或る孤独なひとり
Takamasa Ikeda
探索アドベンチャーゲーム
基本プレイ無料
奥行きのあるドット絵と精細なイラスト。ストーリーが光る2.5Dサイコホラーアドベンチャー。ダウンロード(Android) ダウンロード(iPhone)
ひとりではない人の存在を知ったとき、私は心底孤独になる。
「或る孤独なひとり」はダークな世界観の2.5Dサイコホラーアドベンチャー。
小さな部屋に響く電話のベルの音でひとり目覚める少女。
繰り返す発作に耐えながら、留守番電話に吹き込まれた音声メッセージを頼りに彼女は救いを待ち続ける…。
ドット絵と、3D空間を組み合わせたアーティスティックな2.5Dのマップが特徴。プレイ時間は短めだが、2つの印象的なエンディングを実装している。
ワンマップの擬似3D短編サイコホラー
謎解きなどはほぼなく、マップの中にあるオブジェクトを調べ、ストーリーを進めていくオーソドックスなアドベンチャーとなっている。
難易度は低く、恐怖感薄め、グロなし。ホラーが苦手でも大丈夫。しかしながら、映画のような鮮烈な体験を味わってほしい。これは、刺さる。
「或る孤独なひとり」の特徴は短編映画のような秀逸な病理演出
奥行きを持ったドット絵のマップ。そして時折はさまれるイラストの印象の強さよ。なにより、電話が鳴る不安感を描く演出が秀逸だ。
うつ病や強迫性障害をもっている人の病理を丁寧に、かつ、わかったふりをせず描いていると感じた。
2種類のエンディングはどちらも深く考えさせるもの。10分15分のボリュームは短いからこそ心に残る。そんな短編映画のような作品だ。
オリジナリティある短編映画のような作品
ドット絵やダークな雰囲気に「ゆめにっき」などを思い出す人もいるかもしれない。
だが、キャラクターの精神状況をカットインするイラストが挿入される映像演出。ストーリーも短編ながら、確固たるオリジナリティを獲得している。
作者のハタ イケダさんは自らイラストも手掛け、そしてまだ大学生だという。短編だけじゃなく大作を遊んでみたい!と思わせる、光りまくるセンス。
アプリゲットの高野、激賞します。
ゲームの流れ
精神病棟かなにかなのだろうか。暗く閉ざされた一室。
電話が彼女に語りかける。そこはかとない暗黒Mother感。
十字キーで移動し、調べられるところにいけば調べると文字が出る。
奥行きがある立体感がドット絵にしては珍しい。雰囲気抜群。
手紙を調べるワンシーン。そこはかとないバイオハザード感も。
どうやら主人公は断薬しようと苦悩している最中らしい。
電話がなり、彼女が不安に襲われると画面も揺らぐ。
この精神状態とグラフィックがシンクした表現が見事だ。
電話の主は味方なのだろうか。それとも…?
ここから先は自分で確かめてほしい。10分くらいで終わるのだから。
「或る孤独なひとり」序盤攻略のコツ
フラッシュバックの中にヒントはある。電話がなり、キャラが落ち込む時に制限時間内にとれる行動は限られている。
よく目を凝らせば次に何を調べられるかわかるだろう。だが、すべてを調べれば正しいエンディングにたどり着けるというわけじゃないのだ…。
あの薬はやっぱりダメだよ。
エンディングは分岐する。てっきり、オブジェクトを調べる順番かと思ったら違った。
ネタバレはしないようにしておくので、色々迷ってほしい。でも一応攻略のコツだからヒントは書いといたよ。