Cypher 007(サイファー 007)
Tilting Point LLC
2Dアクションゲーム
AppleArcade (月額900円 初月無料)
ジェームズ・ボンドが洗脳される!?「007」シリーズ最大の苦境を描くスニーキングアクションゲームダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
ジェームズ・ボンドとしてスリリングな冒険を繰り広げる見下ろし型スニーキングアクション
「Cypher 007(サイファー 007)」は、スパイ映画とその原作小説である「007(’ダブルオーセブン)」シリーズを原作とする見下ろし型のスニーキングアクションゲーム。
主人公はもちろん、殺しのライセンス「00(ダブルオー)」を持つエージェント、ジェームズ・ボンド。
今作でボンドを待ち受けている罠は、「マインドトラップ」と呼ばれる洗脳技術。敵のたくらみは、この技術によってボンドを二重スパイに仕立てること。
外敵や物理的なものだけでなく、自分の内面すら障害。シリーズ最大の困難を、スパイとしての能力やガジェットでいかに突破するか?
スケールの大きな設定を、スマホで快適に楽しめるようにした手腕はお見事。スパイものの金字塔「007」シリーズならではの興奮とスリルが、いつでもどこでも気軽に味わえる。こいつはオススメの一作だぜ…!
※本作品のiOS版はApple Arcade対応ゲームであり、月額600円のサブスクリプション課金が必要となります。
能力とガジェットを駆使!目的達成を目指せ
本作はステージクリア型となっており、「敵を倒せ」「脱出しろ」などの小目標をすべてクリアすることで次のステージが開放される。
スニーキングアクションとして作られているため、基本は隠密行動。姿勢ボタンでしゃがみ状態になり、音を立てずに移動しよう。移動は画面左側のスワイプで行えるぞ。
敵に気づかれないよう背後を取ることができれば、ステルステイクダウンのチャンス!一撃で敵を倒せるぞ。
また、あえて敵に姿をさらし、おびき寄せて通常攻撃で始末してもOK。
ただし、複数の敵から銃で攻撃されると、ひとたまりもない。あくまで通常攻撃は、気づかれた時の最終手段と考えた方がいいだろう。
Apple Arcade独占!プレイするなら加入必須
本作は月額制サブスクのApple Arcade対応ゲームとして配信されている。このため、追加課金や広告掲載などは一切ナシ。
また、007.comにApple Arcade独占(exclusively)とあることから、今後少なくとも一定期間はApple Arcade以外ではプレイできないだろう。プレイしたかったらiOS系デバイスを購入し、Apple Arcadeへ加入するしかない。
では本作にそこまでする価値があるのか?…というと、iOS系デバイスを持っているのであれば、本作のためにApple Arcadeへ加入する価値アリだと感じた。
詳しくはこの後で書くが、本作は「007」のゲーム化ということを度外視しても、スニーキングアクションとしてよくできている。個人的には、これが600円/月でプレイできるのなら、十分安い。その上、 他のApple Arcade対応ゲームもプレイ可能なので、コスパ最強と言っても過言ではないだろう。
「Cypher 007」の魅力は「007」ならではのスリルと興奮がスマホで快適にプレイできること
スニーキングアクションというゲームジャンルに触れるなら、「メタルギア」シリーズに触れないわけにはいかないだろう。
なんといっても「メタルギア」は、スニーキングアクションというゲームジャンルを生み出し、ここまで育て上げたシリーズ。「007」シリーズはスパイものとしては「メタルギア」の先輩にあたるが、スニーキングアクションとしては「メタルギア」が先輩にあたる。
筆者も「メタルギア」は大好き!はじめてプレイしたのはファミコン版で、その後MSX2+で「メタルギア2 ソリッドスネーク」をプレイして大ハマり。以降小島監督が関わった「メタルギアソリッド」シリーズはすべてプレイしている。
そんな筆者からすると本作は、2Dゲームとして作られていた「メタルギア2 ソリッドスネーク」をスマートフォン向けに進化させたものに見える。「メタルギア」シリーズは「メタルギアソリッド」以降、3Dによる映画的演出に舵をきったが、そうではなく、2Dのまま進化していたなら、本作が生まれていたのではないか。
いわば本作は、「メタルギア」のもう一つの進化の可能性といえる。
その上で「メタルギア」の亜流に陥るのではなく、「007」シリーズならではの魅力を盛り込んでいるのが素晴らしい!
濃密な娯楽体験!2Dスニーキングアクションの進化系
「メタルギア」シリーズは、ハードウェアの進化とシンクロするかたちでリアリティを増していった。まず3D化によって現実的な動きが可能になり、その上でCQC(クロース・クォーターズ・コンバット)やカムフラージュによる発見率の変化など、ミリタリーとしてリアリティのあるアクションが導入。最終的には、オープンワールド化によって、ゲーム内のキャラクターたちが意志を持っているかのようにリアルな世界が実現した。
リアリティのアップは、この上なく進化を感じさせる。しかしながら、リアルになることが無条件にいいわけでもない。というのも、リアルというのはイベントが希薄だから。
我々の生きるリアルな日常において、ドラマティックなイベントはそうそう発生しない。朝起きて、ご飯を食べて、歯を磨いて出社・出勤する。もちろんそこに日々の小さな違いはあるが、たいていの場合、「同じような毎日の繰り返し」といっても差支えのないものだろう。
したがって、ゲーム内の表現をリアルにしようと思うと、どうしたってイベントが希薄になっていく。たとえば、「泣く」という表現ひとつとっても、リアルに表現しようと思えば、どのように声や表情が変化するかといった点を描くことになり、それなりの時間が必要。こうしたことが、移動やら攻撃やらアイテム使用やらといったあらゆる箇所で発生する。
一方、マンガや小説、ドラマや映画といったフィクションでは、ドラマティックなイベントがガンガン発生する。それもそのはず、お客さんを楽しませるためのイベントをガン詰め込む詰め込んでいくのだから。つまり、フィクションはイベントが濃密!
