償いの時計

一方通行の狂った愛を募らせた「俺」は最愛の女性を手にかけた。

彼女は動かない。彼女は俺を知らない。俺は知っている。俺は彼女を愛している。

なのに、なぜ殺してしまったんだ。

途方に暮れる俺を見かねたのか、街角で怪しい男に声をかけられ、不思議な物を受け取った。

それは「償いの時計」。時の巻き戻し・早送りができるそれを手に、俺は冷たい彼女が待っている家へと舞い戻る。

過去を改変するたびに俺は彼女を追いかけ、拒絶され――

彼女を殺す。

惨劇のループを止めるべく俺は何度も時を遡り、室内に仕掛けられたギミックを作動させ、彼女が生き残る未来を探しはじめた。

しかし、その愛は最初から一方的でとてつもなくどす黒い。

過去に戻るたびストーカーに追われる恐怖を感じ、命を落とすという無限地獄を彼女は味わう。

それと対比するように彼女を生かそうともがき、結果として殺してしまう男の狂気や微かな葛藤も描かれていて、冒頭から一気に物語に引き込まれた。

全体的なボリュームは10～20分程度と少ないが、だらだら続けるよりも最初の緊迫感を残したまま一気に読みきった方がおもしろいと思えるゲームだ。

各所を調べると男の狂気を垣間見ることができ、巻き戻しや早送りをしたときの結果も変化する。

また、通常ENDを一度見ないと他のエンディングに分岐しないようなので最初は彼女を生かすことを第一に考えて行動しよう。

また、画面左下にいるネコに話しかけて広告動画を視聴するとヒントを閲覧できるのでうまく使うといい。