ドラマ『天体観測』の動画を全話見れる配信アプリまとめ

  • 2024年8月13日
  •  
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2002年7月〜9月に放送されたドラマ『天体観測』

この記事では、ドラマ『天体観測』を全話見ることができる動画配信アプリ・サービスを調査してまとめています。

ドラマ『天体観測』は、U-NEXTで全話が見放題配信されています。

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ドラマ『天体観測』はどんな作品?

話数 全12話
放送年 2002年7月期
放送枠 フジテレビ系列 火曜日22時
脚本 秦建日子
渡辺千穂
演出 西谷弘
都築淳一
田澤直樹
主題歌 中島美嘉 「WILL」
キャスト 伊藤英明
坂口憲二
オダギリジョー
小雪
田畑智子
小西真奈美
山崎樹範
長谷川京子
大谷直子

渡辺千穂 田澤直樹 秦建日子 西谷弘 都築淳一 オダギリジョー 伊藤英明 坂口憲二 大谷直子 小西真奈美 小雪 山崎樹範 田畑智子 長谷川京子

主人公

名前(演) 狭山恭一(伊藤英明)
年齢 25歳
名前(演) 川村友也(坂口憲二)
年齢 25歳
職業など 画家
名前(演) 木崎タケシ(オダギリジョー)
年齢 25歳
職業など IT企業の子会社を経営
名前(演) 沢村美冬(小雪)
年齢 25歳
職業など 予備校講師
名前(演) 宮部聡美(田畑智子)
年齢 25歳
名前(演) 井田有里(小西真奈美)
年齢 25歳
名前(演) 長谷川健太(山崎樹範)
年齢 25歳
職業など 魚屋

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以下に各話のあらすじや主要動画配信アプリ・サービスでの配信状況をチェックできるリンクを載せておくので、こちらもチェックしてみてください。

『天体観測』の各話あらすじ

第1話 再会

あらすじ

1999年 夏。夕暮れせまる海岸近くの丘に笑い声が響いた。成和大学の天体観測 サークル“サジテリアス”の夏合宿。メンバーは、狭山恭一(伊藤英明)、川村友也(坂口憲二)、木崎タケシ(オダギリジョー)、沢村美冬(小雪)、宮部聡美(田畑智子)、井田有里(小西真奈美)、長谷川健太(山崎樹範)の7人。集まれば遊んでばかりだったが、大学最後の夏、初めて本当の「天体観測」するため、集合したのだった。
7人は自分達を夜空の北斗七星になぞらえ、そして流れ星に将来の夢と変わらぬ友情を誓い合った。
3年の歳月が流れて、2002年 夏。聡美の結婚式。しかし、新婦友人席に座ったのは美冬、有里、健太の3人だけ。結局、恭一、友也、タケシの席は空いたままだった。
その頃、恭一は時間を気にしながら、大会議室でプレゼンをしていた。
仕事が終わり、雑踏の中を走る恭一。バスを待っているのに乗ろうとしない不思議な女性、有坂七重(長谷川京子)のおかげで恭一はバスに間に合った。恭一は、お礼を言うが、七重は、依然とバス停に立ちつくしたままだった。
「ごめん。式に出れなくて」。二次会に恭一が姿を現わした。有里は訳アリ風の電話で帰り、家業の魚屋を継ぎ朝の早い健太は酔いつぶれ寝てしまった。聡美は気をきかせて、恭一と美冬を2人きりにした。この2人、学生時代につきあっていたが、いつしか離れ離れになっていた。恭一は経営コンサルタント会社に就職し、大きな仕事を任されつつある。
かたや美冬は小学校教諭を目指しているが、東京都の教員採用試験は今年で浪人3年。
恭一はさりげなく聞いた。「友也から連絡ある?」「ううん。全然」。学生時代、友也も美冬が好きだったが、恭一と美冬の交際が順調に進んでいることを知り、身をひいたいきさつがあったからだ。
友也は卒業後、海外を転々としている。聡美の結婚式の連絡も本人に届いたのか、分からない。社会人となった仲間たちはそれぞれの道を歩きだしていた。
美冬は予備校講師のバイトをしているが、生徒たちの反応はほとんどない。
家業の魚屋を継いだ健太は毎朝早く、父親と築地の魚市場へ出かけている。サークルでは唯一の星オタクだったのに、朝早い仕事のため、夜空を見れない毎日だ。
有里は食品メーカーのOL。上司と不倫のウワサをたてられたりして、同僚の女子社員とはしっくりいってない。
聡美は老人ホームで介護福祉士として勤務。新婚旅行は当分お預けだ。
一番の出世頭は恭一かもしれない。しかし、企業のエゴと自分の理想のはざ間にあって、内心は複雑だった。
恭一の母親、てる美(大谷直子)が切り盛りするお好み焼き屋には、健太が新鮮な魚介類を配達していた。「好きな女の子ができたでしょ?」てる美のするどいカンに健太が照れた。ただし、メール相手なのでまだ好きな人には直接会っていないという。恭一はなんとなくひっかかるものを感じた。
健太はタケシから紹介された出会い系サイトで恋人を見つけたという。「いくら使った?」「30万円くらいかな」。黙って見過ごせない恭一はタケシのマンションに向かったが、表札は見知らぬ有限会社に変わっていた。実はタケシは、サクラを使った出会い系サイトを運営していたのだ。タケシは帰っていく恭一の後ろ姿を室内から見ていた――。
「ごめん。これ、お祝い」。聡美の結婚を知った友也が、突然帰国し、聡美の働く老人ホームにやって来た。友也が差し出したのは祝儀袋と、メキシコで買った木彫り人形。
友也によると、ご利益満点の幸せを呼ぶ木彫り人形らしい。「ほんと悪いと思ってんだ。
めでたい席に7人揃わなかったなんて……」「友也、私、これから美冬と約束してるんだ」聡美が告げたその時、昼食の約束をしていた美冬が現われた。思わぬ再会に、驚く美冬とドキッとなる友也。それぞれの近況を伝えあった。「恭一とはうまくいってんだろ」「アウト。卒業して半年で。むこうは忙しくて…」。美冬の言葉に、友也は真顔でなにか考えこむ表情になった。しばらくして聞いた。「恭一のこと、まだ好きか?」「わからないの。本当に」。美冬はそう答えた。
美冬と別れた友也は健太の実家を訪ねた。もちろん健太は大喜びだ。
「聡ブーの結婚式の三次会、やらねえか」。結婚式では7人全員そろわなかったからだ。
場所は学生時代のたまり場の店、ジュピター。
タケシと有里の学生時代からの関係は今も続いていた。通い同棲のような微妙な関係で。
「三次会、どうしても行かない気?」「興味がないんだよ」。
「嘘、皆に聞かれるの嫌なんでしょ。今の自分のこと。」
タケシは男と出かけてしまった。その男は仕事関係の人物らしいが、有里には男がタケシを利用しているとしか思えない。けれどタケシは有里の忠告に耳を貸そうとはしなかった。
「それでは聡ブーの結婚を祝って。乾杯!」。懐かしいジュピターにタケシをのぞく6人が顔をそろえた。「来たくないんだろ、アイツは」。恭一が顔をしかめると、友也が言った。
「仲間は仲間だろ。こんな時くらい会いたいじゃないか。」「そんなふうに決めつけんな」。
緊迫した状態のなか、健太がその場の空気を変えようと店員に声をかけた時だった。  タケシがゆっくりした足取りで店内に入って来た──。

