ダンジョンRPGの原点とされる「ウィザードリィ」は、シビアなゲームシステムとダークなファンタジーの世界観で人気を博した名作。
1981年にアメリカのSir-Tech社からAppleーⅡ用のゲームソフトとして発売されたダンジョンRPG。
当時としても完成されたシステムで、後のコンピューターRPGに大きな影響を与えたソフトだが、その登場人物たちは開発者の名前をもじったモノがある。
その中でもマーフィーズゴーストも実在の人物で、尚且ついやがらせやジョークのつもりで登場していたコトを知っているだろうか?
悲運のモンスター、マーフィーズゴーストとその他の開発者そのものの名前を持つキャラクター達を特集していこうと思う。
ささやき…えいしょう…いのり…ねんじろ! by教会での復活
ウィザードリィって?
現在RPG全ての始祖
コンピューターRPGの始祖である「ウルティマ」同様に、テーブルトークRPGを元に作られた経緯のあるダンジョンRPG。
テーブルトークRPGは、キャラクター一人ずつ、一人のプレイヤーが演じ、シナリオやモンスターの動作などプレイヤー以外の部分をゲームマスターが担う。
このゲームマスターの部分をコンピューターに代用させる発想が、全てのコンピューターRPGの原点。
そして、この「ウィザードリィ」という作品はコマンドRPGの始祖にして、完成形だった。
「ドラゴンクエスト」シリーズや「ファイナルファンタジー」も、元々はこの「ウィザードリィ」の戦闘システムの模写から始まっている。
つまり、現在の日本のRPG、JRPGと呼ばれるすべての原点は、この「ウィザードリィ」にあるといって過言ではない。
開発者の名を持つ登場人物たち
開発者で有名な人は二人.
メインデザイナーのロバート・ウッドヘッド(Robert Woodhead)と、アンドリュー・グリーンバーグ(Andrew C.Greenberg)だ。
そして、第一作であるシナリオ#1「狂王の試練場」の重要な登場人物、狂王トレボー(Trebor)と魔術師ワードナ(Werna)は二人の名前を逆に綴ったものだった。
こういった開発者の投影とされるキャラクターは、有名なモノは「ウルティマ」の最強国王「ロードブリティッシュ」が有名だ。
当時の作品では、結構多く日本の作品でもパスワードに開発者の名前や、スペシャルサンクスが入ったものがあったり、住人として登場したりするものもあった。
いたずらで生まれた
「マーフィーズゴースト」
開発時、制作者たちは大学生だったコトもあり、かなり色々と遊び心溢れる制作秘話を残している。
その中の一つに、ダンジョンの形状が彼らの通っていた大学の間取りを簡易化して反転させたものだったらしいというもの。
ファミコン版などでは、ダンジョンも改変されてオリジナルのモノになっている為、その面影はないとのコトだが、AppleーⅡ用として一般販売されたものはそのままのマップだったとか。
そして日本好きの制作者たちは日本の武器を取り入れようとして、「MURASAMA BLADE!」という武器を生み出したわけだが、よく見てもらいたい。
有名な「村正」だと思うじゃない―――?
これ「ムラサマ」じゃねぇか!初期のwizの表記はコレだった(実話)。
さてさて、いよいよここから「マーフィーズゴースト」の話になるわけだが、これは想像以上に酷い話で―――
嫌がらせというか、イタズラでマーフィーさん(実在)に知らせずにプログラムしておいたモノだった。
このマーフィーさん(実在)は、ロバートさんやアンドリューさんの友達で、ちょっといじめられっ子だった過去を持ついじられキャラ。
wiz開発当初もテストプレイヤーとして開発に参加していたのだ。
ここまでなら軽いジョークで済むかもしれない。
この話には、本当ならかなりヤバい逸話があり―――
「マーフィーズゴースト」の出現位置(固定)が、当時の大学で言うところのトイレの場所。
しかも、マーフィーさん(実在)が便所メシをしていた場所そのままだったというのだ。
……これを見た時のマーフィーさん(実在)はどういう気持ちだったのだろう?
今となっては笑い話になっているかも知れないが、やはりこういうのはダメだと思うのは筆者だけかな?
ともあれ、名作「ウイザードリィ」の名物となった「マーフィーズゴースト」だが、こんな逸話があるキャラだとして見ると……、ちょっと倒すのをためらったりしちゃわないか?
まぁ、経験値の為に倒しまくるんだけどね―――。
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