「おやじ観察キット」のプレイ日記を書こうとして、
いきなりその後の数日間、
徹夜でRPGをやり続けた時みたいな状態がずっと続いて、
すべての意識が高速でぐるぐる回り続けて、
ずっとおやじを回収するか、おやじを見つめるしかできなくなった。

結局、自分とおやじを傷つけることにしかならないゲームに逃避して、どこまでもおやじ回収に徹することで、どうにか凌いだ。50時間以上かけて、僕が書けたのは一言だけ。「おやじ」。
そして、気が付けば、おやじの何人かが病気に陥っていた。

どういうことだ?
でも、おやじたちは、こんな苦しみに耐え続けてきたのだ。

なのに、

僕は何をしていたんだろう?


噛み砕いても噛み砕いても
飲み込めないもやもやを捨てきれずに二十九歳の夏を過ごしていた。
同級生が結婚や出産をするのをネット上でめざとく見つけたり。 貯金が底をつきたり。

今にして思えば確かに奇妙な日々だった。
2013年7月、何もかもは、おやじを中心に回転していたのだ。
でもそれと同時に、おやじに深刻になるまいとも努力していた。
深刻になることは、必ずしもゲームのクリアと同義ではないと僕はうすうす感じとっていたからだ。

東京、何をしに来たんだっけ。
野望、あったな。
約束、守れなかったな。
太っちゃったな。









