「暴走列伝 単車の虎」他社と真逆を行く常識はずれの成功法

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執筆者:編集部

ソーシャルアプリ情報誌「アプリスタイル」のY氏と話をしていた時、あるゲームについて大いに盛り上がった。Google playの売り上げランキング、App Storeの売り上げランキングで常に上位をキープし続けているゲーム「単車の虎」だ。

暴走列伝 単車の虎

暴走列伝 単車の虎。

「単車の虎」は、1970年代に流行った「改造バイク」を題材とし、プレイヤー同士やチーム間のバトルを行って資金を稼ぎ、3DCGのバイクアバターをカスタマイズしていくゲーム。

2011年1月にモバゲータウン(現mobage)に公開された単車の虎は100万人を超えるユーザーに支持され、2012年1月にAndroid、同3月にiPhone版をリリースした。

Android版、iPhone版ともに、ソーシャルゲームプラットフォームに依存せず、まったくの独立アプリとして提供をしている。

予想外だった大成功

きれいなオフィスですね!

竹内氏:

そうですね。実は12月に移転したばかりなんですよ。単車の虎以前は全部で10名くらいだったんですが、今は60名ほどにまで増えています。これでもスペースが足りないので今拡張を検討しています。

株式会社 Donuts 竹内力(たけうち ちから)氏

株式会社 Donuts 竹内力(たけうち ちから)氏。

その単車の虎なんですが、実はリリースされた時はまったく注目していなかったんです。。。

竹内氏:

僕らもまさかこんなにお客さんがついてくれるとは思わなかったですね。その前に作っていた2本が良くなかったですし。でもじわじわとお客さんも増えてくれましたね。

「ニッチ」、「カスタマイズ」、「3D」

どういったきっかけで「単車の虎」は生まれたんでしょうか?

竹内氏:

まずある程度ターゲットは絞って「ニッチなところ」を攻めようというのは決めていました。その中で他社さんのゲームをいろいろ分析した結果、競合が少なかったのでヤンキーものを作ることに決めました。

あとは、パーツが豊富にあって、いろいろな「カスタマイズ」ができると面白いんじゃないかと思って「単車」がキーワードになりました。

それから、社内に3Dグラフィックが得意な人間が1名いたので、パーツはすべて「3D」で行くことにしました。今でも1つ1つ3Dモデリングで作ってるんですよ。パーツ数で言うと1500以上ありますね。それにカラーバリエーションもあるので1万パーツ以上は確実にあります。

すべて3Dでつくられたパーツ類

すべて3Dでつくられたパーツ類。

バイク雑誌やマンガでリアリティを研究

世界観のリアルさはどうやってだしているんですか?社内に元ヤンな方がいらっしゃったりするんですか?

竹内氏:

雑誌のバックナンバーを200冊くらい買ってきて研究しましたね。世界観を壊したくなかったのでキャラクターのしゃべる内容などにも注意しています。一時期、実際になさそうな目立つパーツをつくったこともあるんですが、やっぱりリアリティのあるパーツが好まれていますね。自分が持っているバイクと同じようにカスタムしたいという方もいらっしゃいます。

本棚に置いてあった書籍

本棚に置いてあった書籍。

開発にはどれくらいかかったんですか?

竹内氏:

正確には覚えていないんですが、2か月くらいですかね。とにかく早く出そうとしていました。

広告はバイク雑誌に

mobageとは完全にデータを切り離してAndroidとiPhoneに出されたので、ユーザーは一から集めることになったと思うのですが、最初のユーザーの入りはどうだったんですか?

竹内氏:

モバゲーでの告知は一切していないんですが、以前から当社のゲームを使われていたユーザの方が、見つけてくれて、徐々に増えていきましね。

ろくろまわしならぬ、スロットルまわし

ろくろまわしならぬ、スロットルまわし

アプリをされているユーザーさんの層とうちのゲームの層ってなかなか一致しなくて、現実にもバイクにのっている方が多いんですよ。そういった人の方が知識がある分、バイクのカスタマイズもできるんです。

私はユーザー対応もしていたんですが、「アイテムが入らなかった。お前のとこ乗り込むぞ。」みたいな電話があったこともあります。

それだけ熱心なお客さんだなということをすごく感じるので逆にありがたいですね。

あとはソーシャルメディアでの共有機能も積極的につかって頂けていますね。

ではほとんどプロモーションコストはかかっていないんですね

竹内氏:

正直かかっていないですね。

タイマン

タイマン。

人気が落ちない秘訣①ユーザーは甘やかさない

おどろきなのが売上ランキングの上位を常にキープされていることなんです。人気が落ちない秘訣はいったいどこにあるんでしょうか?

竹内氏:

社内ではよく「甘やかさない方が、ユーザーにとってはいいんじゃないか」と言っています。難易度が高いほうが良いということなんですね。「なんで倒せないんだ!」ぐらいのほうがゲームとしては長続きすると思っています。

バランスが難しいのではないですか?

竹内氏:

結構、感覚な部分が大きいですね。一応数字の動向は見て修正はしていますが。

あとは高レベルユーザーがレベルの低いユーザーをたたきに行くこともできるようにしています。ある程度レベルがあがってしまうと敵がいなくなってしまうんですよね。それだとあまりにも面白くないだろうということで。

これが意外といい方向にはたらいていまして。やられた側はくやしいからレベルをあげて逆にたたきに行く動きがうまれていますね。

人気が落ちない秘訣②イベントはひとつのゲーム。使いまわしはしない。

竹内氏:

あとは、ほとんどのイベントは使いまわしはせずに新規で起こすことにもこだわっていますね。そのせいで開発がおくれてしまうこともあるんですが。

もう、一個のゲームをもう一回つくるような勢いですね。だいたい2週間から3週間でひとつのイベントを作っています。

新規タイトルは準備されているんですか?

竹内氏:

スマートフォンのタイトルが2つ、フィーチャーフォンのタイトルが2つ制作中です。
採用もどんどん行って10チーム以上は作っていきたいと思っています。

最初のタイトルはいつごろ出せそうですか?

竹内氏:

まさにリリース直前なので、今何チームかが頑張ってますよ。

楽しみですね!期待しています!本日はありがとうございました!
単車の虎
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.ne.donuts.tanshanotora

株式会社Donuts
http://www.donuts.ne.jp/
(採用も積極的に行っている)

執筆者: 編集部