霜夜ゆく

美少女を殺すか、必要な物資を捨てるか。どちらかを選ばないと確実に破滅が訪れる。

方程式 X ローグライト X アドベンチャーとは一体！？

「霜夜ゆく」(そうやゆく)は、宇宙船で極限の選択を迫られるSFアドベンチャー。

密航者を船から放り出さなければ宇宙船は重量オーバーで本来の航路を辿れず、目的地での人命救助を行えない。

美少女を殺すか、必要な物資を捨てるか。どちらかを選ばないと確実に破滅が訪れる。

宇宙空間に放り出されれば、密航者はもちろん死んでしまう。多くの命を救うために密航者を殺して棄てるしかない…。

善悪の彼岸で第三の答えを探すローグアドベンチャー。これは…面白い。

作者「密航した猫耳少女の体重が重すぎてヤバいわよな宇宙船で、少女の体重分をどうにかしようとするゲーム」

この美少女の手書き感がまたたまらないのよ。誰だ絵師は。

宇宙船を舞台に、彼女と協力しながら、不用品を探して投棄していくSFアドベンチャー。時間以内に重量制限をクリアしないと、結局待つのはゲームオーバーだ。

かわいい女の子と使命。２つの板挟みに遭う主人公の命運はいかに。彼女を捨てる＝殺すか、命令をまっとうするか。第三の選択肢はあるのか。

「霜夜ゆく」の特徴は、シビアな選択を迫られる胸の痛み

宇宙船のために、女の命である髪まで断つとは。

「方程式 x ローグライト x アドベンチャー」を標榜する本作は、トム・ゴドウィンのSF小説「冷たい方程式」を参照したという。

彼女の命、自分の使命…。どちらを選んでも痛みを伴う。まさにトロッコ問題。コロナ禍で分断を迫られる我らには、身近な感情ではないか…？

だが、制限のある中でも、プレイヤーのとれる行動の幅は広く、プレイヤーは少女を救う=ゲームをクリアするために奔走できる。

ここに謎解きゲームとしてもやりがいと面白さがある。プレイヤーの情熱よ、宇宙の冷気を超えろ。

グラフィック、テキスト、美少女、BGM…。どれもよい

それにつけても、この子がめんこいのよ。

しかしこの読ませるテキストの文体、スタイリッシュなUIよ。インディーゲーム制作サークル、旧世紀網膜博物館。この名前はみなさんも覚えておくべきだ。

美しいピアノや歪んだギターが心地よいBGMもまた魅力的だ。美少女のビジュアルも可憐で、罪悪感と板挟みになる気持ちを加速させる。

これが120円で遊べるのは、安すぎると言うしかない。我が課金に一片の悔いなし！

ゲームの流れ

女の子を殺害する衝撃的なチュートリアル。

アイテムを選び、使い、彼女の死体を捨てて重量をへらす。完璧な訓練だ。

淡々と美しいUIで事実が綴られるからこそ、胸が痛くなる。

長押しが決定なのは覚えておこう。

迂闊な選択をしたら死、あるのみ。

この文章やフォントから伝わる、こだわり。好きだぜこういうゲーム。

宇宙が完全に冷たく、冷え切ってはいないことを証明できるのか？

バッドエンドを越え、第三の道にたどり着け。君ならできる。

「霜夜ゆく」の序盤攻略のコツ

捨てる順番、組み合わせが重要だ。

長押しで選択できることや、アイテムを使用して組み合わせることなどはチュートリアルだけではわかりづらい。

まずはさまざまなエンディングを見るために思うがまま遊んでみよう。繰り返し遊ぶため、慣れたら序章はオフにしておいたほうがいいだろう。

アイテムを組み合わせよう

その気になれば、AIを破壊することだって、できるんだぜ。

重さだけじゃなく宇宙船が目的地にたどり着く制限時間内に捨てることも大事だ。アイテムを組み合わせて箱に詰め、時間をかけずに一度に捨てるなど、アイデアが要求される。

ネタバレは避けるが、どこに血清があるのか、アイテム欄をチェックしたり捨てたりして確認するのが唯一の生存への近道か。