ドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の動画を全話無料で見れる配信アプリまとめ

  • 2024年10月8日
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2007年1月〜3月に放送されたドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』

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ドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』はどんな作品?

話数 全11話
放送年 2007年1月期
放送枠 フジテレビ月曜日21時(月9)
原作 リリー・フランキー
脚本 大島里美
演出 久保田哲史
谷村政樹
音楽 河野伸
澤野弘之
主題歌 コブクロ「蕾」
キャスト 速水もこみち
広田亮平
香椎由宇
平岡祐太
柄本佑
児玉真楽
高岡蒼甫
チェン・ボーリン
石黒賢
朝加真由美
山崎裕太
松田昂大
斉藤洋介
久保田磨希
深浦加奈子
山田明郷
りりィ
星野源
赤木春恵
佐々木すみ江
浅田美代子
泉谷しげる
倍賞美津子

久保田哲史 大島里美 河野伸 澤野弘之 谷村政樹 チェン・ボーリン りりィ 久保田磨希 佐々木すみ江 倍賞美津子 児玉真楽 山崎裕太 山田明郷 平岡祐太 広田亮平 斉藤洋介 星野源 朝加真由美 松田昂大 柄本佑 泉谷しげる 浅田美代子 深浦加奈子 石黒賢 赤木春恵 速水もこみち 香椎由宇 高岡蒼甫

主人公

名前(演) 中川 雅也(速水もこみち)
職業など ボク
名前(演) 中川 栄子(倍賞千恵子)
職業など オカン

あらすじ

 真新しいファッションビルが立ち並び、人々の喧騒が賑やかに溢れかえる東京の繁華街。大きな荷物を傍らに置いて、公衆電話から電話をかける青年、中川雅也(速水もこみち)がいる。電話の相手は、母親の栄子(倍賞美津子)で…。

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『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の各話あらすじ

第1話 オカンとボクと時々オトン~親子の別れ

あらすじ

 真新しいファッションビルが立ち並び、人々の喧騒が賑やかに溢れかえる東京の繁華街。大きな荷物を傍らに置いて、公衆電話から電話をかける青年、中川雅也(速水もこみち)がいる。電話の相手は、母親の栄子(倍賞美津子)で…。
1989年1月。雅也は、栄子とともに廃坑の町、福岡県筑豊の廃病院で暮らしていた。高校生の雅也は、いまだに栄子への依存度が高い。また、栄子も雅也を幼い子供のように可愛がっている。しかし、色気づいてきた雅也は、人前では徐々に栄子の世話焼きが恥ずかしくなりつつもあった。
その日は、雅也は高校の最終進路相談を受ける日だった。遅刻して登校し、進路希望の申告もせず、相談日に母親も同席しないという雅也を叱責した担当教諭(斎藤洋介)は、指導室へと呼びつける。雅也は、担当教諭の文句を言いつつ、幼なじみの山田耕平(柄本佑)、前野和夫(山崎裕太)と校舎の屋上でエロ本を読んだり、東京への憧れを話したりして時間をつぶし、指導室へ。実は、雅也のカバンには東京の美大の入試願書が忍ばせてあったのだが…。指導室に入った雅也は驚く。なんと栄子が来ていたのだ。突然の栄子の登場に、雅也は進路相談もそっちのけで腹が痛いと出て行ってしまう。追いかけて来た栄子に、いらだつ雅也。夕陽を見た栄子は、「前にも雅也と2人でこんな風景を見たことがある」とつぶやいた。
1979年。雅也と栄子は福岡県小倉に住んでいた。深夜に酔って、玄関を蹴破って帰宅し、家中でも暴れまわったあげくに雅也に土産の焼き鳥を食べさせる父親、兆治(泉谷しげる)とその母、富美子(佐々木すみ江)とともに。だが、ある日、栄子は雅也を連れてその家を出た。そして、筑豊の栄子の母親、ハル(赤木春恵)の家に移り住んだのだ。
知らない町に連れて行かれ、知らない小学校に転校させられる羽目になった雅也に頼れるのは栄子しかいない。登校のたびに腹が痛いとしぶる雅也を、栄子はなだめすかしつつ送り出す。そんな母子を、栄子の妹、香苗(浅田美代子)は温かく見守る。栄子は、香苗の経営する食堂や青果市場、内職までして母子の生計をたてていた。雅也の世話を焼きすぎると注意する香苗に、栄子は子供には寂しい思いをさせたくないと答える。
相変わらず腹が痛いと登校をしぶる雅也に、栄子は耕平と前野を食事に招待し、つましい家庭とは思えない料理をふるまう。雅也にとって、そんな栄子はちょっぴり自慢の母親だった。夏休みになると、雅也は小倉の家に行く。その来訪を富美子は手放しで喜ぶが、兆治は無愛想に応対する。それが、雅也の幼い頃の生活だった。
栄子はハルの元を辞し、廃病院に移っても雅也を大切に育てた。進路相談もろくにしない雅也に、ぽんと新しいバイクを買い与える栄子。そのバイクに乗って小倉に行った雅也は、兆治に進路を聞かれる。目的はわからないが東京に出たいと答える雅也に、珍しく兆治は上機嫌。東京で色々なものを見てきたらいいと勧める。だが、兆治は東京行きの話を栄子にはちゃんとした方が良いと釘を刺すのだった。
筑豊に戻り、自分の部屋を見た雅也はあっけにとられる。留守の間に栄子により綺麗に掃除してあったのだ。隠していた東京の美大の願書も整えられている。雅也は、何もかも先回りして世話を焼く栄子に、そんな母親だから離れたくもなるとつい暴言を吐いてしまう。
それから二週間、雅也は栄子と口を聞かずにいた。美大の試験費用に困った雅也は、香苗に無心しようとする。すると、栄子がどれだけ苦労をして雅也を育てたのかを考えろと逆に諭されてしまった。
雅也は栄子を残し、美大の試験のために上京する。東京のバスでは、同じく受験のために北海道から上京した佐々木まなみ(香椎由宇)と乗り合わせた。窓外に流れる明るい東京の夜景には、ひときわ輝く東京タワーの姿が…。

