泡沫冬景

泡沫冬景

パブリッシャー AXE TECHNOLOGY

ジャンル 美少女恋愛アドベンチャーゲーム

恋ではなかっためぐり合わせ。1980年代、バブル期の東京が舞台。日中の豪華スタッフが共同制作したビジュアルノベル

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泡沫冬景

1988年。中国の青年と日本の少女がバブル時代の東京で巡り合う物語。

恋ではなかった“めぐり合わせ”だった

「泡沫冬景」(Christmas Tina)は日本と中国のスタッフが共作した、1980年代の東京を舞台にしたビジュアルノベル。

賑やかな東京、そびえ立つビル、まばゆいネオン。バブルと呼ばれた、浮かれた世の中で、中国の落第青年と日本の田舎少女が出会う。

美しいビジュアルで綴られる映像表現、そして声優陣のフルボイスが胸を打つ作品になっている。

言葉の通じない二人の、フルボイスアドベンチャー。

泡沫冬景

昭和の終わり。30数年前の日本が舞台。

タップして物語を読み進める、いわゆるビジュアルノベルと呼ばれるもの。フルボイスだからこそ、言葉の噛み合わなさが切実に伝わる。

男性側の視点と女性側の視点が交互に描かれ、二人の心の交差が丁寧に描かれるテキスト。そして美しいグラフィック、80年代の日本という失われた風景。

惹かれちゃうでしょ。これは。

「泡沫冬景」の特徴は物語、BGM、フルボイスがもたらす

泡沫冬景

気づけば二人の好感度が爆上がりしてたよ。

中国で好評を博した本作が日本に登場。

ビジュアルからは日本の美少女ゲームの影響が多大にあるが、少女売春や出稼ぎなどを扱ったハードなテキストからは斬新さを感じた。

読み応えあるテキストは「Narcissus」などを手掛けた片岡とも氏が担当。後藤邑子さんなど、日中の実力派声優がメインキャストとして参加。

『STEINS;GATE 0』などのアニメ制作に関わった実力派アニメーターWerkbau氏がビジュアルを担当。昭和の原宿を美しく描いている。

主題歌は「ひぐらしのなく頃に」などのテーマソングを歌ったAnnabelさん。

完全にノーチェックだったが、面白そうだなという好奇心は、ゲームを進めるたびに確信へと変わっていった。

フルボイスの「言語の壁」がもたらすもどかしさが魅力

泡沫冬景

この悪い兄ちゃんがいい味だしてんだよな。

序盤を遊ぶ限り、本作には選択肢がなく、ゲーム性はない。あくまでもフルボイスの物語に没入してくれということだろう。

だが、二人の男女、お互いの心情を交互に描写する方法は、もどかしく、すれ違う心情にスムーズに感情移入できた。

中国語のボイスがいい仕事をしている。きっと、中国の方にとっては、日本語のボイスがそういう役割を果たすのだろう。

美しいビジュアルだったので、CGを鑑賞できるモードがあったら嬉しかったのだが、それはわがままか。こまめなセーブで対応しよう。

ゲームの流れ

泡沫冬景

タップで読み進め、右下のメニューで各種操作を行う。

冒頭、セピア色の演出から開ける本編の演出がたまらない。オープニングの歌もよし。

泡沫冬景

ヒロインが田舎育ちでジャージというのもなんだかよい。原宿の人にボコボコになじられる。

いたずらに露出を高くしたり、胸を大きくしなかったキャラデザに拍手を送りたい。

泡沫冬景

もはや絶滅しかけた公衆電話。なんというノスタルジーよ。

絵柄は21世紀でも舞台は1980年。失われた風景を追体験しているのかもしれない。

泡沫冬景ネタバレはしないように心がけているが、二人とも切実な理由をもってこの街にいる。

今彼女たちは生きてたら50歳近くなんだなと思うと、また違う味わいが出てくるね。

泡沫冬景個人的に好きなのがこの中国のお兄さん。悪い予感しかしないぜ。

そう、なんか全般的に漂う不穏な空気がいかにも昭和っぽくていいんだよねー。

「泡沫冬景」の序盤攻略のコツ

泡沫冬景

クリア後には回想モードも追加されたりして。

画面をタップして文章を読み進めるだけなので、ゲームとして難しい操作はなし。

わかりづらいという点ではまだメニューが日本語化してないので、上からセーブ・ロード・オプション・タイトルに戻る、ゲームを終了するだ。

チャプターごとに遊べるので(便利ィ!)気に入ったシーンや読み飛ばしたシーンはもう一度プレイするのもいいかもね。

こまめにセーブを取るのがノベルゲームの楽しみ

泡沫冬景

ちゃんとセーブしないとチャプターの頭から読むことになるよん。

オプションからはテキスト速度や既読スキップ、ボイスの音量を調整できる。なお本作はオートセーブには対応していない。

チャプターごとに区切られてるし、そんなに問題はないのだが、こだわり派の人はご用心。こまめにセーブ。いやー、このゲーム、好きですねー。