ドラマ『さよなら、小津先生』の動画を全話無料で見れる配信アプリまとめ

  • 2024年8月13日
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2001年10月〜12月に放送されたドラマ『さよなら、小津先生』

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ドラマ『さよなら、小津先生』はどんな作品?

話数 全11話
放送年 2001年10月期
放送枠 フジテレビ系 火曜21時
脚本 君塚良一
演出 平野眞
河野圭太
西谷弘
音楽 大島ミチル
主題歌 「おやすみなさい」 aiko
キャスト 田村正和
ユースケ・サンタマリア
瀬戸朝香
西田尚美
京野ことみ
小日向文世
谷啓

君塚良一 大島ミチル 平野眞 河野圭太 西谷弘 ユースケ・サンタマリア 京野ことみ 小日向文世 瀬戸朝香 田村正和 西田尚美 谷啓

主人公

名前(演) 小津南兵(田村正和)
年齢 51
職業など 教師

あらすじ

ここに、一人の男がいる。裕福な家庭に生まれ、中学時代は、バスケットボール部で活躍した。高校は進学校で、バスケは断念したが一流大学を出て、一流銀行に就職、出世し、結婚して家族を持った。何も問題のない人生を送っていた…。
小津南兵【田村正和】。小津は五十を過ぎて、初めて蹉跌を味わうことになる。勤めていた銀行のNY支店長として、本社の命令のまま、法を超えた危険なディーリングに関わり逮捕される。出所して日本に戻った時には全てを失っていた。職、名声、家族、財産。残ったのはブランドのスーツと前科者のレッテルだけ。
「俺には才能がある。必要としている企業や銀行はいくらでもある」
再就職の困難さと直面しながらも、小津はなおも、かつてのポストを追い求める。それが叶うまでの、とりあえずの仕事として、不本意な職に就く…。
小津は、東京の私立高校の臨時教師となる。小津は子供が嫌いだ。いや、人が嫌いなのだ。人を信じられなくなっていた。信じないから、人を人とは見ない。まして教育なんかに興味はない。生徒たちも、やる気がなく、校内は覇気のない空気に覆われていた。

教師は、子供に何も教えない、教えられない。このドラマは、小津と若者たちの激しくもおかしい交流をコメディタッチで描きながら、大人が子供に教えられ、成長していく人間賛歌の物語である。

引用元:番組公式サイト

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以下に各話のあらすじや主要動画配信アプリ・サービスでの配信状況をチェックできるリンクを載せておくので、こちらもチェックしてみてください。

『さよなら、小津先生』の各話あらすじ

第1話 ふさわしくない男

あらすじ

小津南兵(田村正和)は、光陰高等学園の2年1組の教壇に立っていた。メールを打つ者、携帯で喋る者、いちゃつく者・・・・・・そこは「イマドキ」の10代で埋まっていた。授業を聞く者などいそうもない教室で政経の教科書を開き、小津は、なぜ自分がここにいるのか自問するのだった。
1年前、小津はニューヨークの銀行のオフィスにいた。外国人相手に、パワフルに仕事をする小津は、自信に満ちている。あるレストランで政治家相手に小切手を切った瞬間、ブラックスーツの男たちに取り囲まれた。FBIであった。小津は贈賄で逮捕されたのだ。
1ヶ月前、NY刑務所から出所した小津は躊躇せずオフィスに向かった。が、そこに席はなかった。解雇されたのだ。小津はすぐに帰国の途につき、本店へ。同期の島谷(大杉漣)が言う。「お前の椅子はない。当時の役員はみな、椅子を変えた」
「俺に罪をかぶせたのか? 全力でやるということは、法を超えてでもだ。なぜ、俺だけ・・・・・・俺はまだやれる・・・・・・」
家に帰ると妻の静香(余貴美子)が、離婚届を持ってきた。小津は笑って「大丈夫だ、すぐに仕事に戻れる」と虚勢を張るが、静香は「あなたは分かっていない。あれ以後いじめられ続ける娘の絵理の将来のためなんです」ときっぱりと言う。
小津は翌日から、就職活動を始めた。横柄で自信に満ちた口調でセルフ・プロモーションする小津。実績を知る他行の役員は丁寧に応対する。当然の様子で笑みを浮かべる余裕の小津であった。
そんな夜、小津はホテルのバーで、騒ぎ続ける若者の一団に出くわした。注意すると、顔を覗き込んだ男、加藤賢(ユースケ・サンタマリア)が「こいつ有名人だ。転落の銀行員。脱走したの?」と酔った勢いではしゃぎ始めてしまった。それを殴り飛ばしたのは女性の足利みゅー(瀬戸朝香)だった。「年上をからかうな」。一団はぞろぞろと帰り始めた。「?」の小津であった。
翌日から、小津には不採用の知らせばかりが届き始めた。そんな折、島谷が現れた。「銀行の就職は俺が潰した。他行に行ってもうちの銀行の迷惑なんだ。銀行から足を洗え」。そう言って涙ぐむ島谷が持ってきたのは高校教師の仕事だった。
無視して家に帰ると、絵理(水川あさみ)が言う。「ママ、この人、幽霊みたい」。その言葉を聞いた小津は決心した。静香の離婚届に判を押し、島谷の申し出を受けることにしたのだ。
小津はその学校に行った。「恐喝に来たのか!?」。青ざめた加藤は、鹿松哲郎(谷啓)校長と小津が話す席に乗り込み、「校長、金、払ってやりましょう」と声を荒げる。が、鹿松は「君と一緒に2年生を教えてもらうよ」とニコニコと伝えるだけであった。
加藤は小津をスポーツバーに誘った。小津は「教員を続ける気はない。銀行へ戻るまでの間だけだ」と言い切る。そこへ、光陰の生徒がやって来た。加藤が顧問をするバスケット部の生徒たちだ。喧嘩を始め、ビールをのむ生徒や、それを止めもしない加藤を見て、違和感が募る小津に、中の一人、井本浩二(森山未來)が言った。「あんた、幽霊みたいだな」。苦し気にビールを呷る小津だった。
小津はそのまま、加藤の家に転がり込んだ。そこは生活感のまるでない雑誌から抜け出したような整理された空間だった。レアもののコレクションに囲まれ、すべてはリモコンで動く。小津は眠ることができず高校の体育館に入った。バスケットボールを触っていると、女子部の顧問のみゅーがやって来た。「びっくりした。幽霊が出たかと思った」。小津はその言葉を再び噛み締めるのだった。
教室は無秩序が続いている。勝手に外に出て行く者、メールを打ち続け、携帯を取りあげると襲ってくる者、授業を急かす者・・・・・・。小津は子供たちを睨み付けて言い放った。
「俺は幽霊なのか?」

