ステルスゲームの元祖。
MSXの低スペックを逆手に取って生まれた名作。
それが―――
「メタルギア」
ミリタリーゲームのリアル化の先駆けとなった「かくれんぼゲーム」を特集していこう!
今すぐ、MSXの電源を切れ! byビッグ・ボス
初代「メタルギア」って?
「メタルギア」は、1987年7月13日にMSX2用に発売されたミリタリーステルスゲーム。
メタルギアシリーズの第1作目にして、小島秀夫さんの初監督作品。
ソリッド・スネークがFOXHOUND隊員としての初任務として、アウターヘブンに乗り込むというモノ。
メタルギアサーガの起点となる「アウターヘブン蜂起」が描かれる。
あくまで潜入任務であり、敵に発見されないように任務を遂行するという、ステルスゲームの先駆けとなった。
「メタルギア」開発秘話
ハードスペックと開発指示
MSX2というのは、基本がパソコンであり、ゲーム機としての性能はあまり高いとは言えないモノだった。
画面上にキャラクター、ひいては敵弾などを多数表示する程のスプライト性能は無く、アクションゲームをプレイする環境としては心もとないスペックだ。
だが、小島監督に言い渡された開発指示は―――
ミリタリーアクションの開発
つまり、バリバリのアクション。
それも当時はアーケードゲームなどでもスプライト機能を使いまくったような弾が飛び交うアクションやシューティングが主流。
上層部としては、そういった戦闘するゲームを求めていたのだろう。
ここで小島監督は、発想を逆転させる!
「戦闘シーンを作ることが困難なら、戦闘シーンを回避すること自体をゲームにすればいい」
この構想は、「敵から逃げる」というネガティブ思考ではなく、「敵から隠れつつ先に進む」というアクティブなシステムの誕生につながった。
特に海外での反響があり、海外独自のメタルギアの続編が作られる程だった。
更にそれを受けて、小島監督自らの指揮の元で正式な続編である「メタルギア2」の制作もされるコトとなっていく。
ファミコン版という黒歴史
1987年12月22日に発売されたファミコン版。
しかし、これは小島監督が関知しないFC事業チームによる開発だった。
マップや敵の配置などがMSX版とは違うモノになっているだけでなく、マップの移動経路で絶対に敵に見つかってしまう配置があったり、作品タイトルであるメタルギアが名前のみで登場しなかったり、オリジナルの要素でメタルギアとアウターヘブンの管理をするスーパーコンピューターと戦うコトとなったり、色々と問題があった。
特に敵兵に必ず見つかってしまう配置がある点は、ファンにとっては許すコトができないバグ扱いを受ける。
また、敵兵に発見された際の「!!」が無かったり、フライングアーミーが飛行できない等々、お粗末な感じ。
更に小島監督自らがトークショーやラジオの番組で「あれはやらないでください」「僕が携っていないFC版『メタルギア』は糞ですよ、糞」と発言したコトが話題にもなった。
だが、北米でヒットしたのはこのFC版(NES版)なのは、何か微妙なモノを感じる。