Lacuna(ラクーナ)

Lacuna(ラクーナ)

パブリッシャー Assemble Entertainment

ジャンル アドベンチャーゲーム

価格 iOS:300円

SF的世界観とミステリー要素が高いレベルで融合!芳醇なプレイ時間を楽しめる極上のアドベンチャー

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モードを切り替えて情報収集!SF的世界観とミステリー性のどちらも完成度が高い。

我々の宇宙とは異なる太陽系を舞台にしたSFミステリー・アドベンチャーゲーム

「Lacuna(ラクーナ)」は、我々の住む宇宙とは別の太陽系を舞台にした、再度ビュースタイルのSFミステリー・アドベンチャー。

本作の舞台となる太陽系には、ガーラドロビアニュージョランという3つの惑星があり、植民地化を巡る火種を抱えていた。

ある時、ガーラに植民地化されているドロビアの外務大臣・ジョセフ・バニーが惑星間貿易サミットのためにガーラを訪問。彼はガーラによる植民地支配からの独立を訴える過激派で、世間ではサミットの行方が注目されていた。

そんな中、バニーが狙撃によって殺害されてしまう。事件の早期解決ができなければ、惑星間戦争の可能性も否定できない。この事件の捜査を担当するのが、CDIエージェント、ニール・コンラッド。プレイヤーは彼を操作し、事件解決を目指すことになる。

細部まで作りこまれたSF的世界観と、完成度の高いミステリー要素。さらに美しいピクセルアートとBGMが素晴らしい。芳醇なひとときが味わえる、極上のアドベンチャーゲームだぞ。

手掛かりを収集!シートで推理を披露しよう

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選択肢を選んで回答するとゲームが進んでいく。正解するためには情報収集が大事。

本作は、シートという形で設定された問題に対し回答していくことで進行する。シートには、「バニーを狙撃した場所は●●」のように穴あき文形式で問題が書かれており、●●の部分を選択肢から選んで回答するというかたち。

正しく回答するために重要なのが、手掛かり。手掛かりはNPCと会話したり、調査ポイントを調査することで獲得できるぞ。

会話と調査は、それぞれ別のモードで行う。通常は会話モードとなっており、調査アイコンをタップすると調査モードへ移行。調査可能なポイントがサークルで示されるぞ。

コスパは抜群!だが文字の表示サイズに課題も…

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ビジュアルもBGMもハイクオリティ。これで文字の問題さえなければ…!

本作は買い切り型の有料ゲームアプリとして配信されている。

買う価値があるのかどうかについては、個人的には買う価値アリ…どころか買う価値しかないという印象。シナリオもビジュアルもBGMも推理要素もすべてクオリティが高く、これだけの作品を1000円未満で買えるなんて驚き破格とは本作のためにある言葉だと思う

しかしそんな本作も、一点だけ問題点を抱えている。それは、文字の表示サイズ。

おそらく全体の雰囲気を大切にしたかったためだろう。本作は文字もピクセルアートとして表示している。これだけなら何も問題はない。しかし、文字サイズによって自動縮小するという仕様があるため、一定以下の解像度では文字をほとんど読めなくなってしまう…。

この点は、なんとしてもアップデートで改善してほしい。膨大なテキスト量を有している上、複数の言語に対応していることから、恐らくフォントを自動的にピクセルアート化しているのではないかと思う。もしそうなのだとすれば、もともとのフォントでそのままプレイ可能なオプションを用意してほしい。雰囲気は崩れるだろうが、ゲームが進められないのでは元も子もない。

それまではタブレットなど、モニタサイズと解像度が大きめの端末でプレイせざるを得ないだろう。

「Lacuna」の魅力は細部まで作りこまれたSF的世界観と完成度の高いミステリー要素

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空飛ぶ車が出るだけで大盛り上がり!電車がホームに入る演出もカッコいいぜ。

筆者はSFもミステリーも大好き。SFは主に「メタルギア」や「デスストランディング」などの小島秀夫監督作品や、「ブレードランナー」「サイバーパンク2077」といったサイバーパンク系が好物。

ミステリーは江戸川乱歩に横溝正史、「姑獲鳥の夏」などの京極夏彦作品や御手洗潔といった本格ミステリー系に加え、「ミレニアム」シリーズや「ショーン・ダフィ」シリーズ、「Mr.クイン」などなど海外ミステリーも大好きだ。

そんな筆者から見て本作は、一言で言って神ゲー。文庫本とほとんど変わらない値段なのに、こんなゲーム遊べちゃっていいの?という感想を持っている。先に書いた文字サイズの件が修正されたら、非の打ち所がない

それくらい、SFとしてもミステリーとしてもよくできている…!