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第2話 涙の別れ後

あらすじ

 1989年、東京。筑豊を後に上京した中川雅也(速水もこみち)の美術大学生生活が始まろうとしていた。オンボロアパートに居を構え、母の栄子(倍賞美津子)が送ってくれた生活用品を並べる雅也。その頃、筑豊では栄子が妹の香苗(浅田美代子)相手に、雅也を心配している。それでも、栄子は雅也のために仕事を増やし、知り合いには息子の自慢話を明るく話していた。
いよいよ大学の授業が始まったが、雅也は初日から遅刻寸前。初体験の満員電車を降りて、大学へと続く道、目に入ったのは上京した日のバスで出会った佐々木まなみ(香椎由宇)だ。雅也は、まなみの姿を気にしつつも、自分の教室に入る。
鮮やかな標準語をしゃべる学友たちに気圧される雅也に、鳴沢一(平岡祐太)、澤田玉夫(星野源)、並木守(大橋智和)が話しかけてきた。筑豊出身だと言う雅也を鳴沢たちは、授業後、東京の街へと連れ出す。繁華街の人込みに、驚きながらも鳴沢たちに紹介された古着屋などで服を買った雅也は、すっかり都会人の装いになった。
アパートに帰って、雅也が自分の部屋を開けようとすると、隣の部屋に大きなもやしの袋を持った怪しい男がいる。このアパートの住人、手塚修一郎(石黒賢)だ。手塚は、もやし袋を徳本寛人(高岡蒼甫)に渡し、代金はレオ・リー(チェン・ボーリン)が支払う。徳本とレオも同じく、アパートの住人。手塚も含め、どう見ても裕福ではなさそうな住人たちに、雅也は首をひねる。
大学の授業が軌道に乗り始めると、独学の雅也は学友たちの才能に圧倒される。そんな時、雅也とキャンパスを歩いていた鳴沢がまなみを見つけて気軽に声をかけた。雅也はまなみと目を合わすことも出来ない。
秋の展覧会に向けての作品製作のため、高級な美術道具を買い込んだ雅也は手持ちの金がなくなってしまう。仕方なく栄子に仕送りを無心する雅也。アパートの公衆電話で栄子と話していた雅也を、手塚が手招き。
次の日の早朝。雅也は手塚と自転車に二人乗りして商店街へ。後部席の手塚は、雅也にスピードを指示し、店の前に配達されたもやし袋をゲット。つまり、雅也はもやし泥棒の片棒をかつがされたのだが、久しぶりに爽快感を味わう。大学の生活が自分の居場所ではない気がすると打ち明ける雅也。すると、手塚は流されているうちは、居場所は見つからないというが…。
夏休みの話題で盛り上がる友人たちを横目に、雅也は展覧会用の作品が出来ずに焦っていた。そしてなんとか完成させて展示した絵も、教授に批判されてしまう。確かに、周囲に飾られた作品は、雅也にはかないそうもないものだった。雅也は手塚たちアパートの住人たちのマージャン仲間になりつつあった。
1890年。雅也の後輩、山田耕平(柄本佑)がダンサーになると上京。雅也の部屋に転がり込んだ。しかし、散らかり放題の部屋で手塚たちとマージャンする雅也に、耕平は顔をしかめる。耕平は、栄子から預かった仕送りを雅也に渡すが、それも借金返済のため、右から左…。耕平は、雅也がどうやら大学にも通っていないらしいと知る。そんな雅也が大学から呼び出された。
久しぶりにキャンパスに行った雅也は、鳴沢とまなみに出会う。ふたりは、企画展を開くと言う。教授室に行くと、留年を示唆される雅也。帰り道、雅也は繁華街でもらったティッシュに書かれた儲け話に飛びつく。
アパートに帰ると、レオらに小豆の先物に仕送り金をつぎ込んだと自慢する雅也。心配する耕平に、雅也は大学を辞めると宣言。そんな時、アパートの大家(久保田磨希)が、栄子が事故に遭ったと電話が入ったと飛び込んできて…。

