Lifeline 2

始まりは、何処からともなく聞こえてくる少女の「声」からだった。

彼女は両親を何者かに殺され、彼らを助けようと開いた異世界へのポータルによって弟を失ったと言う。

長年の努力の末に異世界に繋がる魔法を行使できるようになったが、それによって「あなた」と邂逅したのだと。

プレイヤーは「アリカ・ランフィア」と名乗る彼女と会話し、その都度出される2つの選択肢に答えて物語を進めていくことになる。

アプリを閉じ、時間を経過させると端末の通知画面にメッセージが表示される仕様なので、LINEなどのチャットアプリ感覚で楽しめるのが魅力だ。

テキストの言い回しについても、良い意味で海外らしくウィットに富んでおり、実在する人物と話しているかのような臨場感を味わえる。

これは原文の魅力をうまいこと日本語に訳している翻訳家が優秀なんだと思う。

他愛のない会話や命の危機が迫る瞬間、アリカと共に様々な体験をすることで物語の全容が少しずつ明らかになってくる。

シナリオのおもしろさも然ることながらマルチエンディング形式であり、前作の2倍のボリュームがある非常に遊びごたえのあるデジタルゲームブックになっていた。

エンディングのどれかに到達すると過去のシーンを遡ることができ、既読部分もスキップできるようになるため一度クリアしてから周回プレイをするのがオススメだ。

アリカとの会話には物語に関係のない雑談も含まれるため、サクサク遊びたいなら1周目は彼女の行動の本質をつく問いを投げ返して展開を早め、どれかのエンディングに辿りつく。

人となりを感じられる雑談やその他のエンディングは2週目以降に楽しむといい。