Through the Darkest of Times
HandyGames
ターン制ストラテジーゲーム
Android:900円 iOS:860円
ナチスと戦え。1930年ドイツのレジスタンスとなり、絶望的状況に抗う歴史ストラテジーゲームダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
恐怖とリスクが渦巻く暗い時代を生き延びよう
「Through the Darkest of Times」は1933年のベルリンを舞台に、ナチス政権との戦いを描くターン制ストラテジー。
プレイヤーはレジスタンスのリーダーとなり、ヒットラーの独裁に対して反政府活動を行う。
ファシズムが少しずつ国民を侵食していく重苦しい雰囲気を、映像、ストーリー、ゲームシステムすべてで捉えている。傑作だ。
レジスタンスとしてナチスと戦う歴史ストラテジー
ターン毎にナチスたちの真の目的を記載したチラシを配ったり、壁にメッセージを描いたりして妨害活動を行い、情報を集めながら仲間を増やしていく。
だが、ナチス党員に秘密で行わなければ組織は危機に陥る。このシビアな描写がたまらない。
「Through the Darkest of Times」の特徴はの息苦しさを描く表現力の数々
ヒトラーが指導者となってから終戦までを描く。フィルム調の色彩、戦前のジャズ風のBGMなど、雰囲気の良さには枚挙にいとまがない。
「This War of Mine」や「My Child Lebensborn」など、戦争の痛みを「ゲームだからこそ」できる表現で体験できる名作はあったが、本作もその系譜に位置するだろう。
また、第二次世界大戦に突入していくドイツの空気感の描写が凄まじい。少しずつヒトラーに懐柔されていく民衆たち。
ストラテジーとしてだけではなく、歴史的背景を丁寧に描くストーリー描写も多い。かなり丁寧な日本語対応は本当に嬉しい。
歴史ゲームでもきちんと「ゲームとして」面白い
シリアスなテーマ性や演出面だけではなく、ゲームとしての面白さがきちんとあるのが本作の魅力だ。
レジスタンスのモラルや金銭面というリソース管理、そして秘密警察との対決。メンバーが思想の対立などで離脱する苦痛などを、シミュレーションゲームに落とし込んでいる。
モバイル版は文字が小さく、グラフィックがぼやけて見えるところはあったが、それを差し引いても、今プレイすべき作品だと強く感じた。
ゲームの流れ
アドルフ・ヒトラーが首相就任するベルリンで物語ははじまる。
このゲーム、なかなかすごいのが音声を英語とドイツ語で切替可能な点。
各施設にレジスタンスのメンバーを配置し、人員をオルグし、金をカンパしてもらい、ビラを撒いたりしよう。
金とメンバーのモラル(画面左上)に気を使いつつ行動する必要がある。序盤はチュートリアルを参考にするといいだろう。
キャラクターをドラッグしてミッションに挑戦させよう。
キャラクターの性能や参加する人数によって危険度や成功報酬が変化する。
イベントや選択肢が多いのも本作の特徴。大きく運命を変えることもある。
シリアスに史実を描き、ゲームとしても面白い。これは新しいジャンルなのかもしれないな…。
悲劇は容赦なく迫る。我々は、彼らがどのような命運をたどったのか知っている。
だが、彼らの苦難は、誰かに希望として伝わって行くようなものであると思う。
「Through the Darkest of Times」の序盤攻略のコツ
まずは支援者を集めて、金を貯めやすくしよう。毎ターン減っていくけど。ビラ撒きなど、各ミッションは危険度を確認しつつ行うといいだろう。
だが、行動を重ねると、キャラが警察に目をつけられる事もあり、こうなると捕まりやすくなってしまう。メンバー同士で対立することもある。このへんリアル〜。
きちんと5人集め「妨害工作」に成功すると報酬も大きい。まずはストーリーモードを推奨する。
僕たちは世界を変えることができない
歴史に忠実であるという本作の難易度は非常に高い。そして、戦争の結果を変えたり、ナチスの残虐行為全てを防ぐことなどはできない。
無力感を噛みしめるだけのゲームなのか。いやそうじゃねえ。我々も、手が届く親しい人の人生を動かすことは出来るかもしれない。
このゲームで描かれている状況は、日本が置かれている状況と近い気がしてしまう。だからこそ切迫したこの雰囲気をきちんと