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第2話 おかしな二人

あらすじ

始業時間の光陰高校正門前。みゅー(瀬戸朝香)が、竹刀を持って遅刻生徒ににらみをきかす。そこへタクシーが。悠然と降りてきたのは、シックなスーツに身を固めた小津(田村正和)であった・・・・・・。
小津の1時限目は2年1組。浩二(森山未來)は空を眺め、光(脇知弘)は居眠りし、章夫(池田貴尉)はメール打ち。淳(忍成修吾)、剛(EITA)未句(中川愛海)に至っては現れていない。経済の教科書を開き授業を始めようとすると、剛と未句がいちゃいちゃしながら教室に入ってきた。注意しても聞く様子もない。うんざりする小津だったが、ほかの教室も似たようなものであった。
教科書の「銀行」の項目で、理不尽な銀行の仕打ちを思い出した小津は「ウソつきの教科書を書き換えろ」と指示する。生徒が呆気に取られている、その時、淳が現れ「行こう」と光たちを誘って出て行こうとした。小津が「君らのためにやってるんだ」と怒鳴ると、淳たちは「勝手にやってろ」と無視して出ていってしまった。一瞬おし黙った小津は憤然と教室を出てしまった。
そしてその後「生徒が無銭飲食」の報が入る。どうやらカトケン(ユースケ・サンタマリア)のクラスの生徒らしい。渋谷の焼肉屋で無銭飲食したのは授業中に抜け出した浩二ら4人と1年の健太(勝地涼)。たらふく食べた5人は、迎えに来たカトケンに金を支払わせて、警察沙汰にはならなかった。
放課後、職員室では5人の処遇で会議が持たれた。「停学」「ほっとけ」「誰が金を払うんだ」・・・・・・。誰も生徒たちのことを考える者はいない。小津が口を開いた。「彼らに言うことあるでしょう。無銭飲食は犯罪だって。言わないから分からないんだ」。一瞬納得する若手教師だったが、主任の佐野(小日向文世)は「そんなことはずっと言い続けましたよ。直らないから処分するんだ」と悟ったような言い方。
結局、5人が所属するバスケ部を明日の試合を持って休止することで話がまとまった。バスケ部の休止を小津が生徒に伝えると、悲しむどころか「助かった」と大喜びである。浩二は「明日試合が終わったら、カトケンを胴上げだ」と不敵に冷たく笑うのだった。
夜の職員室で小津は浩二たち5人のことをまなび(西田尚美)に尋ねた。まなびによると、5人はすべて問題を抱えた転校生であること、また、この学校の教師もそれぞれ問題を抱えていることがわかった。
カトケンはマンションの自室でみゅーを待ち受けていた。「マイケル・ジョーダンのユニフォームをあげる」とみゅーを誘ったのだ。ドアチャイムが鳴る。開けると私服のみゅー。その後ろには小津。みゅーはガードに小津を誘ったのだ。みゅーをエスコートして、ずかずかと上がり込む小津に、カトケンはまたまたペースを乱される。
その時、再びチャイムが鳴った。訪ねてきたのは浩二だった。浩二は「胴上げ楽しみにな」とだけ言い残して帰って行った。
翌日、小津は妻の静香(余貴美子)に会い、家などの名義を変更手続きしていた。静香は「あなたはいつも絵里を裏切った。言葉で言わなくても、表情であなたに何かを訴えていたのよ。あなたが見ていなかっただけよ」と諭すのだった。
体育館でバスケの試合が始まった。みゅーが率いる女子部はいい試合をしている。男子の試合になった。浩二だけが突出してうまいが、点差は開くばかり。前半で100点差付き、試合はコールド負けで終了した。いよいよ男子バスケ部は休止となる。しかし、浩二のプレイに何かを感じた小津は・・・・・・。

