THE KING OF FIGHTERS '97

草薙京とライバル八神庵の愛憎を軸に、餓狼伝説や龍虎の拳、サイコソルジャー・怒などSNKの名作から総勢35キャラが参戦。3vs3のドリームチームを組めることで話題になった。

94年から続くシリーズ3作品目の今作ではオロチシリーズ完結編と銘打ち、ファン投票により選ばれた97スペシャルチームや、草薙京の弟子、矢吹真吾、謎のニューフェイスチームの参戦が話題となった。

超必殺技が全キャラに2つ以上実装され、攻撃的なアドヴァンスモードと、シンプルなエキストラモードの2モードを実装した。

移植版の今作では隠しコマンドを入れずとも隠しキャラを使えるのが特徴だ。

エヴァの如く暴走する庵がゲーセンで猛威を振るった1997年にタイムスリップだ！

評価点は「緊急回避」「ふっ飛ばし攻撃」ボタンを設置した6ボタン操作の設定が可能な点。スマートフォンでの操作に特化するため、体力ゲージをタッチして超必殺技を出したり、ワンタッチで必殺技が繰り出せるSPボタンの設置が可能だ。

だが！

コマンド簡易入力が甘い今作ではSPボタンを押しても任意の必殺技が出なかったり、超必殺技が暴発してしまうことが多い。

もちろん外部のコントローラーがあれば評価は見直されるだろうが…。

また、隠しキャラが使えることもあってか、今作のゲームバランスはとてもラフだ。即死連続技やガード不能な連携を持つ強キャラと、弱キャラの格差は非常に大きい。

BGMも環境音のみが多かったり、勝利後のセリフがカットされるなど演出も劣化している。

それはシリーズ最高傑作と名高い次作、KOF98で改善されたのだが。ただ、設定中などにイラストが見れるなどファンサービスも大きい。

思い入れ深いゲームなだけに、そこは激しく残念なところだった。

先日iOS用のゲームパッド発売がアナウンスされたばかりだが…。Xperia Playなどの物理コントローラーを使用すれば、アーケードさながらの移植度なため、このゲームの魅力は輝きを数倍増すだろう。

KOF97では必殺投げが凄まじく強いため、鉄人・大門五郎や、連打技もあり攻撃力が非常に高いチャン・コーハン、隠しキャラである「乾いた大地の社」あたりが超強い。

主人公よりも性能が高い八神庵や、パワーチャージからの永久コンボまであるテリー・ボガードも凶悪だ。筆者の持ちキャラは餓狼伝説3のボスとして現れた喧嘩殺法の達人、山崎竜二だが…。砂かけ→蛇使いキャンセル→砂かけ…ドリルを決めたときの爽快感は異常！

ヒェア！

時はまさに世紀末。僕は14歳だった。まさに中二病真っ最中。

FF7発売。初のフジロック開催、ワンピース連載開始、酒鬼薔薇事件。河村隆一のソロ活動、X Japan解散、GLAYの青いベスト盤、たまごっち＆デジモンブーム。

バタフライナイフ流行、そしてKOF’97にてオロチ編が完結。

師弟関係にあった宮崎駿「もののけ姫」の「生きろ。」と庵野秀明の劇場版エヴァ「みんな死んでしまえばいいのに」という対比が鮮烈だった。

ゲームで言うと、個人的超名作ブシドーブレード、サガフロンティア、悪魔城ドラキュラX月下の夜想曲、Moon、ダイナマイト刑事、SNKでいうとローディングが伝説的に長い「真説サムライスピリッツ武士道列伝」ロックマンX4、クーロンズゲート、アランドラ、というナイスゲームもこの年に発売されている。

中学時代は地獄だった。懐かしがるような時代ではなかった。でも、いくらか未来が好きになる。そんな気がしていた。