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第2話 青い絆

あらすじ

 恭一(伊藤英明)の心配をよそに、健太(山崎樹範)がメール相手と初デートする為、ネクタイを借りに来た。タケシ(オダギリジョー)に紹介されたサイトとあって、恭一はサクラだと考えていたが、健太はあくまで信じている様子だった。
出社した恭一が仕事に没頭していると、友也(坂口憲二)が面会に来た。「悪いが5分しか話せない」「・・・・・・ならまた今度にするよ」。お互い、美冬(小雪)の事は口に出せずじまいだった。「仕事中にすまなかった」。友也は素直に帰っていった。
健太がデートの事に悩んでいると、聡美(田畑智子)が顔を出した。「たまにはくつろぎたいんだろ。ダンナにいいところを見せようとしすぎなんじゃねえの」。健太の家に居候している友也が指摘した。「エクアドルのおばちゃんが言ってたぞ。ありのままを見せられないうちは、愛とは呼ばない。」
有里(小西真奈美)のマンションを訪ねた友也は、有里がタケシと今もつきあっていることを知った。久々に会った有里は顔にケガをしていた。「まさか、タケシ?」「違うわよ、本当に」。しかし、有里がトラブルを抱えているのは間違いない。「悩みがあれば相談してくれよ」「あの頃とは違うの」。有里の口調はどこかなげやりだった。
有里を心配した友也から、2人の事を聞いた美冬と聡美は早速タケシに会った。「有里とどうなってるの?」「ただの同居人だよ」。とても恋人同士とは思えない様子に、美冬は思わず言った。「そんなの変だよ・・・タケシ何か怖がってる。ちゃんと誰かと向き合う事怖がってる。」「そうやってベタベタつるむのが友情か?そういう事、真顔で言えるおまえが怖いね。」はき捨てるように言ったタケシに、美冬も聡美もどうする事もできかった。
健太のメール相手のnanaこと有坂七重(長谷川京子)は待ち合わせ場所に現れた。
しかし、有頂天の健太を残して、七重は地下鉄の駅まで来ると突然逃げだしてしまった。「だめなの。ごめんなさい。」訳がわからず健太は雑踏の中でぼう然と立ちつくした。
恭一は商談のため上司と向かったホテルのラウンジで、偶然にも有里を見かけた。
一緒にいた中年男が有里を怒鳴りつけると手を振りあげた。恭一は、思わず、その男を制止しようと間に入っていた――。
「ごめんね。変なことに巻き込んじゃって」。警察で有里は、恭一に謝った。有里が不倫関係を清算しようとして、その上司は逆上したという訳だった。有里の顔にケガをおわせていたのも彼の仕業だった。「身元引受人、参上!聡美も来れたら来るって」。美冬も、笑顔で警察に来てくれた。
恭一は、仕事があると言って会社に戻り、美冬と有里が“ジュピター”に顔を出すと、健太が友也相手にヤケ酒をあおっていた。聡美も姿を現わした。美冬は、思いきってタケシとの事を有里に聞いてみた。「話してもいいけど、美冬には分からないと思う。私は昔の彼氏を引きずったり、簡単に結婚を決めたりとか、できないのよ」。有里は面と向かって、美冬と聡美を非難した。自分の結婚、結婚相手まで非難され、ショックを受けた聡美は店を出ていった。続いて有里も店を後にした。
有里が部屋に帰るとテーブルの上に万札の束が・・・。置き手紙には、たった一言“宿代”の文字。タケシのやり口だ。「なんでも金かよ、バカヤロウ!」。有里はやり場のない怒りにかられた。ふと目を上げるとドアの外に友也と健太が立っていた。心配して来てくれたのだ。「来ないで!なんでほっといてくれないのよ。こんなところ、みんなにだけは見せたくなかった」。有里は2人を外に押し出すと泣きくずれた。
友也は美冬の紹介で、予備校で英語の臨時講師をつとめることになった。「オレはこれからみんなに生きた英語を教えていきたい」。熱く語る友也とは対照的に生徒たちは無反応。生徒の一人、松本アリス(上原美佐)が冷やかに言った。「死んだ英語の方がいいです。私たち受験生ですから」。けれど友也はひるまなかった。「よーし、始めるぞ」。美冬は講師を始めた3年前の自分を見ているようで少しうれしくなった。
有里は憂うつな気分で帰宅した。今朝出社するなり、異動を命じられたのだ。不倫相手の上司が無関係とは思えない。何もする気になれなくてベッドに横たわっていると、窓越しに花火が見えた。有里はベランダへ飛び出した。「有里!花火しようぜ」。友也、健太、美冬が手を振っていた──。

