「1379兆通りの戦略が10秒で味わえる」というキャッチコピーで期待を集めている新作RPG『アルテイルクロニクル』。現在、事前登録数は20万を突破しています。
「アルテイルシリーズ」等を中心に、これまでブラウザゲーム等を多く手がけてきたコアエッジが、スマホアプリゲームに初めて本格参入する作品です。
どんなゲーム内容なのかは下の記事で紹介しているのでゼヒご覧下さい。嬉しいことに、開発者のお墨付きまでいただけました。
【先行プレイ】1379兆通りの戦略が10秒で味わえるってホント?新作RPGを遊んでみた!(関連リンク)
そして今回、本作の開発に根本から携わる……どころか、彼らこそが作品を創り上げた張本人とも言えるお二人に話を伺えました。
プロデューサー:大川 祥吾氏(写真右)
エグゼクティブデザイナー:田口 博之氏(写真左)
裏話も含めてドップリと興味深い話を聞かせてもらえたので、本記事では作品の真髄にまで迫るインタビュー内容を記していきます。
映画監督を本業とされる方がゲームの基盤の全てを造っていた
――本日は宜しくお願いします。初めに、プロデューサーを務められた大川さんはどのような作業を担当されたのでしょうか。
大川 祥吾氏(以下、大川氏) 宜しくお願いします。僕は作品のコンセプト、方向性に、世界観や11人の巫女が出る要素のような骨組みとなる作品の設定イメージ殆どを考案しました。
大川 祥吾氏(以下、大川氏) もちろん形にしていく上で理想に近づけるよう指示したり、僕自身が演出のモーションデータ作成など開発に直接加わる事もありました。
――アルテイルクロニクルの原型は大川さんの頭から生み出されたのですね。
――実はゲームプロデューサーとは別に、映画監督もされていると伺ったのですが。
大川氏 そうなんです、映画監督をやっていまして。実はこちらが本業だと周りには言っています(笑)
大川氏 仮面女子(地下アイドル)が出演する「鬼魔愚零アンダーグラウンド」や、ミュージカル映画などを作っています。「サムライオペラ」の時なんかは英語を極自然に喋れて、なおかつ歌も上手い役者さんを探したので大変でした。僕自身は英語全く喋れないんですが(笑)
田口 博之氏(以下、田口氏) この人ホントに超人で、寝ないんですよ。ゲーム一本の僕よりよっぽど働いてるくらいで(笑)
――(笑) 物事には強いこだわりを持って取り組まれるのですね。
大川氏 ゲーム事業としては7年ほどケイブで勤めた後、コアエッジに入ってからはPCブラウザゲームの全体的なマネジメントをやっていました。
大川氏 本作はネイティブアプリなので仕様が違い大変でしたが、ゲームとしての根っこの部分はコンシューマーの時代から変わらないのでその辺りを大事にしながら開発を進めました。
――ゲーム業界にも長く携わられているのですね。映画造りをされている方々がゲームも造るというのは、違った視点がありそうで興味深いです。
アーケードゲーム等でも有名な方が具体的な形作りをしていた
田口氏 大川とゲームの考案についてひたすら語り明かした後、僕がアウトプットしていく形となりました。キービジュアルとなるイラストの作成やUIなど、全体的なデザインはほぼ全て自分です。コアエッジに入ったのは今年の4月からで、そこから本作に取り掛かる形となりました。
――お二人の関係を見ていると、もっと長い付き合いをされているのかと思いました。
田口氏 語り合った時、この人なら大丈夫だと感じたんですよね。そこからはお互い結構自由に進めさせてもらったんですが、かなり密なスケジュールになりました。大変でしたが、作品のイメージはしっかりあったのでやりやすかったですね。
田口氏 ここに来る前はセガで勤めていて、「アヴァロンの鍵」といったゲーセンに置くアーケードゲーム等を作ったりしました。後はパチンコ業界にも関わっていました。
大川氏 彼の技術は本作でも大いに活かしてもらっています。固定ファンも多くて、オフラインイベントが開催された時なんかはいつも参加者からお酒を持って来られたそうで。
田口氏 呑みキャラが板についてしまってるんですよね。帰る時にはもうフラッフラになっちゃうくらいで(笑)
田口氏 とは言いつつ、昨日の夜も2、3本程ロング缶のチューハイ開けつつこのイラストを描いてたんですけどね。
――しっかり呑まれてるじゃないですか(笑) お好きなんですね。
サイバーチックなデザインは随所にこだわりが詰め込まれていた
――本作は近未来的でスタイリッシュなビジュアルが特長的だと感じました。
田口氏 大川が映画「インターステラ」からインスピレーションを受けていて、デザインはサイバーチックな方向で行こうという話になりまして。
田口氏 ストーリーは神が時間を飛び越える展開になるので、時間の重なりを本作ならでは。という形で表現しました。他にもUI全般や、選択肢の矢印とかの素材も同じデザインで統一し、文字フォントも個別に作っています。
田口氏 こういった一目で伝わるビジュアル面は遊んだ時の第一印象に大きく関わるので、かなり力を入れましたね。
――ハデというか、豪華さもあって一味違った印象を受けます。