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第3話 祖母の最期

あらすじ

 1992年10月。中川雅也(速水もこみち)は、大学4年生になった。一応就職活動もしてみる雅也だが、それはオカンの栄子(倍賞美津子)に助言されたからで、本人に就職の意識はない。
翌、3月、卒業式に出席した雅也は、友人の鳴沢一(平岡祐太)たちには、しばらく自由にやると宣言する。そこに、佐々木まなみ(香椎由宇)たちも来た。鳴沢は出版社に、まなみは写真事務所への就職が、ほかの仲間もそれぞれに就職先を決めていた。一緒に飲みに行こうと誘われた雅也だが、どこか気後れして行くことが出来ない。
栄子は、雅也に電話で卒業の祝いを述べる。親戚から贈られた祝いの品を雅也に告げる栄子。心臓の悪いハル(赤木春恵)のためにも、一度は帰郷して欲しいと頼む栄子だが、雅也にその気はない。就職しなかったことを心配する栄子に、アルバイトを始めるから仕送りはいらないと断る雅也だが…。そんな時、後輩の山田耕平(柄本佑)やレオ・リー(チェン・ボーリン)らアパートの住人がささやかな卒業パーティーを開いてくれた。手塚修一郎(石黒賢)は、生活費は自分で稼ぐと豪語する雅也に都会で自活する知恵と、言葉を授ける。それは“一線を越えないこと”。手塚は、どんなことでも良いが、自分にひとつのルールを科して、それだけは絶対に破ってはいけないと伝えた。
雅也は耕平とともに、アルバイトの日々に入るが、どれもすぐに飽きて長続きしない。当然お金も長続きせず、すぐに公共料金などの督促状に埋もれ、家賃も滞納するようになってしまう。そんなある日、大家の集金を逃れた雅也がアパートを飛び出すと、兆治(泉谷しげる)がいた。
兆治は、雅也を高級料亭に連れて行く。そこには、兆治の仕事相手と思しき老紳士がいた。兆治は、雅也を老紳士に紹介し、就職の口利きを約束してもらう。店を出た兆治は、雅也に就職の意思を確認する。しばらく自由にしたいと答える雅也に、兆治はどんなことでも最低5年はかかるので、何もしないならしないで5年過ごせと言い渡す。自由にも覚悟がいる…と。
雅也は、徳本寛人(高岡蒼甫)やレオにも頼みこんでバイトをするが上手くいかず、金はますます底をつくばかり。ついに、水道も止められた時、耕平は雅也が隠していた一万円札を見つける。それは雅也が上京する時に栄子からもらったもの。雅也は、その一万円札を自分の“一線”としていたが…。
数カ月後、バイトを求めて彷徨い歩く雅也は、まなみと出会う。喫茶店に入り、自分の汚い格好に落ち込みながらもドキドキする雅也に対して、まなみは変わらない雅也の雰囲気をほめる。しかし、喫茶店の払いは、まなみだった。
雅也がアパートに戻ると、耕平が泣きついてきた。堪忍袋の尾が切れた大家に、雅也は追い出されてしまう。雅也は金の無心をしようと栄子に電話するが、それを言い出すより先に、ハルが入院したことを知らされ、言えなくなってしまう。
金のこと、ハルのこと…。昔筑豊でリアカーを引いていたハルを思い出す雅也だが、現在は耕平と家財道具を乗せたリアカーを引いて、2人は、東京タワーの見える公園までやってくる羽目に。職もなく金もない雅也たちに、もはや貸してくれるアパートなどない。耕平は筑豊に帰ると去り、残された雅也が通りかかったのは一軒のパチンコ店。雅也は、ポケットに入れていた栄子の一万円札を握り締めた。そして“一線”としていた、その金を…。