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第3話 告白

あらすじ

 恭一(伊藤英明)は上司から突然市場調査にまわるよう命じられた。プレゼンで確かな手応えを感じていた恭一は納得いかない。外出しようとした上司につめよったが、「組織には組織の考え方がある。いやなら辞めろ」と突き放された。ロビーで立ちつくしていた恭一の耳に女性の声が聞こえた。「長谷川健太さんをお願いしたいんですが」。健太(山崎樹範)のメール相手、有坂七重(長谷川京子)だった。「今日は戻って来ないんだ」。
恭一はとっさに事情を察した。どうやら健太は家業の魚屋を恥じて、恭一の会社名を七重に伝えたらしい。七重は健太とのデートで突然帰ってしまったことを詫びた。
「仕事、偽るんじゃねぇよ」「マジ?会社に来たのかよ!」。七重の行動に落ち込んでいた健太は喜んだ。「もう一度会って、ちゃんと魚屋だって言え」「・・イヤ・・わかってるんだ」。しかし、打ち明ける勇気はまだ健太にわいてこなかった。
「仕事を辞めてほしい」。夫の真剣な口調に聡美(田畑智子)は思わず身構えた。
夫の気持ちには以前から気づいていた。しかし聡美は老人介護の仕事をあっさり捨てる気持ちにはなれなかった。「もっとパワーあると思ってたのに」ジュピターで友也(坂口憲二)が美冬(小雪)相手に予備校の生徒の無気力ぶりをボヤいていると、恭一がふらりと現れた。「そっか、今は同じ職場なんだもんな」。恭一はつぶやいた。美冬は予備校の講義数を増やすよう打診されていた。引き受ければ小学校教員の夢はさらに遠のく。「夢なんだろ。頑張れよ」。友也は励ましてくれたが、恭一の反応は違っていた。「今の美冬がそんな狭き門通れる訳ないよ。本気じゃないなら、辞めたほうがいい」。恭一の言葉に美冬はショックを受けた。
「会社に来てくれたんだろ」。健太は七重と再会した。健太が本当は、魚屋であることを言いだしかねていると、突然、七重が胸を押さえてうずくまった。健太は救急車で病院に向かい、聡美に来てくれるよう電話で頼んだ。旦那と仕事についてちゃんと話し合おうと思っていた聡美だが、健太を心配して、駆けつけてくれた。しかし、回復した七重の反応は冷やかだった。「帰ってください――」。

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第4話 秘密

あらすじ

 行きつけのジュピターで友也(坂口憲二)、美冬(小雪)、聡美(田畑智子)、有里(小西真奈美)が集まっていると、スーツ姿の健太(山崎樹範)が七重(長谷川京子)を連れて現れた。健太は、皆に気づいて逃げようとしたが、友也につかまってしまった。遅れてやって来た恭一(伊藤英明)は健太のスーツ姿を見て、まだ仕事を偽っている事に気づく。何も知らない友也たちは、健太の家業の魚屋の事を口にするが、嘘をつかれていたことに気づいた七重は店を飛び出してしまった。
ようやく借金を完済したタケシ(オダギリジョー)に憧れていたシステム開発会社からスカウト話が舞いこんだ。タケシのために3百万円の支度金まで用意してくれていた。タケシは回り道した3年を取り戻すつもりだった。借金の返済が完了した事を聞き、有里も喜んでくれた。タケシは出会い系サイトの仕事を辞めたいと願うが、逆に、健太に借金がある事を知らされる。サイトにハマった健太の借金がそこまでふくれあがっていたのだ。
タケシは健太の借金3百万円の返済を迫られた。
タケシのオフィスに友也がやって来た。「健太の彼女の居場所、調べられないかな?」。
友也は健太が七重と連絡がとれなくなった事に責任を感じていた。もちろん友也は健太の借金を知らない。「彼女のことは忘れろと言ってやれよ」タケシは友也に向き直った。「オマエ、なんで他人のために走りまわっているわけ?自分自身が空っぽだから、他人のことばっか、首突っ込んでるんじゃねえのか?」。タケシのその言葉は友也の胸に深く突き刺さった。
大型プロジェクトから外された恭一は上司から新しいクライアントを任された。すでに倒産間近の中小企業で、恭一にとって気の重い仕事となった。
七重からの連絡が途絶えてしまった健太は家業に身が入らない。母親に八つアタリしているとタケシが現れた。「お前、世間知らずにもほどがあるぞ」。3百万円の借金という事実に健太は半泣きになった。「俺に任せろ。その代わりあの子のことは忘れろよ」。ぼう然となる健太に向かってタケシはクギを刺した。「お前は救いようのないバカだ。・・・言うなよ、誰にも」。
タケシはさらにスカウトされた会社から思わぬ要求をつきつけられていた。出会い系サイト15万人程度のデータを渡せと言うのだ。「あの支度金はそのデータの値段のつもりでもあったんです」。タケシの能力や才能を評価されたのではなかったのだ。プライドを打ち砕かれたタケシは頭の中が真っ白になった――。