そう、本作が進化させたのはこの、フィクションとしての濃密さ。
見下ろし型視点にすることで、キャラクターの表情の演技は排除し、身振りを使った演技も最小限にする。これによって、スリリングなアクションを次から次へ体験できる。些細な点に思えるかもしれないが、スニーキングアクションゲームではこの点が非常に重要!
というのもスニーキングアクションでは敵に気づかれないために、敵が目を逸らすまで待たなければならない。当然、敵の演技に時間がかかれば、待ち時間が長くなってしまう。しかし本作は敵の演技が最小限、非常にスピーディーに動いてくれるので、待ち時間も最小限で済む。
つまり、本作は短時間でもスニーキングのスリルを味わうことができる。短い時間であっても、とても濃密な娯楽体験ができるのだ。これぞ、「メタルギア」のもう一つの進化の可能性。
装備も武器も最新ガジェット!007ならではの楽しさ
メタルギアの主人公、スネークのセリフに「装備も武器も現地調達」というものがある。最低限の武器装備で潜入し、装備や武器は現地調達可能なものでなんとかやりくりする…という「メタルギア」シリーズの展開を端的に象徴した名ゼリフだ。
一方でスパイものの醍醐味と言えば、最新ガジェット。最先端科学によって生み出された、一般人では持てないような秘密のスパイ道具にワクワクする…というのが、スパイものの魅力だろう。そしてこの魅力を生み出した作品こそ、「007」シリーズ。
本作はこの魅力をガジェットの強化・育成というかたちで盛り込んでいる。
敵の注意を引き付けるためのQボールやスーツといったガジェットを、強化・育成可能。そして、必要素材の調達は、スニーキングアクションの要素として組み込まれている。
こうしたゲームシステム上の工夫によって、本作は「『007』の世界観を使っただけのスニーキングアクション」には陥っていない。まさに「007」シリーズならではスニーキングアクションといえる作品に仕上がっている。
ゲームの流れ
本作は日本語に完全対応しているぞ。もし日本語で表記されない場合、言語設定を変更しよう。ただ残念なことに、セリフによってはジェームズ・ボンドのセリフが女言葉になっており、ちょっと萎える…。
ちなみにタイトルのCYPHER(サイファー)とは、ゼロのこと。殺しのライセンスである「00(ダブルオー)」と関係してそうなワードだぞ…。
ゲームをはじめると、ジェームズ・ボンドが今まさに目的地へ潜入しようとしているところ。
最初のステージはチュートリアルになっているので、説明を見つつ、ひとつひとつギミックを乗り越えていこう。
基本的に出てくる敵を倒し、先へ進めばOK。先に進むと階段があるので、階段アイコンをタップして次の買いへ進もう。
最終目的は、サーバールームでコンピューターをハッキングすること。見事目的を達成すると…?
チュートリアルが終了し、自宅で目覚めたボンド。しかしなんと、自宅に敵が向かっているという。
隠し通路から脱出をはかろう。隠し通路が用意されているなんて、さすがスパイだぜ…。
ステージは扉だけでなく隠し通路によっても繋がっているため、複雑に入り組んでいる。
左上のミニマップで敵と自分の場所をしっかり確認して進もう。ステージをクリアすると、ガジェットの強化が行えるぞ。
「Cypher 007」の攻略のコツは状況に応じて立ち回りを変えること
攻略にあたっては、敵に気づかれないように行動するというのが基本。
しかし、結果的に気づかれてしまうこともあるし、状況によっては気づかれないように行動するのは無理ということもある。
そこで、状況に合わせた立ち回りを押さえておきたい。
まずは索敵!ステルステイクダウンを狙おう
どんな状況でっても、まず一番最初に行うべきことは索敵。画面左上のミニマップを見て敵の行動パターンを調べよう。
敵の行動パターン中、背後を見せた状態で一定時間動きを止めるタイミングがあるなら、それはステルステイクダウンのチャンス。
動きを止めるタイミングを狙ってしゃがみ移動で背後から近づき、一気に沈黙させよう。
隙がない?だったら誘導して倒そう
動きを止めるタイミングがないだとか、背後を見せないだとかいった敵には、立ち回りを変えなければならない。
敵の方へ接近するのではなく、敵をこちらに誘導して倒そう。
敵はこちらの姿を確認したり、物音が鳴ったりすると向かってくる。なので、一瞬姿を見せればOKだが、他の敵にも姿を見られる可能性があるためリスクが高い。
基本的にはQボールを投げて視線を誘導するというのがオススメだぞ。