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第4話 病いの宣告

あらすじ

 中川雅也(速水もこみち)の祖母で、栄子(倍賞美津子)の母、藤本ハル(赤木春恵)が亡くなった。祖母に何もしてあげられなかった悔しさからか、雅也は徳本寛人(高岡蒼甫)やレオ・リー(チェン・ボーリン)に紹介されたアルバイトに励みだす。そのため、もとのアパートに戻ることも出来た。そんな時、山田耕平(柄本佑)も再び雅也を頼って東京に出てくる。水も電気も通うようになった部屋に喜ぶ耕平に雅也は、今度はキチンと暮らそうと思うと宣言しながら絵を描いている。床には“かっぱ”という字が描かれた紙が何枚も転がっていて…。
雅也が描いた“かっぱ”の字は、筑豊の小料理店の暖簾になっていた。それは、栄子が知り合いから経営を引き継いだ店。栄子は開店準備を手伝いに来た妹の香苗(浅田美代子)に暖簾を自慢する。また、店内の品書きは、離れて暮らす夫の兆治(泉谷しげる)が書いたものだった。香苗は自分の食堂も引き続き手伝うと言う栄子が心配。だが、栄子は東京の雅也が頑張っているから、自分も頑張ると明るく答えた。そして“かっぱ”が開店する。店の経営を心配して電話してきた雅也と陽気に話す栄子。だが、栄子は電話を切った後、首に違和感を覚える。
借金も徐々に返し、少しは生活に余裕が出てきた雅也は、久しぶりに佐々木まなみ(香椎由宇)や鳴沢一(平岡祐太)たち学生時代の仲間と飲むことに。家でイラストを描いていると言う雅也に、鳴沢はイラストレーターを探している編集者を紹介すると約束して仕事に戻って行った。店では話せなかったが、帰り道に雅也はまなみと話す機会を得る。今度イラストを見てみたいと言うまなみに、雅也は頷いた。
約束通り、鳴沢は雅也に編集者の河村由香(深浦加奈子)を紹介してくれた。雅也が書き溜めたイラストを眺めた河村は、女性誌の仕事を回してくれることに。早速、イラスト作成の見本にと女性誌をたくさん買い込んでアパートに戻った雅也。イラストに専念しようとするのだが、耕平たち住人がうるさくて集中できない。とうとう、雅也は部屋から住人たちを追い出した。耕平が廊下に出ると、住人共同のピンク電話が鳴る。相手は栄子。耕平から雅也の仕事を聞いた栄子は安心して電話を切るのだが、立ちくらみを覚え…。
体調不良を感じる栄子は、ついに病院へと向かう。当初は貧血だと答えた医師だったが、栄子が首に違和感があると言うと精密検査を実施。その結果、栄子の甲状腺にがんが発見された。しかも、がんは声帯にまで広がっているという。店の客の前では陽気さを装う栄子だが、最後の客が帰ると雅也に電話をかける。しかし、イラストに真剣に取り組もうとする雅也の声を聞いた栄子は、自分の病気を伝えることが出来なかった。
栄子は1人、声帯を取らずに手術を受けることを決意。雅也に伝えていないことを知った香苗は、すぐに電話をかける。だが、まなみにイラストを見せる予定だった雅也は、話もそこそこに電話を切ってしまって…。

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第5話 最後の旅行

あらすじ

 久しぶりに故郷に帰った中川雅也(速水もこみち)は焦っていた。母の栄子(倍賞美津子)が、がん手術のために入院したからだ。病院に着き、栄子のいる大部屋の病室に入るが、人影がない。と、奥にカーテンに閉ざされたベッドを発見。ベッドには栄子の名が…。不安に襲われつつ、雅也がカーテンを開けると、そこには同部屋の入院患者相手に花札に講じる栄子がいた。あきれる雅也を栄子は患者たちに息子だと自慢げに紹介する。
雅也は栄子の担当医に手術の説明を聞く。医師は甲状腺がんの摘出はするが、声帯付近に浸潤したがんは術後の放射線治療で対処すると告げた。それは、声を失うことを怖れた栄子の望みだった。病室に戻り、声帯の温存を心配する雅也に、栄子はたいがいのことでは死なないと笑ってみせる。
栄子の手術当日。栄子の妹、藤本香苗(浅田美代子)も病院に来た。香苗は、栄子のために筑豊に戻れないかと雅也に問う。雅也が返事に窮していると、栄子を乗せたストレッチャーがやって来た。栄子は、雅也と香苗に笑いながら冗談を言って手術室へと吸い込まれて行く。
その頃、東京の雅也のアパートを佐々木まなみ(香椎由宇)が訪ねた。まなみは、自分と会っている途中で、急に帰ってしまって以来、連絡が取れなくなった雅也を心配していたのだ。まなみはアパートにいた山田耕平(柄本佑)から、栄子の病気を教えられる。
数日後、手術を終えて病室に戻った栄子の着替えを持ってきた雅也が、備え付けワゴンの引き出しを開けると、中に指輪が入っていた。そんなある日、ようやく夫の兆治(泉谷しげる)が栄子の見舞いに来る。相変わらず会話も進まず気まずいムードの2人。しかし、栄子は指輪をはめていて…。
病院を出た雅也は、栄子の店『かっぱ』で兆治と飲む。栄子が店を閉めることにしたと告げる兆治。栄子の側にいられないか問う雅也に、兆治はそんなに暇ではないと言い帰ってしまった。そして、雅也も東京に戻ることに。体力も回復し始めた栄子は、相変わらず雅也の世話を焼きつつ送り出した。
東京に戻った雅也は、鳴沢一(平岡祐太)からもイラストの仕事をもらい、徐々に締め切りに追われるようになる。そんな時、自分の写真がようやく雑誌に載ったまなみが、雅也に見せに来た。だが、アパートでは耕平たちに2人の関係を詮索されるため、雅也はまなみを外へと連れ出す。歩きながら雅也は、栄子の様子をまなみに説明。逆に、親のことを尋ねる雅也に、まなみは答えなかった。そんな2人の前に、東京タワーが姿を現す。
アパートに帰った雅也に、香苗から電話が入る。香苗は具合の良くなった栄子とハワイ旅行に行くと言い出す。しかも、費用は雅也持ちだと…。突然のことに戸惑う雅也。すると、香苗が栄子に電話を代わった。そして、栄子は冥土の土産に雅也とハワイに行きたいと留めの一撃。
ハワイ行きは、栄子と香苗の作戦勝ち。しかし、雅也に旅費を賄う蓄えなどあるはずもない。仕方なくイラストのほかに警備員のアルバイトを始める雅也だが、一向に旅費は稼げない。雅也が路上で似顔絵描きを始めると、耕平たちアパートの住人が手伝いに来た。彼らなりに雅也を気遣っているのだが、勝手に雅也の私物を持ってきて売り始めるではないか。それでも、まだまだ旅費には手が届かない。
その頃、まなみは久しぶりに母・恵子(朝加真由美)と会っていた。まなみの実家は旅館を経営しているのだが、恵子との関係は上手くいってない様子。恵子は、まなみの仕事も理解していなかった。恵子と別れたまなみが、路上で東京タワーを見ていると雅也が通りかかる。東京タワーを見ながら、まなみに何か告白しようとする雅也。だが…言い出せない。と、まなみが午前0時に東京タワーのライトが消える瞬間を一緒に見た2人は永遠に幸せになれるという話を持ち出す。雅也とまなみが見つめる東京タワーの灯りが、フッと消えた。
思わぬ出来事に上機嫌でアパートに帰った雅也を、アロハシャツを着た耕平が出迎えた。そして、激安チケットがあったと耕平は雅也にチケットを差し出す。雅也が気付くと、ハワイ資金として金を入れていた箱が空。せっかく、まなみとの仲も進展しそうな時にと嘆く雅也に、住人は自分たちが親孝行出来ない理由を話す。
こうして雅也は、栄子、香苗と一緒に旅行することになった。激安チケットで行くハワイとは? また、雅也はその時、栄子が病気以外に悩みを抱えていることを知らなかった…。