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第5話 キス

あらすじ

 キャバクラで働く七重(長谷川京子)に偶然会った恭一(伊藤英明)は、健太(山崎樹範)の思いを伝えたが、七重は冷ややかだった。「もう一度連絡しても、お互いに傷つくだけです」。
友也(坂口憲二)の部屋に予備校の生徒、松本アリス(上原美佐)が現れた。「今夜泊めてもらえませんか?」。仕方なく友也はアリスを泊めたが、翌朝になるとアリスは「今夜も泊めてください」と言い残すと、さっさと予備校に出かけてしまった。
恭一はコンサルタントを依頼されたサカイ工業へ視察に出かけた。恭一は、販路拡大の再建案をまとめていた。ところが上司は、企画書を恭一に突き返した。「大事なのはわが社の利益だ」。だが、恭一はゆずらなかった。「やってみなければわかりません」。
友也はアリスの一件を美冬(小雪)に打ち明けた。「表沙汰になったら問題よ」。アリスの家出は両親の浮気騒ぎが原因らしい。
「気持ちは分かるけど・・・」。美冬はアリスと話をしようと試みたが、逆に言い返された。「先生って出来の悪い教科書みたい。正しいけど、つまらないことしか書いてない」。
健太が実家で魚をさばいていると、妹が興奮して飛びこんできた。「すっごい美人のお姉さんだよ」。七重は、全て打ち明け、健太に詫びた。「こうして嘘がわかった後でも、私達、友達になれますか?」。健太は一瞬自分の耳を疑ったが、すぐにうれしさがこみ上げてきた。
聡美(田畑智子)は連日の夜勤を頼まれて疲れきっていた。そんな折、姑にお茶を出そうとして熱湯をかけてしまったのだ。「バカヤロウ!」。夫の怒声に聡美は身をすくませた。
タケシ(オダギリジョー)は求職活動を始めるが、どこも門前払い。大学中退、しかも3年間のブランクがある。そんなタケシを、有里(小西真奈美)は、励まし続けていた。
恭一と美冬が実家のもんじゃ焼き屋で会っていると、七重が急に現れた。七重は2人に気がねしながら、健太に全てを打ち明けたことを告げた。恭一は、七重を追って店を出た。
「今度電話してもいいですか?」七重に聞かれた恭一は、戸惑いながらも携帯番号を教えた。
「家に帰れ。俺だって、いちおう男だぞ」。アリスはまた友也の部屋に泊まると言いだした。「私ね、誰も見つけられないほど小さくなりたい」。アリスが心の内を少しだけのぞかせた。友也はアリスを屋上に連れ出し、満天の夜空を指さした。「俺も小さくなりたいと思ったことがある。その時もこうやって夜空を見た。・・・・・・小さくなれたか?」。
「会社、決まったよ。心配するな。普通の仕事だよ。」タケシは、不安そうな表情の有里には黙っていた。その仕事には、またあの男、松原(松重豊)がからんでいることを。
美冬の恐れていた事が現実になってしまった。友也とアリスが同棲しているという匿名のFAXが予備校に届いたのだ。「最後にもう1時間だけ、授業やらせてください」。友也はそう言って、最後の教壇に立った――。

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第6話 裏切り

あらすじ

 オフィスを出かけた恭一(伊藤英明)の携帯電話が鳴った。「え? 自殺未遂!」。七重(長谷川京子)が手首を切って自殺を図ったという。恭一が病院につくと、七重のカウンセラー佐知子(木野花)が待っていた。七重が自殺未遂直前に連絡したのが恭一だという。
「今日のことは内密にお願いします」。恭一は、七重と会う約束をしていた健太(山崎樹範)に伝えるわけにいかなくなった。
友也(坂口憲二)の部屋に聡美(田畑智子)が現れた。まもなく聡美の働く老人ホームで納涼会がおこなわれる。聡美の担当している柴崎(奥村公延)が大好きなお相手に自作のタイル画をプレゼントしたいらしい。ついては絵心のある友也に下絵を頼みたいという。
「実は、まじめに絵をやってみようと考えていたんだ。頑張るよ。」友也は引き受けた。
タケシ(オダギリジョー)は、松原(松重豊)から、秘書に引き合わされた。「私はお2人に会社を作ってもらいたい。社長はあなたです」。てっきり松原の下で働くものと思っていたタケシは驚いた。
「nanaさん!」。七重から一方的にデートをすっぽかされた健太は落胆していたが、当の彼女からの電話に思わず声がはずんだ。「急にケガをして、まだ入院中なんです」。
しかし、見舞いに駆けつけた健太に七重は言った。「ケガしたこと、狭山さんには言わないで」どうして恭一の名前が出てくるのか。健太の胸の中で恭一に対する小さな不信感が芽ばえた。
その恭一は、佐知子から七重の心の病について説明を受けていた。最初の発作は高校生の時、バスの中。3カ月後には地下鉄でも起こった。めまいがして、手足が震える。乗り物に乗ることも他人に会うことも不安になった。そんな状態が18歳から25歳まで7年間、青春の一番輝かしい時間を苦しみだけで塗りつぶしてしまった。「七重さんから聞きました。色んな事を正直に話せそうな人に出会えたって。」それは、恭一の事だった。  美冬(小雪)の部屋に聡美と有里(小西真奈美)が集まった。そこで、聡美は打ち明けた。
「納涼会の日を最後に介護士、辞めるんだ」。美冬も有里も聡美の気持ちが痛いほどわかった。
だから聡美の出した結論を応援することにした。
恭一が七重のお見舞いにやって来た。七重のことも逃げるわけにいかない。佐知子から聞いたことを七重本人にぶつけた。「・・・聞いたんですか、みんな。あの夜、私が何をしたかも知っていて、それなのに、どうして?」「俺たちはもう出会ったんだ」。恭一はその言葉に気持ちをこめた。「普通の人なら引きますよ。私だったら嫌です。私みないな・・・」。「自分の事そんな風に言うな。おれはここにいて、君がそこにいる。それだけだ――。」

