428-封鎖された渋谷で-

『428～封鎖された渋谷で～』は、Wii、PS3、PSPで発売されて高い評価を得たサウンドノベル。

東京・渋谷を舞台に、1つの女子大生誘拐事件を軸としてさまざまな人物の運命がスクランブルする。

本作には、5人の主人公それぞれの時間軸が存在し、シナリオを読み進めていく途中で赤色で表示された文字列を選択すると別の主人公の特定時間へ「ジャンプ」できる。

各主人公のシナリオに出現する選択肢は、他の主人公のシナリオに影響する場合があるため、自動生成される「タイムチャート」で進行状況を把握しながら連鎖を積み重ねていくことが、謎を解くカギとなる。
本編以外には、『Fate/stay night』で人気の「TYPE-MOON」によるボーナスシナリオを収録。
これは、実写で描かれた本編とは異なり、全編アニメパートとなっている。

チュンソフトのサウンドノベルが大好きだ。
「弟切草」「かまいたちの夜」そして本作「428」とかすかにつながりを感じさせる「街 ～運命の交差点～」。
どれも素晴らしいシナリオと革新的な演出をもって、ノベルゲームを牽引した作品だった。

渋谷を舞台にした膨大な枚数による実写グラフィック、５人のストーリーを入れ替えながら進めていくシステム、リアルなサウンドとBGM。

スマートフォンアプリに1800円を高いと思う人もいるだろう。
だが、スマホに最適化された操作性はPSPやWiiなどの家庭用ゲーム機にひけをとらないくらいに皆無だ。

すべてのエンディングを見ようとするとプレイ時間は数十時間はかかるだろう。
ボリュームも満点である。

ストーリーを進めていくと頻繁にBAD ENDに発生して泣きそうになるがめげてはいけない。
その時に他のキャラクターにザッピングして、選択肢を変更しバッドエンドを回避していくのだが、赤色になっている文字からジャンプすることで、他の主人公の選択を大きく変えることができる。

しかし、ヒント機能も充実しているし、クリアすることはとりあえず可能だと思う。

とにかく一番大事なのは「攻略サイト」とか「ネタバレ」とか「プレイ動画」とか「wiki」を見ないことではないだろうか？
もしかしたら昨今はそれが一番難しいのかもしれない。
そんなことをしたら感動も薄れてしまうじゃないか。ぶつぶつ…。

終盤の主人公たちが一つの物語に繋がっていく収束感は圧巻だ。

まさにカタルシス！（いいたいだけ）

ぜひ何も知らぬまま、たどり着いてほしい。
エンディングまで、泣くんじゃない。