スキルリボルバーも最初はただのルーレットだった
大川氏 セットされた5つのスキルから選ばれる「スキルリボルバー」システムも、最初はただスロットが回るシンプルなものを考えていました。RPGとしてのゲーム性は決まっていたんですが、良い具体案は思い付かなくて。そこで田口が今の形にしてくれました。
田口氏 横回転だったり色んなパターンを用意しましたが、手前に飛び出してくる今のが一番かなと。ロシアンルーレットみたいな感じで、狙ったスキルが選ばれた時に嬉しく思えるような演出にしました。
――見応えと迫力があってありますね。ギュルルル…ガシィーン!というSEも合わさって気持ちの良い演出になってると思います。
11人にも及ぶヒロインが登場する理由について
▲一人一人に個別の世界設定が用意されている
大川氏 作品造りにあたって、目を引くような嬉しい要素が欲しいと思いまして。そこで11人のヒロインを登場させることにしました。僕的には本作で彼女らは必須な存在になっています。
田口氏 ストーリーもちゃんと用意して、時空を超えるので世界観もストーリーもそれぞれ異なるということで、初期の早い段階でゲーム的にとても厳しくなりそうでした。ですが、そこは大川が「こだわりたい」となったので。
――そのヒロイン、11人の巫女が必ず悲劇に遭って殺されてしまう。その悲劇から救って未来を変えるという展開も衝撃的でした。
大川氏 今の時代、スマホアプリって沢山世に出ているじゃないですか。その中で遊んでもらうにはやはり分かりやすいエンタメ性が欲しいと考えて、ありきたりじゃない一癖ある世界観にしました。
それぞれの巫女キャラへの「愛」が尋常では無かった
大川氏 今でこそ巫女は11人ですが、考案の段階ではもっといまして。スク水を着たキャラとかもいましたが、選び抜かれた11人を作成することになりました。
田口氏 キービジュアルは自分が描いているんですが、それぞれの巫女キャラには個別で担当がいまして。色んな人が我が娘のようにキャラを練り上げてくれました。ですがその分こだわりも強くて。
田口氏 大川なんて、自分の担当キャラ3人くらいに「もっと脇見せて!」と指示を出したら満足そうに帰って。で、修正してたら「もうちょっと……」と張り付かれました(笑)
田口氏 このキャラなんかも色々ありまして、修正の時に担当から大ブーイングされたり(笑)
田口氏 結局は小物をゴーレムから少女らしいシャボン玉に変更したんですが、担当も気に入ってくれたようで。今ではPCのデスクトップ画像に設定しています。
――まるで愛娘のように育てられたんですね。そのキャラ達が悲劇に遭うというのは、とても複雑そうですが。
大川氏 そこは、面白そうであるのが一番ということで(笑)
田口氏 僕自身も躍動感とか、どんな風にしたら印象強いかと考えつつ、エフェクト重ねたり。色んなシチュエーションやキャラを描けたので大変でしたけど楽しかったです。
田口氏 色塗りは外部の業者に依頼したんですが、先方にも楽しんで作業してもらえたようで。ノリノリでパーツを追加してくれる事もありました。
――皆さん楽しまれながら造って、個性的な11人のキャラ達が完成したのですね。
全ての要素は、奥深いゲーム性を味わってもらう為の後付だった
▲巫女以外のキャラクターも様々な世界観を持っていて特長的
大川氏 実は、今までの11人の巫女やデザイン面へのこだわりは、最初はここまで頑張ることは予定していませんでした。こういった要素は後付なんです。
――それは意外です。派手なビジュアルをメインに意識して造られた面もあるかと思っていました。
大川氏 当初は対戦がメインで本当にカードゲームのようなシンプルな作品になる予定でした。でも、それだけじゃつまらない。そこでストーリーモードや、11人の巫女キャラ達をナビキャラとして使える機能、ビジュアル全般もサイバーチックで特長的に。
大川氏 最初は「手軽で奥深く遊べるゲーム」として思いついたので、それが色んな人に楽しんでもらえるように目玉要素で作品の肉付けをしていきました。
田口氏 ゲームシステムや面白さには自信があったので、後は如何にカンタンに楽しめるか、と敷居を下げるような形になりました。
――ビジュアルや巫女といった面も魅力的ですが、根本にはゲームとしての面白さを大事にされているのですね。
ここまで制作過程や、主にビジュアル面へのこだわりを語ってもらいました。多方面で活躍しているクリエイターが1つの作品を作り上げていて、各人のこだわりが本作をより特長的にしていったという印象を受けました。
中でも一番驚いたのは、これらはあくまでゲーム内容をより深く楽しんでもらう為の後付要素であった事。インタビュー後編では、本作のバトルシステムといった内面へと踏み込ませていただきます。
■後編へのリンク
https://appget.com/c/game_topics/214960/alchro-10/プログラミングプログラミング
■公式ページ
https://www.alchro.jp/
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