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第7話 涙の夜

あらすじ

 恭一(伊藤英明)はオフィスである資料を前にしてショックを受けていた。サカイ工業の最大手の得意先である電気メーカーの発注部門廃止が既に半年前から決定されていたのだ。サカイ工業再建の夢は事実上断たれた。
タケシ(オダギリジョー)は新しい会社での仕事に懸命に取り組んでいた。秘書の美佐子(宮下今日子)が内密に松原(松重豊)と連絡していることに気付かずに・・・。タケシの携帯が鳴った。美冬(小雪)だった。「恭一と友也(坂口憲二)の事だろ?」察して聞いたタケシに、美冬はいきなり言った。「3年前の約束って何?タケシなら分かるでしょ?どうして2人があんなにモメたのか?」「ホント、おめでたいな。お前のせいだ」。大学生活最後の夏合宿。友也は美冬が好きだったが、恭一の美冬への思いの強さを知り身を引いた。「友也がどれだけお前のことを思ってきたか、少しは考えろ」。美冬はタケシに何も言い返せなかった。
美冬は聡美(田畑智子)を自宅に訪ねた。夫の希望どおり、聡美は家庭に入っていた。
「私も友也の気持ちに気付いてた。美冬も気付いてて、友也の優しさに甘えてたんでしょ。」「・・・・・・」。その時、聡美の夫の山瀬(田中哲司)が入ってきた。「おれ、そろそろ行くよ」冷たく言い放った。夫婦仲はしっくりいってない様子だった。
有里(小西真奈美)にも気がかりな事があった。タケシの不在中、2人の男がタケシを訪ねてやって来たのだ。「松原という男をご存じですか?」有里は、なぜか胸騒ぎを感じた。
恭一はサカイ工業の再建案を練り直した。見積書を手に、恭一が会社を飛び出すと、健太(山崎樹範)が立っていた。「俺は七重さんが好きだ。お前が七重さんの事をどう思っていても告白するぞ」「おう、頑張れ」。恭一はそれだけ言うと走り去った。
恭一は発注部門の廃止を撤回してくれるよう、電気メーカーの営業部長に直談判するつもりだった。しかし、その場に一緒にいた上司の雨宮(浅野和之)に見積書を破り捨てられた。「今できる一番いい選択肢をサカイ工業に与えることも、コンサルタントの役目だ」。それは、サカイ工業の倒産を意味していた。恭一にはもう打つ手はなかった。
恭一が夜の街をぼう然と歩いていると、美冬の携帯を使った友也から電話が入った。「来いよ。美冬、もうすぐ試験だし」。美冬の教員採用試験が迫っていたのだ。「今夜は、行けない。今は、美冬のことまで考えられない」。美冬は恭一の言葉にショックを受けた。
「送るよ」。と言った友也に美冬は向き直った。「3年前の夏の約束、タケシから聞いちゃった。でもいくら優しくしてくれても、私、友也にはその気ないから」。美冬のほおを一筋の涙が流れた。「そっか。どっちにしろ、昔の話だよ」。友也はいつもと変わらず優しかった。
「私そんな資格ないよ。臆病だし、嫉妬深いし、ずるいし・・・。」「美冬はずるい女じゃねえよ」「今だって、友也に抱きしめて欲しいと思ってるもん―――」。

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第8話 迷路

あらすじ

 聡美(田畑智子)が買い物に出たきり帰って来ない。夫の山瀬(田中哲司)から連絡を受けた美冬(小雪)は早速仲間たちに知らせた。友也(坂口憲二)と健太(山崎樹範)らと手分けして、聡美を捜し始めた。
恭一(伊藤英明)はサカイ工業の人々の期待に応えられなかった責任を感じていた。辞表を提出した恭一(伊藤英明)に上司は言った。「所詮、コネ入社だな。父親の力を借りるような男に期待した俺がバカだった」。恭一は自分の耳を疑った。父親は死んだと、物心ついた頃から母てるみ(大谷直子)から聞かされてきたからだ。
恭一が帰宅すると、店で七重(長谷川京子)が働いていた。アルバイトで雇ってほしいと恭一が頼み込んだのだ。「少し席を外してくれるかな」。母子2人きりになると、恭一はてるみにつめ寄った。 「どうして嘘ついてたんだ?そいつはどんなヤツなんだ」。うろたえるてるみを残して恭一は店を飛び出した。2人のやりとりは外にいた七重の耳にも届いていた。
タケシ(オダギリジョー)の新しい会社は順調に動き始めた。気にかかっていた事を松原(松重豊)に聞いた。「昨日警察の人が来ました」「誤解ですよ」。松原は一笑に付したが、タケシには釈然としない思いが残った。
一方、有里(小西真奈美)は職場で落ち込んでいた。今度はアンテナショップのカフェのフロア主任を命じられた。つまりウェイトレス。携帯電話でタケシに伝えながら歩いていると、当のタケシが前方のビルから出てきた。駆け寄ろうとした有里の動きが止まった。松原が一緒だ。もう会っていないとタケシは言っていたのに。
友也は聡美の自宅近くで美冬と落ちあった。「何か手がかりあった?」。美冬が首を振った途端、携帯電話が鳴った。「聡美でしょ!帰っておいで、まず私たちのとこへ」「もう、どこにも帰れない。ずっと海見てて─」。電話は切れた。「ここの駅、終点は海だぞ」。美冬はすぐ山瀬に知らせた。「迎えに来てほしいのは、あなたのはずです」「捜しに行かれるなら、あなた方だけでお願いします」。山瀬の反応は冷やかだった。
連絡を受けた恭一は、山瀬の勤めるホテルへ向かった。「何ですか?人の職場まで」。山瀬は迷惑な表情を隠そうとしない。山瀬の口から聡美を心配する言葉は一言たりとも聞かれなかった。恭一は苛立ちと悲しみで胸がいっぱいになった。
夕暮れ迫る堤防をとぼとぼ歩いている聡美を見つけ、友也と美冬は全力で駆け寄った。「やっと見つけたぞ、この家出娘」。聡美は友也の胸の中で激しく泣き続けた。「さ、帰ろう」。
自宅前にはみんなが待ってくれていた。恭一も健太も有里も。「気づいたら電車に乗ってた。私って、ホント最悪だよね」。聡美は振り絞るように自分の気持ちを打ち明けた。それでも仲間に励まされて聡美に微笑みがよみがえった。
有里がマンションに戻るとタケシは尋ねた。「聡美、大丈夫だったか?」「ごまかさないで。また、あの松原って人と組んで、なんか薄汚い仕事を─」。タケシは思わず有里のほおを叩いてしまった。有里は、別れる決意を固めて部屋を出た――。

