60 Parsecs!(60パーセク!)
Robot Gentleman
アドベンチャーゲーム
Android:450円 iOS:600円
宇宙ステーションから脱出し次の惑星を目指せ!確実に迫る死をポップに描くサバイバル・アドベンチャーダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
爆発する宇宙ステーションから脱出し安住の地を求めて宇宙をさまようサバイバル・アドベンチャー
「60 Parsecs!(60パーセク!)」は宇宙ステーションから脱出し、安住の地を求めて宇宙をさまようサバイバル・アドベンチャー。
なぜ宇宙ステーションから脱出しなければならないのか?それは宇宙ステーションがあと60秒で爆発してしまうから。
生き延びるためのありったけの資源と、一緒に脱出する仲間を連れて脱出用シャトルへGO!
とはいえ無事脱出できたとしてもそれで終わりじゃない。人間生きてりゃ衣食住が必要。けれど、シャトルの中の資源は限られている。資源が尽きる前に安住できる場所を探し出さなければならない…。
でも、安住できる場所なんて本当に見つかるのか?不確定な未来と、確実にやってくる餓死とが不安をかきたてる。…この陰鬱な展開を、コミカルなカートゥーン調で演出するというユーモア感覚が絶妙におもしろい!
メインはサバイバル!最善の選択を行おう
宇宙ステーションからの脱出シーンでは、見下ろし型視点でアイテムと仲間の獲得を目指す。仮想パッドでステーション内を移動し、60秒以内にアイテムと仲間3人を獲得。脱出しよう。
無事脱出すると、サバイバルシーンへ移る。ここでは、毎日なんらかのイベントが発生する。基本的にイベントに対していくつかの選択肢が表示されるので、その中から最善と思うものを選ぼう。選んだら画面右のスイッチをタップして次の日へ。
なお、選択肢としては存在していても資源がないから選べないということも多い。この場合、選べるものの中から最善と思うものを選ぶことになる。
また、イベントの選択に加えて存在するのが、クルーに食事や医療キットを与えるか否かという選択。食事や医療キットを与えればクルーは健康なステータスを維持できるが、当然ながら与えた分の資源は減る。どのタイミングで与えるのか、その判断をしっかり行おう。
有料で快適に繰り返しプレイ!読み込みの長さは難点
本作は、一回のプレイで確実にクリアできるというタイプの作品ではない。どんな選択をすればベストなエンディングを迎えられるのか、何度もプレイを繰り返すことで探り当てるかたちになっている。
こうした本作のスタイルと、買い切り型という販売スタイルはとてもマッチしているように感じた。繰り返しプレイしても動画広告が表示されたり、課金が必要になったりしないので快適にプレイできる。
ただその一方で、読み込みに結構時間がかかるという残念ポイントも存在。、宇宙ステーションからシャトル内への切り替えにかなりの時間がかかる。システム上、重いデータを大量に読み込む必要がるのかもしれない。ただ、可能であれば時間を短くしてもらえると嬉しい。
「60 Parsecs!」の魅力は陰鬱さと陽気さが同居するユーモア満点の世界観
水と油。犬と猿。…こんな風に世の中には、相性が合わない対照的な関係を表す言葉が存在している。
ちなみに、ここへ陰キャとパリピという言葉を並べたとしても違和感はないのではないだろう。たとえば、休日は一人でスマホゲーかKindle読書をしていたいと願う代表的陰キャな筆者からすると、休日にバーベキュー的なイベントは「できれば遠慮したい」属性のイベントといえる。けど、多人数でご飯を食べたり話したりするのが好きな人からすれば、「できれば行きたい、楽しみ!」なイベントになるだろう。完全に対照的だ。
けど、対照的なものが混ざり合うことで化学反応が起き、すばらしいものが生み出されることもある。たとえば砂糖と塩は対照的だが、スイカに塩をかければ神のごとき美味しさを誇るし、お汁粉を美味しくするためにも塩が必須。そもそも塩大福なるものが世の中に存在することからも、砂糖×塩という組み合わせが素晴らしいものを生み出すというのは間違いないといっていいだろう。
本作もそう!どう考えても陰鬱極まりない展開なのに、それを陽気なカートゥーン調で描くことによってブラックユーモア的なおもしろさが生み出されている!ダークさとコミカルさが同居するこの感覚は、ゲーム界の塩大福といっても過言ではないだろう。
…というわけなので、陽キャの皆さんにおかれましては、筆者のような陰キャがパーリィに出席したとしても極力暖かい対応をお願いしたいぜ…!
真綿で首を絞めるような陰鬱さ!救いのない展開
本作はビジュアルを見ただけだと、どこがそんなに陰鬱なのか見えてこない。資源をやりくりして次の住み家となる惑星を探す…というゲームシステム的も、表面上は一般的なSFシミュレーションとそう変わりないように思える。
だがゲームを始めると、本作の陰鬱さが心を突き刺すことだろう。何が陰鬱なのかというと、衰弱するクルーを見続けなければならないというところ。資源は全く手に入らないわけではないが確実に不足する。なので、飢えに苦しむクルーがいたとしても無視しなければならない。
よほど割り切ってプレイするなら別かもしれないが、ストーリーを楽しみつつ…つまり感情移入しつつプレイしていると、助けを求める仲間をあえて無視するという展開は結構心に来るものがある。
この感覚は、「This War of Mine」に近いと思う。実際の戦争をベースにしている上、写実的なグラフィックの「This War of Mine」と比べれば本作の陰鬱さは低い。
けど、そのままだと確実に死ぬ仲間を前にして何もできないという感覚は、それだけで十分、真綿で首を絞めるような陰鬱さを持っている…!