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第3話 小津先生、走る

あらすじ

カトケン(ユースケ・サンタマリア)の部屋へ朝から大量の荷物が届いた。小津(田村正和)の引っ越し荷物である。その量の多さに愕然とするカトケン。同居するならルールを決めようと提案するが、なぜか小津のペースに巻き込まれてしまうカトケン。
朝の職員室では、小津が、バスケ部の顧問を買って出たことが話題になった。感激するみゅー(瀬戸朝香)、うんざりする一葉(京野ことみ)・・・・・・。が、小津は「勢いでつい言っちゃった」と他人事のようである。
2年1組で小津の授業が始まった。浩二(森山未來)、光(脇知弘)、章夫(池田貴尉)、淳(忍成修吾)らが小津の態度にいちゃもんを付けはじめた。「放課後、体育館で待っている」と小津。浩二たちは不愉快そうにそのまま教室を出て行くのだった。
放課後、体育館で待っている小津の携帯に一葉から「5人は代々木公園にいる」と連絡が入った。小津が公園に行くと、5人は楽し気にボールで遊んでいた。じっとそれを見詰める小津だった。
翌日、小津は浩二に「練習へ出てこい」と誘った。が、浩二は無視して出て行った。小津は健太のところへも行く。丁度、健太は金をたかられていた。「彼はバスケ部で、私は顧問だ。だから今後も見に来る」と、たかっている生徒を追い返し、健太にも練習に出るように誘う。健太も目をそらしてその場を離れて行った。また、章夫はまもなく転校するらしい。
ある日小津の携帯が鳴った。島谷(大杉漣)からであった。「お前が必要になった。銀行に来てくれ」戸惑う小津だった。
放課後、小津はまた、体育館で5人を待っていた。鹿松校長(谷啓)がぶらりとやって来て「あなたと彼らはよく似ていますよ。挫折を知っている」と言って、去って行った。
章夫が現れた。転校の本当の理由は、父親の事業が失敗し、実は高校を辞めさせられるのだと言う。「じゃ、2学期だけでもバスケやろう」と小津が言ったその時、光が割り込んできた。「誘惑するんじゃねぇ」と小津を突き飛ばす。
「私もきっと君のように刺々しいんだな。章夫君こいつらと離れられてよかったな。私は負けてヘラヘラしてたくはないんだ」と言い放ち、小津はその足で銀行へ向かった。
島谷によると、興洋銀行で大口の不良債権が発生し、それを小津に隠蔽工作して欲しいのだと言う。小津はすぐさまやり手銀行マンの顔に戻りバリバリと指示を始めた。それを頼もしく見詰める島谷は「戻ってくれ。人事は旨くやる」と小津に懇願する。だが、小津は意外な答を出した・・・・・・。

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第4話 子供たちを信じる

あらすじ

小津(田村正和)と加藤(ユースケ・サンタマリア)が朝の登校中で、小津はふと「バスケ部の連中が練習するそうだ」と加藤に漏らす。驚きのけぞる加藤・・・・・・。
実際、2年1組の浩二(森山未來)、光(脇知弘)、章夫(池田貴尉)、淳(忍成修吾)も1年の健太(勝地涼)もバスケのウエアを用意して登校していた。
が、佐野(小日向文世)は、鹿松(谷啓)校長に「休部の決定を守るようにしてくれ」と詰め寄っていた。鹿松は娘で教師のまなび(西田尚美)に「君は偉くならないといけないので、君が決めなさい」と、彼女の判断に任せている。
放課後、体育館に教師たちが集まった。バスケ部員を待っている小津や加藤。女子部の顧問のみゅー(瀬戸朝香)、さらにそれを止めさせようという佐野やまなび。そこへ浩二たちがやって来た。
「あんたには関係ない」「ここにいるな」と小津を拒否する部員たち。唯一、章夫だけは小津を笑顔で見ている。
光がボールを小津に向かって投げつけた。小津はコートに落ちているゴミを拾う振りをしてそれをよける。そのボールは加藤の額を直撃、加藤は失神してしまった。それを見た佐野は「君のしたことは殴ったのと同じだ」と激昂、問題にすると息巻く。
小津はその足で章夫の家へ向かった。事務所兼住宅には父親の真司と銀行員二人がいた。真司は事務所を畳んで北海道に移ると言う。小津には、銀行との融資トラブルがあることが見ていて判る。自分も彼らのようだった・・・・・・と。
小津はみゅーをスポーツバーに呼び出した。まるで若い女性を口説くエグゼクティブのように接する小津にみゅーはときめきそうになるのだが、小津の用件は別だった。「休部になる前に急いで練習試合の相手を探してくれ」
小津が家に帰ると、加藤と一葉(京野ことみ)がいる。小津は3人でバスケ部の練習計画を練り始めた。まるでビジネスの組織マネジメントを指揮するかのように的確に計画を立てる小津を見て、驚く二人。「経営もスポーツも人材管理課だ」と小津は言い放つ。
翌日の早朝、小津は体育館をのぞいた。女子部の練習に交じって章夫が来ている。章夫は携帯が止められメールが打てなくなったと言う。メール相手は別れた母親だったとつぶやく。小津は章夫に「うまくなりたいか? ならドッジボールのようにボールを壁に向かって投げ続けろ」と指導する。章夫は怒ったように壁にボールを投げ続けた。そこへ、みゅーが「練習試合が取れた」と報告に飛び込んできた。
職員室では、佐野が、光がカトケンにボールをぶつけたことでの処分を提案していた。「あいつらにスポーツする資格なんかない、バスケ部は廃部だ」と佐野。何故生徒達を信用しないのか、小津は疑問だった。
一方、まなびも話しがあると言って小津を誘った。まなびの頼みとはバスケ部の廃部を、まなびの代わりに伝えることだった。「12月までやらせたら?」と小津。
「近づいたら裏切られる。私怖いんです」とまなびは悲痛な叫びをあげるのだった。
練習試合が始まった。小津は一葉を誘って見物している。廃部を言い渡すために佐野とまなびもいる。前回とは違って頑張る部員たち。だが、点差は広がる一方である・・・・。

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第5話 先生と生徒の恋

あらすじ

小津(田村正和)は久し振りに娘の、絵理(水川あさみ)に会った。化粧の濃くなった絵理は「父親なんか忘れた」・・・・・・こう言い捨てて、立ち去って行った。苦り切る小津であった。
光陰学園高校は小津のせいか、少しずつ変化が現れてきていた。光(脇知弘)は小津に従順になったし、まなび(西田尚美)も少しづつ強くなってきた。
そんな中、剛(EITA)と未句(中川愛海)が遅刻してやってきた。佐野(小日向文世)とまなびが見咎めると、剛は開き直り、一葉(京野ことみ)と淳(忍成修吾)が昨晩デートしていたというのだ。息を呑む教師二人。
休み時間、章夫の穴を埋めるため、小津は、加藤(ユースケ・サンタマリア)とみゅー(瀬戸朝香)に長身の者をスカウトするよう頼んだ。小津は体育館で、加藤が連れてくる男子生徒一人一人にボールを投げつけテストするが、期待に添う生徒はいない。そこへ偶然、剛がやって来た。加藤は無理やり剛を小津の前に押し出した。剛はボールも見ずに受け止めた。小津の目が光った。シュートさせてみると、ゴールは3本とも外れるが、その正確な球筋を小津は見逃さなかった。
そのころ校長室には、淳の父親孝正が怒鳴り込んできていた。
「子供を預けているんです。壊して返すような真似をしたら許しませんから。明日までに納得いく説明を」と孝正は言い残し、立ち去った。