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第9話 命の灯

あらすじ

 恭一(伊藤英明)は父親からの連絡を一方的に切った。「勝手なもんだよ。今更会いたいなんて。」友也(坂口憲二)に感情をぶつけた。「ツラくらい拝んだっていいじゃねえか」「そんなに簡単じゃない。25年間、おふくろには俺しかいないと頑張ってきたんだ。」
美冬(小雪)は教員採用試験が終わると、産婦人科へ行った有里(小西真奈美)のもとにかけつけた。すでに妊娠7週、一番流産しやすい時期だ。「とりあえずタケシに話してみる」「そうだね。頑張って」。美冬は励ました。
聡美(田畑智子)も健太(山崎樹範)から励ましの電話を受けていた。聡美は明るく振るまったが、夫・山瀬(田中哲司)とのミゾは深まっていた。山瀬は聡美に家出の理由を尋ねようともしない。しかも聡美の宝物、老人ホームの送別に贈られた絵を壊してしまったのだ。
七重(長谷川京子)とてるみが開店準備をしていると恭一が帰り、父親から電話があったことを話した。「俺は許さないから。25年分のおふくろの嘘も・・・」。
友也のイラストを認めたという橋本法子(秋本奈緒美)が仕事の話を持ちこんだ。
友也のマネージャー気取りのアリス(上原美佐)はなぜか面白くない様子だが、悪くない話だ。
「1日で決めて」。法子は友也に即決を迫った。
有里はタケシ(オダギリジョー)に妊娠を打ち明けた。「今はわからない」。タケシの答えに、予期してはいたが、有里は落胆した。実は、タケシは仕事上で気がかりなトラブルを抱えていた。取引先に納めたセキュリティ・システムが外部から侵入されたのだ。タケシは恭一の会社なら何かつかめるのではないかと期待して頼んだ。「そうか、辞めたんなら仕方ないな」。タケシは恭一の父親のことを心配した。「親子の縁ってやつは絶対に逃れられないんだよ」。父親の借金に振りまわされてきたタケシの言葉には重みがあった。
有里は友也にも妊娠を打ち明けた。「タケシと別れる。だから産めないよ」。タケシには内緒で中絶手術を受けたい。だから同意書に友也の名前を使わせてほしい。「その頼みだけはダメだ」。友也はきっぱりと断ると、その足でタケシのオフィスに向かった。
「有里はお前に止めてほしがってるんだよ!」「まだ無理なんだ」。タケシの表情も苦悩に満ちていた。友也は振り上げた拳のやり場を失った。
有里に連絡が取れなくなった。イヤな予感がした友也と美冬は、有里を探した。
「放してよ!」「タケシともっと話し合えばいいじゃない」。友也と美冬はてるみの店に、健太と聡美を呼んだ。タケシも呼んだが、仕事で来られないという。「タケシとは別れるし、子供産む気ないから」。有里は仲間たちの前できっぱりと言いきった。
重苦しい空気を察したてるみがさりげなく口を開いた。「みんなにも恭一にも嘘ついてたの。恭一の父親、生きてるの」。てるみの恋人は大きな会社の跡取り息子だった。当時会社は経営にいきづまっていた。そんな折、資産家の娘との見合いがもちあがった。「結局私ひとりで考えて身を引いたの」。別れてから恭一を妊娠していることに気づいた。「私はひとりになってもその人のことが好きだった。その人の子供がほしかった。それになにより、ひとつの生命を消せなかった」。てるみは父親の存在を何度も恭一に打ち明けようとして、25年の時間が流れた。
「恭一がいてくれたから、私は幸せ。こういう生き方しかできなかった。バカだよね」。
てるみの告白が終わった。誰ひとりとして何も言えなかった。
同じ頃、恭一はひとり、父親に会っていた――。