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第6話 オカン上陸

あらすじ

 中川雅也(速水もこみち)は、叔母の藤本香苗(浅田美代子)から筑豊の“病院の家”が取り壊しになることを知らされる。住居を失う母の栄子(倍賞美津子)に、雅也は東京で一緒に暮らそうと提案。栄子は、嬉しそうに頷いた。
とは言ったものの、雅也は動揺していた。雅也は、行動を褒める山田耕平(柄本佑)に、栄子が東京行きを断ると思ったと本音を吐く。母の意外な返事にテンションを落としながらも、雅也は栄子の受け入れ準備を始めた。
一方、栄子は香苗や筑豊の知り合いに“お別れパーティー”を開いてもらい、離れて暮らす夫の兆治(泉谷しげる)にも、東京行きの決意を語った。
1996年、栄子が東京に出てくる。雅也は、今まで住んでいたアパートを耕平に譲り、栄子と暮らすために笹塚に少し広いアパートを借りた。階下がボウリング場で、近くを列車が走るため、かなり騒々しい部屋だった。栄子が筑豊から持ってきた荷物は、ぬか漬けの壷とボストンバッグ、そして古ぼけた小さなタンスがひと棹。これが自分の全財産と言う栄子に、雅也は生活費を渡す。すると栄子は“お世話になります”と息子に深々と頭を下げた。
しばらく経つと、笹塚のアパートは栄子流の“中川家”になっていった。栄子はいつでも部屋を綺麗に整頓し、早起きして朝食を作り、雅也を叩き起こして世話を焼く。
ある日曜日。雅也は、久しぶりに佐々木まなみ(香椎由宇)とデートに出かけようとしていた。リビングには耕平が来ていて、栄子に病院までの電車の乗り換えを説明している。雅也が部屋を出ようとすると電話が入った。まなみからだ。受話器を取ろうとする栄子を遮って雅也が出る。その横で、耕平が電話の相手が雅也の彼女だと栄子に教えてしまう。と、受話器を雅也からもぎ取った栄子は、まなみに勝手に挨拶。ご飯を作って待っているから、アパートに来いと言ってしまう。
雅也が、待ち合わせ場所に行くと、まなみはすっかり栄子に会う気でいる様子。もちろん、雅也にそんなつもりはなく、何とか自分のアパートに近づかないようにするが…。
その頃、笹塚のアパートには以前住んでいたアパートの住人、手塚修一郎(石黒賢)、レオ・リー(チェン・ボーリン)、徳本寛人(高岡蒼甫)が引っ越し祝いとやって来ていた。栄子が次々に出す料理をがつがつ食べるレオたち。栄子のぬか漬けを褒めた手塚は、仕事があると先に帰った。
栄子が、なかなか戻らない雅也を待っているとインターフォンが鳴る。しかし、ドアの外にいたのは鳴沢一(平岡祐太)だった。雅也は、学生時代の友人で編集者の鳴沢からイラストの仕事をもらっていたが、最近は締め切りが守れずにいる。案の定、この日も連絡がないので、鳴沢がアパートまでやって来たのだ。事情を知った栄子は、鳴沢を引き止めるが、打ち合わせがあるからと帰ってしまう。
鳴沢と入れ替わるように、雅也がまなみを連れて来た。リビングでは耕平たちが酒を飲んで盛り上がっている。栄子とまなみは、互いに気に入った様子。雅也が見送りに行くと、まなみは再度アパートに行って、栄子に料理を教えてもらいたいと言う。
雅也は、徐々に栄子との生活に重さを感じるようになっていた。イラストの仕事も、ますますはかどらない様な気になってくる。そんな時、またしても提出が遅くなったイラストを届けに行った雅也に、鳴沢は他のイラストレーターに頼んだと言われてしまう。もちろん、その分のギャラも入らない。
アパートに戻った雅也に、公共料金などの請求書が追い討ちをかける。しかし、部屋には栄子が買ったという新しいベッドが…。ひとり暮らしだった頃の気ままな生活を失うことにイラつく雅也。だが、栄子に悪気はない。次の日も、朝から大量の買い物をして帰ってくる栄子。部屋を訪ねてくる人や隣近所に料理をふるまうという栄子に、雅也はとうとうキレてしまう。そして、自分の家なのに息が詰まる、筑豊に帰ってほしいと栄子に言ってしまう…。

