にしよう

「高コストカードばっかり来て、そのまま殴られっぱなしで負けた!」人にはデッキの《マナカーブ》(本作では《コストグラフ》と呼ぶ)を見直そう。

またしてもTCG用語となるが、《マナカーブ》とは「一つのデッキの、「プレイ」に必要な「コスト」のカードの枚数を可視化したグラフ」のこと。

レア度の高いカードはプレイコストも大抵高いので、レア度にばっかり拘ったデッキ構成を避けて、初期からなるべくすぐに場に出せる《フォロワー》を用意しつつ、中盤から中コストの強めの《フォロワー》で相手に圧力をかけ、終盤に高コストの強力なカードコンボで相手の息を止められるようなデッキを、まず目指すと良かろう。

なので、最初は低コストから高コストに線を引っ張ったときに、放物線になるようなコスト分布になるデッキ構成を目指すのが、初心者にとっては一番事故ることなく、無難のはず。慣れてくるとマナカーブを無視し、色々な変則的な組み方もできるはずだ。

コストのグラフはこんな感じ。(参考まで)

コストのグラフはこんな感じ。(参考まで)

上記を考慮したデッキなら、比較的に円滑なゲームプレイが楽しめるのだろう。

シャドウバースのマネタイズ

本作のカードの入手方法は、いらないカードを分解し、分解してゲットしたポイントを消費し、欲しいカードを生成できるほか、1パック8枚の「カードパック」なども用意されている。

「カードパック」の入手法は3通りあり:
– 運営から配られる「チケット」
– ゲーム内通貨「ルビ」
– 課金通貨「クリスタル」
となる。

サイゲームズさんなので、なんやかんやで記念イベントやら、やらかしのお詫びとしてチケットを配っているので、完全無課金ユーザーもある程度はカードを補充することは可能。

筆者が執筆している現時点は、チュートリアルを終えたら最初からはチケット13枚、ルビ100の合計14パックが購入可能だ。なお、「ルビ」は「ミッション」達成などで手に入る。

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所感

既視感120%の状態で本作を触れたので、もう最近のアプリ界隈はそろそろネタが尽きてきて、プライドすらなくなってきたのかなあ、、、と思わず心配していたのは確かだ。

しかし、「向こう」のイラストはあまりにも日本人のテイストに合わないのは、業界的に周知の事実。そういう意味では、こういうアレンジはありだなーと、遊んでみたら考えが変わった。

リスペクトしていると思われるゲームはすでに出来のいい状態であり、本作も全体的に完成度が高い。ただ、触った感じ、細かいポイントにまだ甘いところはまだ多い気がするので、文言を変えたりといったいったプレイ感の調整を施す必要性はあるんじゃないかと感じた。

ファストフード系アプリが主流となっている今、本作は、時間をかけて自らの意志で一手一手プレイする必要のある、本当の意味で「ゲーム」なので、人を選ぶものの、個人的には大歓迎!

評価

ストーリー ★★★☆☆ 3.0 個人的にはイマイチであまり読んでない。でもくぎゅぅぅなので+1点(謎)
キャラ   ★★★★★ 5.0 さすがはサイゲームズと言う感じだ。様々なプレミアカードは必見。
システム  ★★★★☆ 4.0 洗練されたリスペクト対象があるのでしっかりしていて楽しいのだが、オリジナリティーには欠けている。
お金必要度 ★★★☆☆ 3.0 無課金でもなんとかなるが、やはり諭吉パワーには敵わない。とは言え、カード生成システムがあるので、完全無課金でも、実力があれば上位には食いつける。あとは自己満足かと。
おすすめ度 ★★★★☆ 4.0 スタミナがないので時間があればいくらでもプレイできる。しかし正真正銘のTCGなので人を選ぶ。

執筆者: 編集部