剛は浩二たちを誘って渋谷に出た。「バスケ部なんてやめちゃえ」。剛は何かと部員を煽り、遊ぶように仕向ける。浩二たちはそのまま渋谷のビルの谷間で3オン3のバスケに興じるのだった。
職員室では、一葉に事情を聞いていた。「なんとなく。歩きながら話を・・・・・・。すいません」と一葉。「すいませんですむの!?一線は守らなきゃ。親としては許せないことなんだ。軽率だ」と、いつになくきつい口調の小津であった。
夜になって小津と加藤は酒を飲んでいた。加藤は、小津が一葉を正論で追い詰めたのが不思議だった。小津は逆に加藤の過去を聞き出そうとした。加藤は前の学校で、ある女生徒に慕われ、特別な感情はないと通告したために逆恨みされて根も葉もない噂を流され、結局学校を辞めざる得なかったのだと言う。「生徒との距離の持ち方は難しい」と言う加藤。小津は黙って聞いていた。
翌日、孝正が校長室へ訪れた。一葉の処分が「訓戒」と聞いて、孝正は淳に学校を辞めさせると申し入れた。ショックを受けた一葉は自分が辞めると言い出す。
二人が学校を辞めるかもしれない。浩二は小津に「あいつは親に甘えたことがないんだ。だから先生に甘えたかったんだ。あいつは悪くない」と熱く語る。
また、一葉は何故、生徒の誘いについていってしまったのか。小津は一葉から、彼女の胸のうちを垣間みるのだった。

小津、加藤、一葉は、孝正の働く証券会社の本社を訪れた。孝正の席の応接セットには、すでに息子の淳が座っている。「私のどこを見ていたんだ」と息子をなじる孝正を見ていた小津が口を挟んだ。「見てたんだよ、あんたを。だから、いろいろやったのさ。あんたは誰の言葉も聞いていない。誰とも関係していない。いないのと一緒だ。幽霊なんだ。俺と一緒の糞野郎だ」

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第6話 体罰を認めるのか

あらすじ

章夫がいなくなった穴をうめ、剛(EITA)がバスケ部に加入し、練習を始めた。しかし、抜きん出てうまい剛は、浩二(森山未来)たちを無視し自分一人で勝手にゴールを決める。さらに、それだけではなく、キャプテン風を吹かせ始めた。章夫が残していった赤いタオルをお守り代わりにする光(脇知弘)は、その態度に腹を立て、剛と諍いを始めた。
加藤(ユースケ・サンタマリア)が、小津(田村正和)に助けを求めた。小津は、「章夫のために試合に勝ちたいのだろう、じゃキャプテンは剛だ」と言い渡し、剛に「ゴールが見えたら打て」と言う。剛はほくそ笑み、浩二たちはふて腐れる。剛は一人でシュートを打ちまくり、勝手に休憩を指示、傍若無人の振る舞いである。そんな剛を見て、みゅー(瀬戸朝香)は竹刀を剛の額に振り下ろしてしまう。
佐野(小日向文世)やまなび(西田尚美)はみゅーの体罰を責め、竹刀を取り上げようとするが、みゅーは厳しいしつけも必要と、自分の信念を語り、佐野たちのもとから竹刀を手に出て行くのだった。
翌日から、みゅーの授業のボイコットが始まった。剛の恋人・未句(中川愛海)が扇動しているらしい。みゅーは気丈にボイコットを無視、佐野や鹿松校長(谷啓)の注意にも耳を貸さなかった。しかし、さすがのみゅーも落ち込んでいるようで、そんな彼女を加藤は慰めようとするが、空回りするばかりである。小津も「先生は生徒の親にはなれないよ」と諭す。
ある日小津は、まなびにバスケ部の試合を申し込んでくれ、と頼んだ。相手は娘の絵理(水川あさみ)の高校だった。
バスケ部は相変わらず剛がワンマンショーを繰り広げ、光らは苛立ちを隠さなかった。加藤らが心配する中、小津は「何とかするでしょ、あいつらが」と涼しい顔である。
だがある日、健太(勝地涼)が、つい、もらした。「こんなんで勝っても、章夫先輩喜んでくれるかな」メンバーが今なお章夫ばかりを思っていることが癪にさわった剛は、結び止めてあった章夫のタオルを乱暴に投げ捨て、立ち去って行った。そんな剛の気持ちを思う浩二。
そんな時、絵理の高校のバスケ部から試合の申し込みが入った。絵理が顧問に連絡したのだ。