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第10話 最終章

あらすじ

 「なんだか、まだピンとこなくて」。友也(坂口憲二)は戸惑いながら雑誌のインタビューに答えていた。法子(秋本奈緒美)の事務所から新鋭アーティストとしてデビューすることになったのだ。記者からフリーダイビングの過去を聞かれて、友也の表情が変わった。友也が日本新記録をだしながら、審判の疑惑の判定で涙をのんだことになっていた。記者が帰ると、友也は法子にくってかかった。「使えるものは使う。勝ちたいなら半端なこだわりは捨てなさい。これからあなたはあなた自身になれるのよ」。風来坊のような生活を続けてきた友也は、法子の言葉に何も言い返すことはできなかった。
美冬(小雪)は恭一(伊藤英明)をジュピターに呼び出した。「このままじゃ、2人とも前に進めない気がする。別れよう」「そうか」。恭一は微かにうなずいた。
「悪いな。約束守れなかった」。恭一は美冬と別れたことを打ち明けると、さびた腕時計を友也にさし出した。大学最後の夏合宿、恭一が美冬を幸せにすると誓った思い出の品。だから友也は諦らめたのだ。「本当にそれでいいのか?」「俺も美冬も、ただ相手にしがみついているより、お互い尊敬できる男と女でいたい」。
聡美(田畑智子)は夫・山瀬(田中哲司)に離婚を切り出した。しかし山瀬は聡美の言葉に耳を貸そうとはしなかった。「君の勝手にはさせない」。それが山瀬の返事だった。
タケシは、松原(松重豊)から決断を迫られていた。松原はコンピューター犯罪が発覚した時の保険として、タケシを新会社の社長に据えてきたのだ。「生まれてくる子供を犯罪者の子供にしてもいいのですか?」。松原は有里の妊娠を知っていた。「裏切りは許さない。今後もいい関係を続けるのがみんなの幸せではないですか?」。タケシは怒りを押し殺した。
恭一が店でてるみの手伝いをしていると、意外な人物がやって来た。マーキュリーの上司、雨宮(浅野和之)だった。小さい会社はいつも大企業の犠牲になる。
「ならば中小企業同士がギルドを結成して互いに支えあえばいい。これから実現に向けて動きだす」。雨宮のそんな考えを恭一は知らなかった。そして雨宮も恭一と同じく、弱者切り捨ての論理にジレンマをいだいてきたことを。「お前の有休はあと3日だ」「えっ?」。恭一は雨宮の温情に気づいた。
友也のイラストが大手銀行のキャンペーンに採用された。「俺の絵が!」「それとあなた自身の物語が。日本人はこういう美談に弱いのよね」。法子の言葉に友也の笑顔は凍りついた。
「疑惑の判定なんて嘘なんです」。しかし法子は友也をさえぎった。「認められるためには、あえて泥水をすすらなきゃいけないこともある。それが現実なのよ」。ビジネスに徹した法子に迷いはなかった。
その夜、ジュピターに着いた時も友也の心境は複雑だった。タケシと有里以外の全員が顔をそろえていた。みんな自分のことのように喜んでくれた。美冬は友也のインタビューの掲載された雑誌を手にしていた。「知らなかった。フリーダイビングでこんなつらいことがあったなんて」。仲間から口々に同情されて友也は黙っていられなくなった。「もし本当は俺が反則していたら?」。仲間たちが息をひそめた。「そんなわきゃねえだろ」。友也は冗談にまぎらわせてしまった。
しかし嘘をつき通すことはできなかった。帰り道、恭一と美冬に友也は真実を告白した。
「俺は絵の世界で成功したい。何者でもない俺から卒業したい。美冬、・・・おれを見てくれないか」「見てるよ、いつだって・・・」。思わず友也は叫んだ。「ふざけんな!いつだって恭一を選んできたじゃねえか!おれがどれだけ美冬を思っても」。友也は初めて胸に秘めていたうっ屈を美冬にぶつけた。
ホテルの銀行キャンペーンの発表会場。緊張した友也の顔が控室にあった。まだ友也は迷っていた。疑惑の判定の真相を打ち明けるべきか。「あなたの絵を売り出すためにどれだけの人間とお金が動いているか知ってるの?」。念押しする法子と入れ替わるように、美冬が姿を現わした。「友也は友也だよ。何があったって・・・」。
記者発表が始まった。司会者が友也のプロフィールを読み始めた。突然、友也は壇上に駆け上がるとマイクを取った。会場の後ろで見ていた美冬と恭一が息をのんだ。「雑誌にも載りましたが、あれは・・・」。続いて発した言葉に2人はぼう然となった──。