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第7話 オカンの心、ボク知らず

あらすじ

 中川雅也(速水もこみち)が、母親の栄子(倍賞美津子)と暮らし始めてから、しばらくの月日が流れた。最近では、栄子もすっかり東京の暮らしに慣れた様子。町内にも友人が出来たようで、外出の機会も増えている。相変わらず、遊びに来る山田耕平(柄本佑)たち前のアパートの住人は、近頃では雅也に会いにくるのではなく、みんな栄子が目当てのよう。雅也は、ちょっぴり栄子に嫉妬を感じるほど。
そんなある日、栄子がいつものようにみんなに食事をふるまっていた。栄子の料理を人一倍おいしそうに食べるのは徳本寛人(高岡蒼甫)。栄子はそんな徳本に、実家のお母さんもさぞかし作りがいがあるだろうと言うと、徳本は黙ってしまった。実は徳本は、10年前に実家を出たきりだった。その徳本が、勤続10年の些少な報奨金を工場長から受け取り…。
日曜日。雅也がデートの支度をしていると佐々木まなみ(香椎由宇)が来た。雅也は、イタリアンレストランに誘うのだが、まなみは栄子にベッタリ。雅也はまたしても疎外感を覚える。
ひとり外に出て、雅也が淋しさを共有しようとウサギを買って帰ると徳本が来た。雅也はウサギ小屋を作ってくれた徳本に、どうして栄子の周りには人が集まるのかと聞く。すると、徳本は“ただいま”が言えて、温かいご飯が食べられる家は良いと答える。自分にはしばらく味わったことがないと…。
その夜、またしてもリビングでは大宴会。そこに鳴沢一(平岡祐太)が雅也のイラストを取りに来た。雅也の仕事を待つ鳴沢に、栄子は料理をふるまう。だが、鳴沢は食事に手をつけようとしない。栄子の再三の勧めにも食べようとせず、雅也のイラストを受け取るとすぐに帰ろうとする。と、徳本が鳴沢に噛み付いた。鳴沢の態度が許せなかったのだ。鳴沢につかみかかろうとする徳本を雅也が止めようとしたそのとき…。我に帰った徳本は、以前母親を殴って勘当されたことを雅也に話す。そんな2人の会話を、栄子はそっと聞いていた。そして帰ろうとする徳本に栄子は、自分だったら殴られたことよりも、10年間も息子に会えない方が痛いと告げる。
翌日、鳴沢は担当のイラスト発注を怠っていたことをデスクに責められる。慌てて雅也のアパートに向かう鳴沢。ちょうど、打ち合わせに出ようとしていた雅也に会った鳴沢は…。
一方、徳本は栄子に背中を押されたように、久しぶりに実家に向かった。