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第7話 禁じられた遊び

あらすじ

小津(田村正和)は、電話で助けを求めてきた別れた妻の静香(余貴美子)から話を聞いた。静香によると、娘の絵理(水川あさみ)が家に寄りつかず、悪い仲間と付き合っている様子だという。だが、小津は「ちゃんと話してみなさい」と言うだけである。静香は「いつも私任せなのね」と言い捨て、その場を去って行った。
翌日、学校では、また健太(勝地涼)が、同級生3人に金をたかられていた。そのことを聞きつけた2年1組バスケ部の浩二(森山未来)、光(脇知弘)、淳(忍成修吾)は「現場」の屋上へ走った。怪訝に思った加藤(ユースケ・サンタマリア)も後を追った。怒った光は加藤の制止を振り切って、3人を殴り飛ばしてしまった。取り敢えずその場を収拾した加藤。
一方、職員室では、小津が絵理のことを気にして、みゅー(瀬戸朝香)、一葉(京野ことみ)、まなび(西田尚美)に\"イマドキ\"の少女の生態を聞いている。口を揃えて「外泊」「反抗」と言う若い教師に不安を募らせた小津は、静香に電話し、翌日の5時に、3人で会うことを約束する。
そのころ佐野(小日向文世)は、光に殴られた1年生から「バスケ部の奴等に意味なく殴られた。部活をやっていれば、えこひいきするのか」と詰め寄られていた。
加藤は、表沙汰になってしまった暴力さわぎで校長室に呼び出されていた。「あいつら悪くありません」。バスケ部を呼べと言う佐野の要求を無視して、断固子供を守ろうとする加藤を見て、鹿松校長(谷啓)は「小津先生の影響かな・・・・・・」とほほ笑む。
だが、翌日、殴られた子供たちは顔にばんそう膏を張り親を連れ立って、学校に乗り込んできた。案の定、父母たちは「現場に先生がいたのに、どうなっているんだ! 暴力容認教師を辞めさせろ」と騒ぎ立てる。放課後に、学校としての対応を説明することになった。だが小津は静香と絵理に会わなければならない。
放課後の職員会議が始まった。もう、静香と絵理は喫茶店で待っている。気が気ではない小津。バスケ部の休部や加藤の休職が議題に上る。小津は「私の一任で隠蔽した。責任は私にある。私が辞める」と立ち上がった。
待ちくたびれて業を煮やした絵理は危ない感じの若い男と出ていった。絵理は「彼は私の言うことを、そばにいて聞いてくれるの」と静香に言い残し・・・。
1年生三人とその親に対応を説明する時間になった。小津は加藤とバスケ部員を伴って謝罪を始めた。「二度と人を傷つけないと約束し、頭を下げて謝りなさい」。小津は、浩二たちに指示し、深々と頭を下げた。鹿松校長が親たちに「小津先生が今回の責任を取る」と説明するのを聞き、浩二たちは沈黙し、頭を下げる。
小津はその足で静香の待つ喫茶店へ向かった。「絵理は、男と出て行ったわ。なぜ来てくれないの。自分の子供より大事なことがあるの?」激昂する静香。小津は答えられない。「あなたは何も変わっていない。幽霊のように一人で生きて行けばいいのよ」。静香はそう吐き捨て喫茶店を出て行くのだった。
一方、バスケ部のメンバーは憮然として渋谷の街にしゃがんでいた。そこへ剛(EITA)に話し掛ける者がいた。以前の悪仲間・青山(水谷あつし)だった。淳が青山の連れている少女に気付いた。「小津先生の娘じゃないか」。まさにそれは絵理だった。
加藤一人で寂しく部屋にいると、チャイムが鳴った。出ると、浩二である。「小津先生に伝えといてよ。あんたの子供、ヤバイのと付き合ってるって」
自分のせいで娘と会うことが出来なかった小津のために、自分が絵理を助けようと決心する加藤。浩二たちバスケ部の連中と青山のいる場所に向かう。そこには絵理がいた。
「お父さんに会いに行こう」と説得する加藤。だが、絵理は「あの人のお陰でいじめられた。愛しているのは仕事だけよ。あの人は幽霊よ」と拒む。
そこへ青山が仲間と戻ってきた。「連れて帰ります」と絵理の手を取った加藤を、青山が殴りつける。青山は、睨み返してきた光も殴る。
「耐えるんだ。小津先生と約束したろう」と加藤。青山たちは調子に乗って、部員全員をなぶり者にした。だが、ぐっと堪える部員たち・・・・・・。
そのころ、小津は佐野から「あなたが子供側に立つ理由は、銀行での悪さの償いのつもりでしょう」と見抜いたような口調で言われる。
「償いではありません。私は幽霊と言われた。生きていなかった。今は生きている意味のあることをやろうと思ったんです。利益を求めない生き方を。あの子達に教わったんだ」と小津は呟く。

