昨年8月にiOS版をリリースしてから瞬く間に200万DLを突破した「モンスターストライク」。
アクションゲームとしての完成度と、その場にいる友だちと最大4人で同時プレイができる点が人気を博し、ミクシィの株価にも大きな影響を与えつつ、すっかり売上げランキングの上位に定着。
そんなモンストに込められた願いと野望に迫ります!
インタビューさせていただいたのは株式会社ミクシィモンストスタジオプロデューサーの木村弘毅氏と、ストリートファイターなどで知られる元カプコン役員の岡本吉起氏。
それでは、どうぞ!
目次
2009年のmixiアプリが最初の出会い
―はじめまして!本日はよろしくお願い致します。さっそくなんですが、お二人の馴れ初めを伺ってもいいですか?
岡本:ミクシィさんがmixiアプリを立ち上げるということで、それを一緒にやりたくてお会いしたのがはじまりでしたね。
木村: mixiアプリのたちあげの時なので2009年ごろですね。
企画は2012年12月から
―モンストの企画はいつ頃から?
木村:僕が前にやっていたプロジェクトがあったんですが、前のプロジェクトが終わって、ちょうど新しいプロジェクトを立ちあげなきゃな。。と一昨年の12月くらいに企画をはじめて、1月くらいには事業計画書いて、開発会社さんを何社かあたり出しました。
それが2月でしたっけ?
基本コンセプトに共感「それだったら!」
岡本:2月ですね。興味あるか聞かれて。
基本コンセプトを頂いたんですが、そのコンセプトをすごい気に入ったんですよ。
もともとmixiのヘビーユーザーだった理由っていうのがまさにそこだったので。「あ、それだったら!」って。
木村:「友達と実際に集まって遊べるゲーム」というのがコンセプトですね。
ソーシャルゲームって、名前の割にあんまりコミュニケーションの要素が無かったので、友達と集まってワイワイ楽しめるゲーム作りたいと思ったんです。
岡本:技術的なハードルを度外視すれば「素晴らしい!」と思いましたね。
mixiってリアル友達だけでちょっかい出し合うじゃないですか。あれと同じ感覚だって言われたのでそれだったらぜひ!と。
木村:トランプとかでもそうですし、「その場にいる友だちと遊ぶ」って、原始時代から変わらずやってきたことだと思うんです。
だからそこに絶対ニーズはあるとは思っていたんです。
―それがしっかり受け入れられているようですね。
木村:手応えは感じていますね。もっと伸ばせるとは思っているんですが・・・
岡本:喜んでいる場合では無いですよね。
木村:最終的にはやっぱり200億ダウンロードくらいはいきたいですね。
岡本:地球何周するつもりだよ(笑)
「集まってやるゲームが大好き」
―ユーザー層は?
木村:統計はとれていないんですが、ツイッターとか見ていると学生さんはかなり活発につぶやいていますね。
「クラス全員やってる」とか。
やっぱり一緒に集まれるのって学生さんの方が多いですしね。
そもそも僕が集まってやるゲーム大好きなんです。学生時代にゲームにはまったのはすごくいい思い出ですね。
ストⅡとかもゲーセンにずっとたむろして波動拳の出し方とかアッパー昇竜をどうやってやるのかとか友達と集まってひたすらやっていて。
ウイイレとか桃鉄とかパワプロもそうですし。
それが無かったら僕東大いけてたと思うんですけどね(笑)
岡本さんのおかげで小銭がどんどん筐体に吸い取られていって・・・。
岡本:いい話になってへんやんけ!金巻き上げられた話になっとるやないか(笑)
木村:でもゲーセンって今全然無いですよね。どんどんなくなっちゃって。
だけどスマホってゲーセンをみんなが持ち歩けるみたいな感じじゃないですか。
みんなで遊べる持ち歩けるゲーセンを作りたかったんですよね。
スーパープログラマーとミクシィのサーバー技術の存在
―技術的には相当壁があったんじゃないですか?