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第8話 時々オトン~家族の絆

あらすじ

 中川雅也(速水もこみち)は、鳴沢一(平岡祐太)が携ることになった新雑誌のイラストを依頼されるなど、仕事は順調。一方、オカンこと栄子(倍賞美津子)の雅也との東京暮らしも、同年代の友人が出来るなど、穏やかな日々を過ごしていた。
そんなある日、栄子がのどに痛みを感じるようになる。栄子を襲う痛みの発作は、徐々に間隔を縮めだした。そして、雅也は栄子が通う病院の担当医に呼び出される。担当医は、雅也に栄子の病状を説明。栄子はガンを再発しており、病巣は食道から声帯にまで広がっていた。担当医は、抗がん剤の効果が得られなかったことを話し、手術による病巣削除以外に治療法がないと雅也に告げる。
アパートに戻った雅也は、栄子に担当医の説明を話し、手術をすることを勧める。だが、栄子は頑として受け付けない。一度目の手術経験の思いと、今回は声帯を取らなければなくなるということが嫌なのだ。雅也は、栄子のあまりの頑なさに、手術をすると言うまで口をきかないと言って出て行ってしまう。雅也は公衆電話から藤本香苗(浅田美代子)に連絡して相談。すると、香苗はオトンこと兆治(泉谷しげる)から栄子に言ってもらうようにと助言してくれた。雅也は、続けて兆治に電話。しかし、兆治はまるで他人事のよう。
雅也は、佐々木まなみ(香椎由宇)にも相談する。まなみは、自分も一緒に行くのでもう一度、栄子を説得してみようと言う。雅也がまなみとアパートに戻ると、部屋から香苗の声が…。説得する香苗に、栄子はこれ以上雅也に迷惑をかけたくないと手術を拒む理由を告げた。聞いていた雅也は、迷惑なわけはない、死なれた方が迷惑だと自室に行ってしまう。
雅也が部屋にいると、まなみが食事だと呼びに来た。雅也がリビングに行くと、栄子が何やらジェスチャーを繰り返す。香苗、まなみと一緒に手話を考えたという栄子は、雅也に手術を受けることにすると告げた。
数日後、栄子は手術のために入院した。その頃、見舞いに来るまなみは悩みを抱えていた。実家の母、恵子(朝加真由美)から旅館を手放すことになるかもしれないと連絡があったのだ。まなみは、そんな悩みを雅也や栄子に話せずにいる。
一方、栄子の再手術は、兆治に知らされていなかった。そんな時、雅也が留守のアパートで山田耕平(柄本佑)たちが料理を作っていると、玄関を開ける物音が。レオ・リー(チェン・ボーリン)が見に行くと、真っ青になって戻ってくる。レオは、ヤクザの取り立てが来たと言う。しかしその取り立て屋と思しき男は、兆治だった。

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第9話 将来の約束

あらすじ

 手術から2カ月後、中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)が退院した。家に戻った栄子のパワーはますますアップ。鳴沢一(平岡祐太)に仕事をつないでもらったおかげで、忙しくなった雅也のスケジュール管理をしたり、家にイラストを取りに来る編集者にまで料理をふるまう。しかし、手塚修一郎(石黒賢)が、ここのところ足繁く来るようになったのと対称的に、佐々木まなみ(香椎由宇)が姿を現さなくなっていた。
まなみが、約3週間ぶりに家に顔を出した。デートに出かけた雅也に、まなみは将来のことを考えることがあるかと話す。家に帰った雅也が、手塚たちにまなみのことを話すと、それは結婚を考えているからだと言われる。手塚は、プロポーズを勧めた。栄子も大喜び。
だが、まなみの言葉と、最近姿を現さないことには理由があった。まなみは、倒産しかけている実家の旅館に仕送りするため、アルバイトまでしていたのだ。そんな時、イラストを届けに行った雅也は、鳴沢からまなみの現状を知らされる。
母の日には、山田耕平(柄本祐)ら、みんなが雅也のアパートに集い、栄子にプレゼント。だが、まなみの姿はなく、雅也はどこか機嫌が悪い様子。遅くに、まなみが来るのだが、雅也はすでに酒を飲んで寝てしまっていた。プレゼントをもらった栄子は、まなみに小さなケースを渡す。中には指輪が入っていた。まなみは受け取るのだが…。
雅也が目を覚ますと、すでにまなみは帰っていた。慌てて追いかけた雅也は、まなみに何故実家のことを教えてくれなかったのかと尋ねる。まなみは、その問いには応えず、栄子の指輪をもらっていいのかと逆に雅也に聞き返した。さらに、このまま自分が東京にいて良いのかと…。雅也に答えることは出来なかった。
数日後、雅也は約束を取り付けてまなみとデート。雅也は、手塚らの助言でプロポーズをするつもりでいたが、中々、うまく切り出せずにいた。すると、まなみが話し始めた。北海道の母が旅館を手放すつもりでいて、そしてそんな母を一人ぼっちにはしておけないと…。そして、まなみは栄子からもらった指輪を雅也に返そうする。雅也は指輪を受け取れず、プロポーズも出来ないまま、まなみを見送ってしまった。
雅也とまなみ…2人の幸せを願う栄子。だが、栄子はその頃、あることを雅也に隠していた。