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第8話 小津先生、怒る

あらすじ

生徒の暴力事件にからんで休職処分を受けた加藤(ユースケ・サンタマリア)は、同居人の小津(田村正和)の世話を、まるで奥さんのようにかいがいしく焼いている。ただ、「みゅー先生に、カトケンが寂しがってるって、伝えといて」とちゃっかり伝言をお願いするのだった。学校に着くと、小津のもとにやって来たみゅー(瀬戸朝香)が、バスケの新人戦を男子の分まで申し込んだと言う。小津は、思わず知らず笑みがこぼれる。それを悟られまいと、みゅーに加藤の伝言を伝えるが、みゅーは「気合入ったの」と見抜く。
小津は加藤の代わりに2年1組の英語の授業に向かった。流暢な英語の発音に生徒は困惑し「カトケンの方が分かりやすい」などと言う。そんな中、小津は、浩二(森山未来)、光(脇知弘)、淳(忍成修吾)、剛(EITA)のバスケ部員に小声で「新人戦に出るぞ」と教える。浩二は「授業中」と言って小津を制すが、4人の顔つきはきりりと変わる。
放課後の部活時間になった。健太(勝地涼)を含んだ5人は、女子部を相手に熱心な練習の真っ最中。小津は彼らにNBAの高度な作戦を伝授する。盛り上がるコート。だが、健太だけは沈んだ表情でその場を離れていくのだった。
それに気付き健太の後を追った一葉(京野ことみ)は、健太の顔に新しい傷があるのを見つける。「また、誰かにやられたの」という一葉の問いに健太は「転んだ」と言い逃れるのだった。
その夜、加藤の部屋で、小津、みゅー、一葉によるミニパーティーが開かれた。「これが合コンか」と喜ぶ小津。にぎやかに時は進む。
そのころ、絵理(水川あさみ)が光司や遙(一戸奈未)を訪ねて話をしていた。絵里の話で、小津が中高とバスケ部で国体にまで出場したこと、それを受験のために親にやめさせられたことが分かる。
加藤がみゅーを送って出ていったので部屋には、小津と一葉が残った。小津も健太の傷に気付いていた。一葉は、自分の体験に照らし、家人に暴力を振るわれたのではと、推測する。
その健太は、光の家の門を叩いていた。光の父親は大物政治家で、警官詰め所まである家は、まるで城のようであった。光の部屋では、光がマシンで汗を流し、淳がテレビゲームに興じていた。健太は暗い表情で「泊めて下さい」と言い出すのだった。
翌日、職員室で、一葉は、自分の考えを佐野(小日向文世)たちにも話した。「ほっとけない」と言う一葉に、佐野は「家庭のことには口をだせない」と諭す。納得できない一葉は、小津に助けを求めるが、小津も「教師はそこまで偉くない」と佐野に乗るのだった。
と言いながらも、小津は健太を体育館に呼び出し、傷の原因を問いただした。が、健太は頑なに口を閉じるのだった。小津はそのまま、健太の家に向かった。マンションの部屋には母親幸枝だけでなく、リストラされた父親の常雄もいた。常雄はすでに酒を飲んでおり、「息子さんに手をあげてませんか」と直入に訊く小津に、「証拠あんのかよ」と凄むのだった。
翌日、小津は佐野に呼ばれて校長室へ出向いた。そこには常雄がいた。「プライバシーの侵害だ。出るとこ出るぞ」とわめく常雄。小津は答えず、その場は鹿松校長(谷啓)と佐野がどうにか取り成した。職員室に戻ると佐野が憤然と「家の問題まで解決しようなんて思い上がりだ」と小津に詰め寄る。一葉だけは「家に行ったんですか」と小津への信頼を回復できて喜ぶ。だが、そんな放課後、健太は部活に出ず、そしてまた、常雄に殴られるのだった。
職員室の先生たちは、佐野を除いて健太の心配をしている。まなび(西田尚美)は佐野に「本当に私たちは何もできないのか」と訊ねた。佐野は言いにくそうに言った。「生徒を見ると震えるんです。気持ちを乗っけたら、今度は殺される」と佐野は言い残し出て行くのだった。佐野が体育館に見回りに行くと、逃げ出した健太が座り込んでいる。佐野は皆がいる職員室に連れてきて、常雄を呼び出した。反対する教師たち。だが、健太は何も言わない。それどころか「いいんです、僕を殴ってせいせいするなら」と常雄を弁護する。口を閉ざさざるを得ない教師たちだった。常雄が迎えに来た。「あんた銀行屋だろ。あんたらのせいでくびになった。金を貸せ」と小津にからみ始めた。「だからといって子供にぶつけていいのか。それほど親は偉くない」と小津。常雄も黙っておらず、「銀行屋が説経するな」と切り返す。常雄は健太の手を乱暴につかみ、「早く行くぞ、叩かなきゃわかんないか」と脅す。そこで声を発したのは佐野だった。
「警察呼ぶぞこのやろう。お子さんをこれ以上苦しめないでいただきたい」。だまる常雄。「それに、小津先生は銀行屋じゃない。教員だ」と言い放つのだった。職員室は水を打ったように静まり返った。だが、結局、健太は自分で決めた。「お父さんのところへ戻ります」。教師たちは、沈黙して見送るのだった。
日が変わり、まなびは鹿松校長に呼び出された。鹿松は言う。「新人戦の出場が認められないそうだ」。
そのころ小津は、頼もしく子供たちの練習を見詰めているのだった。

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第9話 小津先生、キレる

あらすじ

高校バスケット連盟が光蔭学園に対して新人戦の男子出場を認めないと通告してきた。チームのマナーが悪いからだという。以前の練習試合で、章夫(池田貴尉)が試合中に相手チームのキャプテンの首を絞めたのだ。小津(田村正和)、加藤(ユースケ・サンタマリア)、みゅー(瀬戸朝香)の3人は困惑した。が、加藤が「メンバーに言わないで下さい。おれ、連盟に掛け合ってきます」と飛び出していった。一葉(京野ことみ)に促され、みゅーも後を追った。
その間、小津と一葉が練習を見守った。練習を終えた遙(一戸奈未)が浩二(森山未来)のもとへ近寄った。「1年生が、先生が話しているのを聞いたんだけど・・・・・・」
浩二たちは小津を追った。「おれら、出られないのか?」。小津に詰め寄るメンバーたち。諦め顔のメンバーに小津は「カトケンがなんとかする。体育館で待ってろ」と言うのが精一杯だった。
加藤とみゅーが連盟に行くと、連盟の職員は、実質上の運営を行っている柳沼教諭の高校へ行けと言う。二人がバスケ強豪で有名なその高校へ出向くと、柳沼は、体育館で竹刀を手に厳しい練習を行っていた。
そんなころ、小津は娘の絵理(水川あさみ)に呼び出され喫茶店へ現れた。絵里と一緒にいたのは島谷(大杉漣)だった。島谷が、小津と出会う機会を、絵里に頼んだのだ。「銀行に戻って来てくれ」。島谷は言う。銀行が金融再建の部署を作り、島谷と小津が呼ばれたのだ。
「お前がやるべき仕事だ。俺は、俺のすべき場所でやる」。小津は席を立った。
絵里は理解し、島谷は言葉なく見送るしかなかった。
加藤とみゅーは柳沼を説得していた。頑固な柳沼を攻略できずにいると、みゅーが「叩いて指導しているんですか?」と訊ねた。「大人が押さえつけてでも正しい道へひっぱる必要がある」と柳沼。怒りに燃えたみゅーは、突然、加藤を引っ張ってその場から出て行くのだった。
二人は、小津や浩二たちが待っている体育館へ入った。「みんな、明日朝九時集合。道場破りだ」
翌朝、光蔭学園男子バスケ部は、柳沼の高校へ向かった。
「マナーが悪いかどうか、試合で確かめて下さい」とみゅー。
「マナー違反をしたら出場は辞退します」と加藤。
「10分終わって10点差ついても辞退します」と小津。
渋々柳沼は認めたが、自校のチームに、浩二たちを挑発するように小声で指示した。試合が始まった。柳沼のチームは、徹底して汚い手を使ったが、浩二たちは。我慢に我慢を重ね、残り3秒で9点差まで詰めたのだ。
「新人戦でお会いしましょう」。小津は、柳沼に首を掻き切る挑発ポーズを見せ、余裕の表情で立ち去るのだった。
だが、柳沼は、次の策を練った。小津がいるならば、出場を辞退するというのだ。柳沼に仕切られている連盟の強豪校たちも同調する。これでは新人戦が成り立たない。小津は一人で考え始めた。家へ帰り、加藤に作戦を教え始めた。何か思いを固めたようである。
翌日、小津は連盟の「新人戦ルール会議」に乗り込んだ。
「出て行け」と柳沼。
「私の犯罪と子供たちが何の関係があるのだ。あの子達のためなら学校を辞めましょう。思い出して下さい。私たちも子供だった」。小津は静かにその場を立ち去った。
小津が、事の顛末を鹿松校長(谷啓)に話していると、校長宛てに連盟から電話が入った。「あなたが辞めるなら、出場を認めるそうです」と鹿松。
「あの子達に救ってもらったんです。今度は私の番だ」
小津の目には強い意志が浮かんでいた。