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第11話 友の死

あらすじ

 タケシ(オダギリジョー)は松原(松重豊)のインサイダー取引の証拠をMOに収めた。
MOはある場所に隠し、タケシが警察に出頭する。つまり松原の犯罪を背負う訳だ。  条件は「有里(小西真奈美)と生まれてくる子供の安全を約束してほしい」ことだけ。「なるほど、私の負けのようですね。あなたの彼女への愛に打たれた。そういう事にしておきましょう」。
法子(秋本奈緒美)はマーケティングデータをもとに絵を描く事を友也(坂口憲二)に要求した。納得がいかない様子の友也に「これは、芸術じゃないのよ。商品なの」。
友也の気持ちは分かりながらも、法子はビジネスに徹していた。
「赤ちゃんの心臓の音ですよ。順調ですね。」愛しそうにお腹をなでる有里につきそって、病院に聡美がついて来ていた。「有里がうらやましい。結婚って形に頼らなくても、心が通じあってる」「聡美はどうするの?」「離婚する。誰かに幸せにしてもらおうって、ずっと思ってたの。これからは、自分で自分を幸せにする。」
恭一(伊藤英明)は、中小企業同士が互いに支えあうプロジェクトに取り組む事に決めた。
だが、そのプロジェクトへの参加者である中小企業の経営者達は、恭一を疑い深い目で睨み付けていた。「俺達、若造の夢物語聞いてる暇はないんだよ。」参加者が皆帰ったあと、上司の雨宮(浅野和之)に恭一は言われた。「1カ月で、全員連れ戻せ。」
ジュピターに恭一、友也、タケシがそろった。この3人だけで集まるのは久しぶりだ。
大学時代のようにたわいもない話題で大いに盛り上がった。だが、タケシの様子に普通でないものを恭一は感じていた。
「タケシ、おまえ――」だが、タケシは何も言わず、去って行った。
美冬(小雪)は教員採用試験に合格した。予備校に退職の挨拶をすませた美冬をアリス(上原美佐)が待っていた。「会ってほしい人がいるんです」。それは7歳になる娘がいる夫妻。
娘は、ある日突然学校に行かなくなり固く心を閉ざしてしまった。「ところがあなたの絵本だけは繰り返し読むようになったんです」。友也がアリスたちと露店で売っていた絵本。
もちろんイラストは友也、そして詩は美冬だった。
早速、美冬は友也の部屋を訪ねた。「知らなかった。私の詩に絵をつけてくれていたなんて」。
しかし、友也の反応はよそよそしかった。
「時間つくれないかな?」「・・・悪いけどそんな暇ねえんだ」「・・・友也、今の生活、本当に友也が望んだものなの?」「ああ、そうだよ」。友也の返事はどこか投げやりに聞こえた。
「ぼくのどこが愛せるっていうんだ。」。夫、山瀬(田中哲司)の言葉はあくまで冷たかった。
聡美(田畑智子)は離婚の決心をした。1人で暮らしていくには経済的に自立しなければならない。
涼風ホームの寮母長に相談すると、前橋の老人ホームが介護士を求人しているという。
前橋は遠いが、今の聡美にためらいはなかった。
「おめでとう」。美冬の試験合格を祝って、ジュピターに恭一、有里、健太、聡美、七重(長谷川京子)が集まった。友也とタケシの顔はない。
その頃、タケシは思い出のつまった天文台を、一人訪れていた。サジテリアスの大学時代の写真を一つ一つ見つめ、そして最後に、壁の端に新たに何かを書き込んだ。
「乾杯!」。有里のケータイが鳴った。タケシだ。「こっちは始まっちゃったよ」。
有里はケータイを仲間に回した。タケシはそれぞれに心のこもった言葉を伝えた。
最後に再び有里が出た。
「外に出られるか?」外に出た有里にタケシは言った。「星、きれいだろ。最近見てなかったと思ってさ。・・・有里、電話でごめんな。・・・愛してる」。
有里は、なぜか、胸騒ぎを覚えた―――。

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第12話 永遠

あらすじ

 タケシ(オダギリジョー)の葬儀が営まれた。参列者の中に刑事の姿もあった。友也(坂口憲二)が食ってかかったが、捜査のためと言われては引き下がざるを得なかった。
タケシの父親が有里(小西真奈美)に頭を下げた。「あなたはまだ若い。別の人生を歩んでも誰も責めない。世間的には犯罪者の子供です」「そんな風に言わないで下さい」。有里はそう答えるのがやっとだった。
「あの夜タケシは何をしようとしてたんだろう」。パズルの最後の一片が見つからない。
「探せばいいんだ、あきらめずに」。恭一(伊藤英明)は自分に言い聞かした。 恭一は松原(松重豊)を訪ねた。「タケシは利用されただけで、別に首謀者がいた可能性もあります」。ズバリ核心にきりこんだが、松原にかわされてしまった。
美冬(小雪)は北海道から上京してきた向坂夫妻と、その娘みゆに会っていた。心をとざすみゆは美冬の“ココロの絵本”には強い関心を示していた。「ユウキって何?」。みゆの開いたページには“ただ信じる。それが一番の勇気”と書かれていた。答えられない美冬に、みゆは絵本を返した。自分には心を開いてくれるのではないかという美冬の期待はあっさりと打ち砕かれた。
七重(長谷川京子)は自分を変えようと演劇セラピーに取り組んでいた。しかし稽古中、ふいにセリフが言えなくなった。「あなたはちゃんとやれると信じてますよ」。演出家は励ましてくれたが、思わず七重は言い返していた。「信じるって、もっと・・・もっと哀しいことだと思います」。
聡美(田畑智子)は、夫の山瀬(田中哲司)と会い、前橋の介護センターに仕事が決まり、離れ離れになる事を告げていた。「知り合って始めての頃、私介護センターの洗濯当番で手が荒れてました。でもそんな手をきれいだって言ってくれました。そういう手の女性が好きだって言ってくれました。その一言が嬉しくって。つらいとき、いつもその言葉を思い出していました。」
健太(山崎樹範)も苛立っていた。心臓に持病のある妹の琴美(岡田めぐみ)が遠方への転院を拒んだからだ。「離れ離れに暮らすんじゃ、家族なんて言えない」。健太は珍しく声を荒らげた。「お兄ちゃんの友達が死んだのに、お前は!」。
タケシの初七日、ジュピターに仲間たちが顔をそろえた。「みんなで騒いで、送りだしてやりたかっただけなんだけど」。健太の声は沈んでいた。集まったのは美冬、聡美、七重だけ。
その頃、友也はようやく仕上げた絵を法子(秋本奈緒美)に手渡していた。「自分を責めてはダメよ」。友也は苦しい胸の内を打ち明けた。「タケシのこと、100%信じれない。99%しか信じられない・・・」。「素敵ね。99%信じられる友情なんて、なかなかあるもんじゃない」友也はジュピターの仲間たちと合流すると、有里の部屋に押しかけた。重い空気をふっきるように、遺品から出てきたビデオを見ることになった。タケシの大好きだったアクション映画だ。
ところが流れてきたものを観て、全員が息をのんだ―――。

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引用元:番組公式サイト

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