メビウスの心臓

メビウスの心臓

パブリッシャー gunsturn app Lab.

ジャンル ビジュアルノベル・サウンドノベル

価格 基本プレイ無料

過去の自分を、殺す。タイムトラベルを繰り返す男の運命を描く音と文字だけのノベルアドベンチャー

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メビウスの心臓

テキストとBGMのみでお送りするシンプルなノベルゲーム。

時を彷徨う果てに得るものとは?

「メビウスの心臓」は「過去の自分」を殺すためタイムトラベルした男を描くノベル・アドベンチャー。

死ぬ気で勉強し、タイムマシンを作り上げた主人公が、タイムスリップした先で数奇な運命が待ち受ける…。

イラストもない、音と文章だけのシンプルなノベルゲームだが、読後感がよい。短編小説のような気持ちでプレイできる掌編アプリだ。

1時間で遊び尽くせるノベルゲーム。

メビウスの心臓

白黒の画面だからこそ、なんか妙に想像力を煽る。

選択肢を選ぶだけのアドベンチャーで、1時間ほどですべてのエンディングに到達できる

無料・広告無しで最後まで遊べる。

繰り返し読むうちに選択肢が増えていき真実にたどり着けるようになっている。このしくみが見事だ。ついつい最後まで一気に読み進めてしまった。

「メビウスの心臓」の特徴はゲームだからできるループ構造の魅力

メビウスの心臓

選んだ選択肢が青く選ばれるのもいいね。

ネタバレしてしまおう。いや、物語のネタバレはしない。本作は何度もタイムスリップし、試行錯誤を繰り返す「ループもの」の体裁をとっている。

主人公が苦悩し、あるときは失敗し、繰り返すうちに真実に気づき、ループを脱するために成長していく。

ループしてもがき、やがて真実に向き合っていく姿は、ゲームで強敵に敗北し、コンティニューし、勝利する成長の喜びに近いような気がする。

音とテキストだけのノベルゲームではあるが、このループ構造こそが本作を魅力的な作品たらしめている。

繰り返す事で選択肢が増えていき真実に近づける

メビウスの心臓

BGMは使いまわしが多かった気はするけど仕方ないか。

構造的に同じ文章を読み直すことになるのだが、次々と選択肢が増えることにより真相に近づけるようになっている。

既読スキップができるのでテンポよく読み進められ、スムーズに真のエンディングにたどり着くことが出来る。

レビューではネタバレはしないようにつとめているが、先の展開が読めてしまったのは自分がひねくれているからだろうか。でも面白かったので新作にも期待したい。

ゲームの流れ

メビウスの心臓

ユニークなのは、ゲームスタートのメニューがだんだん変化する点。

最初は「時をもどり、殺す」だったのが変化していく。

メビウスの心臓

シンプルな画面に「リアルサウンド 〜風のリグレット〜」を思い出してしまったおれはもうアラフォーだ。あれは音だけか。

開発は「IllustChainer」などもてがけたガンズターンさん。けっこう新機軸を感じますな。

メビウスの心臓

ほら、何度かループしているうちに「探して、殺す」になった。

これはヒントにもなっているので目的を把握するのに活用するといいだろう。

メビウスの心臓

ループする物語。古くは「火の鳥」「うる星やつら ビューティフル・ドリーマー」、21世紀では「 CROSS-†-CHANNEL」「魔法少女まどか☆マギカ」。

枚挙にいとまがないほどにループ構造はアニメ・ゲーム文化(それ以外のカルチャーにも!)に取り入れられた。

メビウスの心臓

それはなぜか?俺たちもまた、終わらない日常というループ構造の中で彷徨っているから…なんて薄ら寒いポエムを言うつもりはない。

だが、なんにせよ挫折の果てに真実にたどり着く物語に俺は胸を打たれる。本作もその一つだ。ぜひ読んでみ。無料だし。スタミナとかないし。

「メビウスの心臓」の序盤攻略のコツ

メビウスの心臓

青い文字はスキップ可能。

一度読んだことのあるテキストは「青文字」で表示されるので、その時は画面内の「Skip」ボタンをクリックすればスムーズに進められる。

難しい謎解きは殆どないに等しいのだが、最後の謎ときに関しては、逆に、今まで選ばなかった選択肢の方に再び行けば真実に近づけるだろう。

作者に支援を

メビウスの心臓

あ、一応攻略のコツとしてこのセリフよく読んでみて。

もし真のエンディングまで到達した後、少しでも楽しかったと感じたら、作者へジュースや牛丼でも奢る気持ちで、アプリ内から「支援(課金)」してみたっていい。

それがいやなら、「メビウスの心臓」面白かった、とツイートするのだけでもいい。0円でできる行動で世界は変わる。…かもしれない。

このレビューだって、作者がまた面白いゲーム作ってほしい、そんな気持ちで書いている。

みんなの支援が、作者の心を震わせ、ふところを潤わせ、追加のストーリーが制作されるかもしれない。

むしろ、自分もこういう風にシナリオを書いてゲームつくりたいわ。そんな気持ちにさせてくれた一作だった。