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第10話 さよなら、小津先生

あらすじ

小津(田村正和)は、男子バスケ部の新人戦出場のために辞職することを決心した。出場決定を加藤(ユースケ・サンタマリア)を通じて練習中の浩二(森山未来)、光(脇知弘)、淳(忍成修吾)、健太(勝地涼)、剛(EITA)に伝えると、5人は小津のもとへ駆け寄って来て、興奮した口振りで口々に決意を語る。小津は、何も答えられず複雑な思いでそれを聞くしかなかった。
島谷(大杉漣)は、小津が学校を辞職すると聞いて、銀行に復職することをさらに説得した。小津は、島谷らが本気で銀行を立て直す気があるのかと、島谷を問い詰めた。島谷も「自分のしたことから逃げない。お前が学校でしていることと一緒だ」と意志を語る。だが小津は「ただ、やり残していることがある。カトケンを私の代わりにするまで・・・・・・」と呟くのだった。
そんなころ加藤は、みゅー(瀬戸朝香)を自分の部屋に誘って小津の高級ワインを開けていた。みゅーは加藤が少し逞しくなっているのを、感じていた。そこへ小津が帰ってきた。ワインを開けるいるので、慌てる加藤。だが、オヤジ臭いギャグを連発し、「そろそろ出て行くか・・・・・・」と柄にもない弱気なところを見せてしまうのだった。
学校に、新人戦の案内が届いた。男子の1回戦は、先日、道場破りに行った柳沼教諭の学校が相手だった。まなび(西田尚美)は、光蔭学園の顧問の欄の小津の名前が消されていることに気がついた。『辞職』となっている。佐野(小日向文世)、一葉(京野ことみ)はじめ、加藤もみゅーも、小津を問い詰めた。何も答えない小津。
放課後になって、生徒たちにも囲まれた。「おれは銀行屋だ。ずっと付き合う気はない」と憎まれ口を放つ小津。生徒も、加藤、みゅーも呆れ果てるのだった。
だが、一葉だけは、小津の深意を探っていた。「誰かのために嘘をついている」と喝破した。それを聞いた加藤は、絵里(水川あさみ)を呼び出し、小津のことを訊ねた。絵里は「学校ですることがあるから、と、銀行行きは断ったはず」と言う。
部屋に戻った加藤は、小津を問いただした。「何があったんです。隠してないで話してくれ」
隠し切れないと踏んだ小津は、「去る者はどう思われてもいいんだ。後は君がやる。おれの代わりになるんだ」と加藤を激励する。しかし、別れを実感した二人は、悲しみの笑みを漏らすしかなかった。
小津の真意を知らない生徒たちは、愛想を尽かして小津の授業も指導も無視し始めた。小津は、心の中で「これでいい」と自分に言い聞かせるのだった。さらに、練習に出向き「お前らは下手だ。わがままで自分勝手。もう、裏切られずにすむ」と心と裏腹な罵声を浴びせ、“別れ”のためのだめを押した。
別れの時が来た。実は、佐野は、小津の真意をお見通しだった。「あんたは、やることが一々ひねくれている。やっと、スリッパが似合ってきたのに・・・・・・」と名残を惜しむ。まなびも鹿松(谷啓)校長に真実を明かされ絶句した。みゅーは怒りと悲しみが合い半ばしていたが、事細かなバスケの作戦帳を渡され、真意を察する。小津はタクシーに乗った。

