『バンドリ』バンドストーリーまとめてピックアップ。Pastel*Palettes編17・18話。物語はいよいよ架橋です。
彩の想いが通じた千聖、千聖の想いを理解した彩。パスパレの5人はようやく1つになります。ライブ当日まで時間が迫ってきている中、またしても彩に試練が。いや、マジで、”またしても”だよ。試練させすぎだよ。
第17話 あなたなら、どう進む……?
麻弥が楽器について熱く語っています。
若干引き気味の千聖を見て「またやっちゃった」とハッとする麻弥。
楽器のことになると、つい周りが見えなくなってしまうのが玉に瑕ですが、それでも麻弥の楽器や機材の知識にはみんな助けられています。
本番まで残すところあと数日。全員が打ち解けたことにより、バンドの雰囲気はとても良好です。
アイドルで楽器に詳しい人は限られる。だからその長所は存分にアピールしたほうがいいという千聖。ただ、フヘヘ笑いはよくないかもしれません。
千聖は、麻弥に限らず、自主練の時間を調整して、トークの練習の時間を設けるべきだと言います。
そこへ事務所スタッフがやって来ました。本番が近くなってきたので、ライブ当日のことで打ち合わせがあるようです。
事務所のレッスンに加えて自主練もしている5人。意欲的に練習している甲斐あって、演奏技術は飛躍的に向上しており、スタッフも驚いているそうです。
また、チケットの手売りなど地道な努力も評判を呼んでおり、お客さんの期待値は相当高まっていると言います。
そこで、時間のライブではぜひ生演奏でステージに立ってほしいとのことです。
そのために練習を重ねてきた5人は、もちろん快諾します。
ただし、彩のボーカルだけは、以前録音したものを使うとのこと。
パスパレの評判や期待値が上がっているとはいえ、観客はパスパレのファンだけでなく、他のアイドルグループのファンも多く来場します。
そうなると、お披露目ライブの時のように野次やブーイングを飛ばしてくる観客も現れる。
彩はパスパレの他のメンバーに比べて極端に本番に弱く、野次を受けてまた歌えなくなってしまう恐れがあるというのです。
もちろんパスパレは猛反対です。そもそも、本番で音が止まっても問題なくパフォーマンスができるように、ということで練習をしてきた。しかも、きちんと上達してきている。
スタッフは、ライブ中に音が止まることだけでなく、さまざまなリスクを想定しています。そして、彩が動揺して歌えなくなることもまた、リスクだというのです。
(リスク管理という観点では正解かもしれませんが、少しずつ人心を失っていく、長期的に見れば悪手です。実際のところ、1つのポカが致命傷になる、小さな芸能事務所なのかもしれませんね)
彩は「少し時間をください」と出ていってしまいました。
イヴはそれを追いかけようとしますが、千聖が止めます。彩はひとりで気持ちを整理する時間が必要だと。
彩やパスパレを守るために採った選択て、逆に傷つけてしまっている。冗談にしても笑えないですが、スタッフは「すみません」と謝るばかりで、決定を変えようとはしません。
信じていたものに裏切られそうになった時、あなたはどう進む? 千聖は、彩が答えを出すのを待っています。
第18話 私らしく
彩はレッスンスタジオで、ひとり考えます。
自分がパスパレになって、ここに来るのは何回目だろう。スタジオは、どんなことがあっても、毎日のように来ていた自分の居場所です。
スタジオへ千聖がやってきます。努力と練習が好きな彩なら、絶対にそこにいると思ったようです。
彩は身の上を語ります。小さなアイドルユニットの研究生として、デビューを目指して3年間頑張った。
でも全くうまくいかず、今年デビューできなければそのまま卒業という時に、パスパレのメンバーになることが決まった。
夢が叶って嬉しかった。それと同時に、努力すれば夢は叶う、努力したぶんだけ形になると信じることができた。
彩は、自分には才能がないと言います。だから夢を叶えるには努力を積み重ねる以外の方法を知らない。だから演奏だって、何度も同じところで間違えたりするけど、全く諦めなかった。
それでも結局、本番では歌うなと言われた。努力をすれば夢は叶うと信じていただけに、それを真っ向から否定されてしまった。
彩は、千聖に問います。アイドルとして成功するために、あえて本番では歌うなと言われて、素直に受け入れられるかと。
千聖の信条は、成功するためにはもっとも確実で、懸命な選択をすること。つまり、歌わないことを受け入れるといいます。もちろんこれは、あくまで白鷺千聖という人間の話です。
さらに千聖は言葉を続けます。彩のことを理解したと思っていたけど、思い違いだったと。彩は、はっとさせられます。
千聖が知っている丸山彩という人間は、自分の努力を信じて絶対に諦めない。どんなことがあっても、丸山彩という人間でいなさい。それは厳しくも優しい言葉でした。
事務所の会議室では、イヴ、日菜、麻弥の3人は、彩が戻るのを待っていました。
日菜と麻弥は、諦めてしまう彩が想像できないと言います。なぜなら、彩は誰よりもアイドルらしいアイドルだから。
麻弥は語ります。アイドルが輝くのは、単にキラキラした衣装を着るからではない。どんなことがあっても絶対に諦めず、自分の夢へ向かってひたむきに進んでいくから。
また、そのことに気づかせてくれたのが彩だというのです。
麻弥は、アイドルは音楽や芸能のひとつのジャンルじゃない。その人の生き方を指す言葉なんじゃないかと言います。
夢に向かって自分を貫き通す姿が人を輝かせ、その姿を見た人に影響を与える。丸山彩という人物がアイドルそのものを表現している、というのは大げさかもしれません。ですが、そう信じさせてくれるものを、彼女は持っているのです。
彩であれば、正しい選択をしてくれる。3人はそう信じて、彩が戻るのを待ちます。