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第10話 最期の選択

あらすじ

 中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)は、二度のガン手術を克服していたが、ガンはすでに胃に転移していた。呆然としてアパートに帰った雅也を、栄子はいつものように迎えるが、自分の死んだ後のことを話しだす。栄子は、医師が書いた紹介状から、自分のガンが進行していることを知っていたのだ。雅也は、手術すれば今回も治ると励ますが…。
アパートにはいつものように、山田耕平(柄本佑)、手塚修一郎(石黒賢)たちが栄子の料理を食べに来ていた。皆、口々に栄子の早期退院を願うがその中に、佐々木まなみ(香椎由宇)の姿はない。雅也は、まなみが実家に帰ってしまい、二人は事実上別れたということを栄子に話していなかった。
それから、入院までの日々、栄子はまるで何かを予期するかのように、部屋を片付け、身の回りを整理し始める。再入院の日、栄子は雅也に新しく買っためざまし時計を渡し、これからは自分でちゃんとスケジュール管理をするよう言いつける。そして、自分に何かあった時には、引き出しの中の箱を開けるようにと頼んで家を出た。そうして、栄子は雅也に連れられて、東京タワーの麓の病院に入院した。
数週間後、兆治(泉谷しげる)が病院にやって来た。相変わらず、栄子とろくに会話も出来ない兆治。だが、アパートに戻ると雅也に、今度は栄子もダメかもしれないと漏らす。
栄子の看病などで気持ちが安定しない雅也は仕事も遅れがちになっていく。そんな雅也を心配した鳴沢一(平岡祐太)は、まなみに栄子のことを連絡したのかと尋ねる。だが、雅也はまなみには栄子のことを伝えていなかった。
栄子の検査結果が出る日。雅也は、藤本香苗(浅田美代子)と病院へ向かった。雅也と香苗は担当医から、栄子の胃ガンが進行性で他の部位にも転移しているため、手術は出来ないと言われてしまう。残された治療法は、抗ガン剤治療のみだがそれは栄子の体には負担がかかる。雅也は、それでも栄子のためにと抗ガン剤治療を頼むのだった。
先に医師と会ったことを栄子に隠そうとする雅也と香苗だが、すっかりばれていた。仕方なく、雅也は医師の説明を栄子に伝え、そして雅也たちの説得に、栄子は抗ガン剤治療を受け入れる。
栄子の抗ガン剤治療が始まった。それは、わかっていたこととはいえ、辛い毎日。雅也の仕事はますます遅れ、生活もすさんでゆく。そんな雅也を見ていられない鳴沢は、まなみに栄子のことを伝えて…。

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第11話 涙の最期

あらすじ

 胃ガンで再入院した中川雅也(速水もこみち)の母、栄子(倍賞美津子)の抗ガン剤治療が打ち切られる。薬による衰弱が激しい栄子の姿に、雅也は耐えられなくなったのだ。雅也の申し出を受けた医師は、栄子の余命があと2、3カ月と告げる。
それから2カ月が経過。仕事帰りに病室に立ち寄った雅也を栄子が迎える。やつれはしたが、見舞いに来た山田耕平(柄本佑)、レオ・リー(チェン・ボーリン)、徳本修一郎(石黒賢)と一緒に食事する栄子の調子は良さそう。
そして藤本香苗(浅田美代子)は栄子と外泊したいと雅也に申し出る。病院近くのホテルで、久しぶりに姉妹枕を並べて寝たいと言う香苗に、雅也も栄子が喜ぶと承知した。
数日後、医師の許可をもらった栄子は、雅也に見送られて香苗とともに病院を出た。アパートに戻った雅也が、鳴沢一(平岡祐太)と仕事をしていると香苗から電話が入る。香苗は、病院では流動食ぐらいしか摂れなかった栄子が、ホテルでは刺身も食べたと報告。電話を代わった栄子は、美味しいものは食べられると嬉しそうに雅也に告げた。
夜になると、アパートには耕平たちがやってきて、食事兼、飲み会が始まる。みんな雅也にさり気なく気を使っていた。しかし深夜を回るころ、一本の電話が入った。ホテルで栄子が倒れたというのだ。
雅也が病院に着くと、栄子はすでに個室に移されていた。香苗は、胃痙攣だと雅也に説明。そして雅也がベッドに近づくと目を覚ました栄子は、うわごとのように語りはじめ…。
以来、栄子の体力は著しく低下。雅也は医師から、あと数日だと思って欲しいと宣告される。病室には、いつものメンバーが集まり、代わる代わる栄子を励ます。栄子は、一人一人に力なくも優しく応対し、雅也を頼むと繰り返すのだった。佐々木まなみ(香椎由宇)も飛び込んできて…。
みんなが帰ると、雅也は眠っている栄子に語りかける。東京タワーに登る約束を果たしていないこと、今までの思い出。雅也は、自分は東京に来た頃と何も変わっていない、まだ何も見つけていないから独りにしないで欲しいと訴える。そして兆治(泉谷しげる)も駆けつけた。栄子の顔を見て安心した様子の兆治は、自分もすぐに眠りだす。栄子と兆治の寝顔を見ていた雅也も、やがて静かに眠りについた。家族3人が同じ場所で眠る…それはまさに栄子が長年望んでいたことだった。
翌朝、雅也は栄子の苦しむ声に目を覚まされた。慌てて兆治を起こし、ナースコールをかける雅也。栄子は、苦しみの中、雅也に何かを告げようとするが声にならない。雅也が、もう自分のことは心配しないで良いと言うと、栄子は唇を動かすのを止めた。代わりに、握っていた雅也の手を潰れるくらい強く握り締める。その力も、次第に抜けていき…。

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引用元:番組公式サイト

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