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第11話 本当のさよなら

あらすじ

小津(田村正和)は、銀行に戻った。赤い絨毯が敷き詰められた役員会議室で「債務者優先の経営改革」を役員たちに約束させた小津は、島谷(大杉漣)とともに、新たな仕事に着手した。
そんなころ、光蔭学園では、加藤(ユースケ・サンタマリア)やみゅー(瀬戸朝香)、一葉(京野ことみ)らが、バスケ部員の浩二(森山未来)、光(脇知弘)、淳(忍成修吾)、健太(勝地涼)、剛(EITA)、遙(一戸奈未)らと練習に励んでいた。しかし、小津がなぜ辞めたか知らない、光たちから、"逃げ出した"小津に対する怒りは消えていなかった。
職員室に戻った、加藤は、みゅーと佐野(小日向文世)に、小津から渡された指導ノートを大切にしていることを見破られ、厳しく追及される。加藤は踏ん張ったが、加藤とともに真相を知っているまなび(西田尚美)が堪らず「白状します」と、洗いざらい、辞職の顛末を話してしまった。
それは、すぐに部員にも知らされた。小津の心中を察する部員たち。その時、みゅーが言った。「あんたたち、悔しくないか?」。みゅーと浩二ら部員は、小津の銀行へ向かった。
小津は島谷と銀行立て直しの素案作りの真っ最中であった。あきらめかける島谷を「学校も大変だ。だが、先生は格闘しているぞ」と小津が元気付ける。その時、みゅーたちが部屋へ入ってきた。
小津はみんなを豪華な役員食堂へ案内した。洒落て贅沢なフランス料理が並ぶ。「ここも廃止することになる」と小津。みゅーが切り出した。「謝りたかったの」。淳たちも続く。「水臭い」「かっこつけすぎ」「練習見に来てよ」・・・・・・。「帰ってきて」とみゅーが受けた。小津は無言である。だが、浩二が気を取り直してしめた。「カトケンとやるよ。だから新人戦、見に来て」。小津は答ようもなく、静かにその場を去っていった。
小津が加藤の部屋に荷物を引き取りに来た。「俺は、バスケットコートに忘れ物をしたんだ。ずっと取りに行けなかった。あいつらには、忘れ物をさせるなよ」。小津は背中で加藤に別れを告げた。
それから1週間。小津たちはオフィスと泊まり込みのホテルで、浩二たちはコートで、目的のために必死で自分たちのエネルギーを燃やした。
銀行改革案の草案が出来上がった。小津と島谷は、それを役員会に提出するために、ホテルのロビーまで降りた。そこには、一葉が待っていた。新人戦の日だったのだ。取り敢えず、一葉を会場である体育館まで送ることにしたが、小津は、島谷に待つように頼み、中をのぞくことにした。
コートでは、浩二たちの試合が始まるところである。加藤が、小津のノートを読み上げる。「相手の思い上がりが隙になる」。対戦チームは因縁の柳沼(渡辺いっけい)の高校である。「相手は5人だ。怪我をさせろ」。試合開始。小津は、彼らの活躍を目に焼き付け、第一クォーターで外へ出た。そこへ現れたのは章夫(池田貴尉)であった。
「親父が見て来いって」
ほほ笑む小津に「急げ」と島谷が声を掛ける。「この子が銀行の被害者なんだよ」と小津。察した島谷が言った。
「ここにいろ。お前の思いは伝える。俺もいつまでも、お前に助けてもらうわけにはいかない。生きる場所が見つかってよかったな」。島谷は車を銀行に向かって走らせた。
試合は、柳沼のチームがファウル覚悟で、襲い掛かっていた。淳が倒され動けなくなってしまう。そこへ章夫が応援に飛び込んできた。「小津先生に笑われるぞ」。目を開ける淳。その先のスタンドには、小津が座っていた。加藤もみゅーも浩二も光も、皆がそちらを凝視した。勇気づくチーム。だが、柳沼も小津に気付いた。
小津のそばにまなびと佐野が座った。加藤は小津譲りの的確な作戦を指示する。じわじわと敵チームを追い上げていく。焦る柳沼は、生徒をどなりまくる。心が離れていく生徒たち。
3点ビハインドで最終クォーターが始まる。小津の横で佐野が呟いた。「勝負はラスト3分だ」。それを聞いていたまなびは、コートに降り、加藤に「最後の3分勝負」と伝えた。柳沼はそれを見逃さなかった。タイムを掛け審判を呼び、すぐにオフィシャル席へ向かった。役員が加藤を呼んだ。
「なぜ小津先生がコーチをするのか?約束違反だ。協議する」
佐野たちの抗議も虚しく、しばらくして役員がアナウンスした。
「この試合は没収します」。柳沼のチームが不戦勝となった。浩二たちは負けたのだ。
体育館に残ったのは、光蔭チームと柳沼のチーム、それに小津だけになった。しかし、浩二たちは、落胆していなかった。納得した笑みがこぼれていた。
「早く帰るぞ」。柳沼が生徒を呼んだ。しかし、生徒は動かない。
「最後までやらせて下さい」。キャプテンが柳沼を睨み付けた。「ずるしないで勝ちたいんです」。自分の生徒に取り囲まれ怖じ気づく柳沼。
「やろうぜ」。浩二がキャプテンに声を掛けた。生徒たちだけの試合が再開した。楽しそうに試合をする浩二たち。小津に加藤が言った。「これで、やつら、コートに忘れ物しないですみます」。小津が受ける。「教わったのは、私の方だったな・・・・・・」
激闘が続く。小津もコーチに参加する。だが、柳沼のチームはベンチに帰らない。柳沼は苦々しげに生徒を睨むしか術はなかった。
ホイッスルが鳴った。光蔭学園は勝った。すべてが弾けたように歓喜が渦巻く光蔭ベンチ。選手たちは、コートに転がり大の字で笑っている。柳沼が小津に近づいてきた。「最高の試合だった・・・・・・。あんたの勝ちだ」。「・・・・・・勝ったのは子供たちだ」。小津がそう言うと柳沼は静かに去っていくのだった。
その時、はしゃいだみゅーたちがシャンパンを開けようとした。「まだだ・・・・・・」。小津は有無を言わさぬ調子で言うのだった。
翌年の4月。コートでは、浩二たちが練習している。コートの脇では、だらだらとした新入部員がたむろしている。その一人がボールを蹴った。その時、小津が入ってきた。
「一つ教えていいか。それはバスケットのボールだ・・・・・・」。小津の子供が、また増えた。

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引用元:番組公式サイト

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