South of the Circle（サウス・オブ・ザ・サークル）

有無を言わせぬ没入感。

1964年、南極。真っ逆さまに墜落する飛行機。

「South of the Circle（サウス・オブ・ザ・サークル）」は、文学的なるアドベンチャーゲームだ。

1964年の南極。飛行機事故に遭遇した主人公は孤立してしまう。吹雪の中で彼は、過去の記憶と向かい合っていく…。

子どもの頃の記憶のように、永遠に残り続ける約束もあるという。その正体を確かめてみないか。

冷戦時代を舞台とした「ナラティブ」なラブストーリー

アイコンを長押しタップしてキャラの行動を選択していく。

タップして主人公の「感情」を選びストーリーを進めていく。3Dのフィールドを移動する局面もあるが、ほぼ一本道で難しい動作や探索は必要ない。

氷点下の世界と記憶の世界。２つの軸が映画的表現で描かれていく。ラブストーリーと、約束の重みはどこにたどり着くのか。

「South of the Circle」の特徴は重くまっすぐな愛と戦争の表現

吹雪の中思い出すは夢かまぼろしか、それとも真実か。

戦争と恋愛。2023年今なお全世界を重くのしかかるテーマを複雑に、それでいて真っ向に描いたストーリーをまず評価したい。

翻訳はほぼ完璧で、広告などもないためシネマティックな演出に没入することができた。

アクション要素はほぼ皆無

ゲームというよりは映画に近いのかもしれない。

序盤はほぼ読み進めるようなもので、タップ操作での移動はあるがアクションゲームのような要素はない。

ゲーム性というよりは物語を入念にフルボイスと美しいBGMで味わいたい人だ。そうそう、サントラがとてもいいんですとても。

ゲームの流れ

墜落した飛行機。不時着したは氷の世界。

飛行機から這い出て、寒さと戦いながら助けを求めることになった。

かすかにともる赤い灯りを目印に吹雪の世界を進んでいく。

氷の世界から脱出できる可能性がますます絶望的なものになるにつれ、過去と現在の狭間がぼやけ始める。

いつの間にか電車を待っていた。

この現実と幻想、記憶、妄想の切り替わりの映像表現が見事だ。

政治的紛争に巻き込まれていくケンブリッジ大学の2人。

だが、序盤ではそのすべては出会いしか明かされない。

ようやく基地らしき建物にたどり着いた。

だが、物語はこれがはじまりにすぎなかった。

「South of the Circle」の序盤攻略のコツ

不自然な改行が気になるなら、文字サイズを変更だ。

難しいアクションは何もなく、アイコンを選び、光の指すほうに進めばよい。

ただ会話シーンに合わせてアイコンは文字を視認しづらい。注意して選びたい。あと、改行の配置が気になるなら文字サイズを調整しよう。

フルバージョンの購入を推奨

フルバージョンは600円。

本編は体験無料のような形式であり、無料で遊べる範囲だけではストーリーの深みが完璧には理解できないのが普通に残念だ。

ハードルが高いのを承知で言うが、ストーリーテリングが好きなゲーマー諸氏は是非買い切りでフルバージョンを遊んでほしい。