岡本:ありましたね。相当ハードルは高かったですよ。
でも、プログラマーがキレッキレだったので何言ってもできました(笑)
ちょっとやんちゃ言ってみようかな?と思って言ってみても
「う~んできるかな?できるかも。うん、できるね。」って(笑)
彼がいなかったら絶対できなかったですね。
木村:人類の宝みたいな方ですね。
岡本:あとはミクシィさんがサーバーまわりをやってくれているんですけど、すごい技術力ですね。鳥肌が立ちますもん。
サーバーの運営とか負荷分散とかしれっとやってますけど、外部にはそんな人材いないですからね。
―ゲームの仕組み上、サーバーの負荷は相当大きいですよね?
岡本:相当ですよ。ほんと笑えないくらい。
会議室を借りきって開発。ノハナは斜め前の部屋
―チームの雰囲気はどうですか?
岡本:開発はミクシィの誰とも接触しない場所でやっていたんですよ。
まさにこのフロアで。(受付と来客用のミーティングルームがあるフロア)そこをいくつか借りきって開発しています。毎日大声出して馬鹿騒ぎして。
―社内ベンチャーに近い感じだったんですか?
木村:そうですね。先日子会社として独立したノハナとかも、全部同じようにこのフロアの会議室でやっていたんですよ。
そこから何個か巣立ってよかったですね。
岡本:ノハナの部屋は斜め向かいでしたね。
ノハナは最初にがっと行ったんでモンストをリリースする前は「あそこはいいなぁ」って言ってました(笑)
―そうだったんですね。
岡本:部屋の名前は「ガレー船」っていっていましたね。ガレー船の船底って(笑)
窓がないんですよ、部屋に。窓がある部屋はノハナとかが使っていて。
木村:まあその部屋からゆくゆくは200億。
岡本:だからいかねえっつの(笑)
―200億達成のためには次は海外展開ですか・・・?
木村:海外も行けたらいいなと思っています。
-ランキングは気にされていますか?
岡本:毎日見ちゃいますね。
もうちょっと2位が確実になってきたら、もうひとつ上も見てみたいですよね、一回。
ながく2位や3位にいるランカーはもう1位を伺うことはないと思うんです。
入ってきたばかりの若いランカーだけが挑戦権を持っていると思うんですよね。そういう意味では自分たちは挑戦する権利がまだあると思うので。
チャンピオンが衰えたので交代しました。じゃ市場がつまらなくなってしまうじゃないですか。誰かが次の新チャンピオンにならなければならないと思うので。
自分たちではなくてもいいけど、できたら自分たちだったら嬉しいですね。
岡本:アプリって2個も3個も同時に激ハマリしてますねんって言えないんですよ。
つまり激ハマリの1個にならないといけないんですよね。
今から言うと何ぬかしとんねんってくらい距離が離れてますけどね。
でも足元には来ていますからね。同じページにいたりしますから。それだけでも本当に幸せで足が震えそうなほどうれしいんですよ。
友達と一緒に遊ぶ文化を作る責任
木村:僕らが新たな文化を作らなきゃいけなくて。単純に縦の競争だけではなくて友達と一緒に遊ぶ文化を作る責任みたいなものがあるのかなと思っていますね。
ミクシィでエンターテインメントを作っている以上、コミュニケーションはずっと追求しなければいけないと思っていますし。
今後も実は友達と一緒にやることで色々パワーアップしたりするのもいっぱい用意しているので。
単純にパイの食い合いということで無くて僕らのゲームでしか体験できない価値を追求して作っていますね。
―それはいつごろ実装されるんですか?
木村:鋭意開発中です。
―かなり新しい体験になる?
木村:そうですね。スマホだと無いんじゃないですかね。
―最後にユーザーにメッセージをお願いいたします!
木村:すべてのアクションゲームとマルチプレイ大好きなお客さんのために面白い遊びをどんどん出していくので期待していてください!
岡本:ユーザーの皆さまが期待しているものももちろんあると思うんだけど、それ以上のものがどのタイミングで供給できるかだと思っているんですよね。それを今より少しスピードアップ、パワーアップできればいいなと思っています。