対立する利害と思惑…!綿密に作られた世界観

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本作ではチラニウムという新資源を巡る植民地化が政治ネタとして用意されている。

「ブレードランナー」に登場するスピナーのような空飛ぶ車がピクセルアートで出てくるってだけでもう興奮!小島監督の「スナッチャー」を思い出して胸が熱くなってしまう。

とはいえ本作、「サイバーパンク」ではない。「サイバーパンク」は基本的に、脳や人体を電子機器へ接続するという設定によって、自分を構成する知識や肉体のどの部分までが自分なのか曖昧になってしまうという点にフォーカスする。しかし本作がフォーカスしているのはこういった要素ではない。

本作は利権を巡るポリティカル(政治)要素や、殺人事件をはじめとしたミステリー要素にフォーカスがあてられている。そういう意味では、小島監督作品で言うと「ポリスノーツ」に近い。「ポリスノーツ」はスペースコロニーを舞台にしたSFアドベンチャーゲームであり、とある殺人事件がコロニー全体にまつわる大規模な陰謀へと繋がっていく…というストーリー。殺人事件というミステリー要素と、コロニーの計画というポリティカル要素を特徴としていた。

ポリティカル要素やミステリー要素は、SFではなく現代劇として十分表現できる。ではなぜ、SFで描くのか?

それは、SF化することで、現代劇では生々しくなってしまう要素を表現できるから。たとえば、他国を植民地化するだとか、資源を奪うだとかいったテーマを実際の国名で描くのは、いろいろと差支えがあるだろう。

つまり、SFという形でコーティングされてはいるものの、ゲームを通して現代が持つ社会問題を味わえるという奥深さが、本作の魅力と言える。

推理する楽しさ!ミステリー要素も秀逸

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情報を集めただけで即座に回答できるわけではない。ちゃんと推理する必要があるぞ。

一方、本作のミステリー要素は、シートに書かれた穴あき文への回答というかたちで表現されている。

言ってみればアイテム(情報)探し&クイズ。一般的なアドベンチャーゲームとさして変わらないように見える。

ただ確かに形式としてはアイテム(情報)探し&クイズなのだが、単純に情報を集めればOKというかたちにはなっていない。情報を集めた上で、ひらめきが必要なかたちになっており、自分の頭で推理しているという実感がバッチリ味わえる。このため、ミステリー要素も完成度が高い…!

ゲームの流れ

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端末によっては初回起動時の設定が英語表記かもしれない。しかし本作は日本語に対応している。しかも翻訳のクオリティが高い!

焦らず、「Setting」の「Text Language」から日本語をチョイスしよう。

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冒頭でプレイヤーが操作するにはニールではなく、ミラという少女。どうやら友達であるノアと久しぶりに会った模様。

この冒頭シーンはチュートリアルとなっており、調査や推理も含めた様々な操作説明が行われる。

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ゲームを進めていくと、突如として事故が発生。急いで逃げなければならないという事態に追い込まれる。

なお、事故発生直前のタイミングに不具合発生の可能性がある。どんな不具合化というと、仮想パッドが表示されず、どこにも移動できなくなってしまうというもの。もしこの不具合に遭遇したら、一旦アプリを落として再起動しよう。それで改善するハズ。

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事故から40年の歳月が流れ…現在へ。主人公はニールへと変わる。元妻と会っており、子どもの件で文句を言われている模様。

殺人事件の捜査を担当するエージェント、しかもSF世界観…という設定こそ現実離れしているが、ニールの人間性は地球に住む我々と大きく違わない模様。家族に向き合わないという性格は褒められたもんじゃないかもしれないが、だからこそ等身大に感じられる。

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妻と別れて家に戻り一人休んでいると、バニー殺害の報告が!現場に急行しよう。

本作はこの画像のようにたびたびモノローグが挿入される。自嘲気に心境を語るモノローグは、いかにもハードボイルド小説っぽい。これもまた本作の魅力といっていいだろう。

「Lacuna」の攻略のコツはすべての情報を集めて確認してから回答すること

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いきなりシートを提出するのはNG。まずは情報をすべて集め、そして確認しよう!

シートの問題に正解するためのポイントは、いきなり回答しないこと。ストーリーを先に進めようと思う気持ちはわかるが、調査は段階的に進めるもの。急がば回れ

基本的に、まずは情報をすべて集めよう。この時点では情報の中身を詳しく見なくてもOK。

情報がすべて集まったら、確認する。確認の時点で情報が全部集まっていると、情報と情報を関連付けることができる。すでにあるデータとデータを関連付け、新たな情報を獲得する…これこそが「推理」…!

情報をすべて集める!会話&調査

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調査結果や会話の内容はすべて保存されている。集めてから見返す方が推理しやすい。

まず情報をすべて集めよう。集めるべき情報は2種類あり、ひとつは会話で入手する情報。もうひとつは調査で入手する情報だぞ。

会話モードのまま登場人物全員に話しかけた後、調査モードに切り替えてポイントを調査…という風に、2段階に分けて情報収集すると効率的

情報を覚えてられない…?大丈夫、会話はログから、調査ポイントの情報は手掛かりからいつでもまとめて再確認できるぞ。

集めたら確認!ニュース欄もチェックしよう

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ニュースが推理のヒントになることも多い。あわせて確認しよう。

情報を集め終わったら、ログや手掛かり画面を使って情報の確認を行おう。

コツは、見比べること。単体の情報だけでは気づかなくとも、複数の情報を見比べることで何か気づくことがあるハズ。

情報を見比べる崔は、ログや手掛かり以外にニュース欄の情報もあわせてチェックしよう。SF的な設定が、推理のヒントになることもあるだろう。