シリーズ作とも違う!レトロポップ×陰鬱が本作の魅力
死が徐々に迫る中、仲間を見捨てる判断をしなければならないという陰鬱さは、実は本作だけでなく「60 Seconds! Atomic Adventure(60セカンズ!アトミックアドベンチャー)」や「60 Seconds! Reatomized」といった本作の関連作も持っている。こうした作品も本作同様、カートゥーン調のビジュアルを取り入れることで陰鬱な設定をコミカルに見せていた。
ただ本作は、単にカートゥーン調のビジュアルというだけでなく、「人類は宇宙へ進出する」と無邪気に信じていたレトロなSF映画の世界観をもパロディ的に取り込んでいる。ロゴデザインがまさに代表例。
ただ単純にコミカルというだけでなく、「人類は宇宙へ進出する」というレトロポップなSFと陰鬱なゲームシステムを組み合わせるという発想が皮肉に富んでいる。他作品よりも、ブラックユーモアとして一段レベルが高いように感じた。
ゲームの流れ
ゲームスタート!言語が「日本語」にセットされているかどうかを確認して「次へ」をタップしよう。
本作は日本語に完全対応しているため、皮肉の効いたテキストもバッチリ理解してユーモアを堪能できるぞ。
最初は脱出モードのチュートリアルから。画面左下の赤いアイコンが仮想パッドになっているので、スワイプ操作しよう。キャラクターを動かしたら、マップ内を探索して指示されるアイテムをゲット!
チュートリアルの初期状態は時間制限なしなのでゆっくりプレイしてOK。カウントダウンが始まったら、急いで連れていく仲間をピックアップしよう。
一日はコンピューターの吐き出す報告メッセージからスタートする。各キャラクターの健康情報もここで語られるので、読み飛ばさずにしっかり読もう。
なお、クルーの内1人でも死ぬとゲームオーバーになってしまうことに注意!資源を厳格に管理するため、時に食事を我慢してもらうのは重要。でも、死人を出してはならない。
各キャラクターをタップすることで食事や医療キットといったアイテムの使用が可能。また、画面中央下のモニターをタップすることでイベントをこなすことができる。
食料や医療キットは使用しなくても構わないが、イベントは必ず行わなければならない。なお、画面左奥をタップすると食料やエネルギーなどの資源クラフトが可能。とはいえ、クラフト可能な量はスズメの涙…。
なんと、星を発見した!ここは新天地となり得る星なのだろうか。なお、星に着陸すると探索が可能になる。
日に日に減っていく資源との戦いだったけど、これで未来へ希望が持てる…のかな…?
「60 Parsecs!」の攻略のコツは長押しタップによる情報収集
救命の現場には「トリアージ」という概念がある。これは救命行為の優先度を決めることで、助かる見込みの少ない人間や軽症の人間よりも、処置によって助かる可能性の高い人間を優先することをいう。
物語で描かれる人命救助は、どうしてもヒーロー的・ヒューマニズム的な色彩を帯びがち。けど、現場に人を助けるためには現実的な視点が必要というわけだ。
本作も同様。限られた資源をやりくりして生き残るためには、現実的な視点で選択を行わなければならない。そのためにも、詳しい情報が必要。なのでまずは、長押しタップで情報を集めよう。
長押しタップで情報をゲット!どんな人間かを把握しよう
本作ではキャラクターやアイテムを長押しタップすることで、より詳しい情報が表示される。
特に重要なのがキャラクター。生き延びる確率を少しでもアップするためには、優秀なキャラクターが必要。なのでまずはキャラクターの情報を把握しよう。
ゲームを繰り返しプレイすると、いちいち確認せずともキャラクターの顔を見ただけでどんなパラメーター傾向かわかるようになってくる。そうなったら、シャトルへ連れていくキャラクターを厳選。サバイバルのために必要な能力を持っているキャラクターをピックアップしてシャトルへ乗せよう。
多様性が胆!あらゆる事態に対応できるよう
令和の世の中では「多様性が重要!」と声高に叫ばれている。昭和時代には何をすれば成功するか明確だったので、そのためにどんな能力が必要かも明白だった。
しかし成功の条件がわからない現代では、どんな能力が必要になるのかもわからない。となると、さまざまな能力が重要…ということで、多様性が重要ということになる。
この、どんな能力が必要になるのかもわからないというのは、本作も同様。宇宙では何が起きるかわからない。エイリアンに襲われるかもしれないし、プレデターに狩られるかもしれないし、ニャルっとした混沌に這い寄られるかもしれない…。いや、本作にこうしたイベントがあるわけではない。要するに、前もってどんな能力が必要か知ることはできないよね…という話。
なので、機敏さ・力・知恵…といったパラメーターのいずれかに秀でたキャラクターを被らないよう連れていくのがオススメ。偏ったキャラクターで編成してしまうと、想定外の事態に対応できなくなってしまうぞ。