おみやげジャパン

乱斬り自体は指一本でできるためカジュアルにプレイできる。

郷土愛にあふれるサムライ犬、たびワン。

他県の名産品を取り込んで、全国をめぐり、名産品を斬ることで自分のものにしていく！

というストーリーらしい…。

と、なんとも植民地政策のような物言いをする犬、たびワンだが、このゲームの都道府県に対する説明や、名産図鑑などは地方愛に満ちている。

隣接している都道府県にしかチャレンジできないため、どこからスタートするかは自分次第。

故郷からスタートするか、はたまた北海道や沖縄から北を目指すか…。かわいいグラフィックの割に上級ステージはめっちゃ難しいのでチャレンジャーの人も安心だ。

岩手県は日本のチベットとも揶揄され、都市部や国道沿いを除けば１ｋｍ四方に誰も住んでない、という場所も少なくない。

よく言えばのどか、悪く言えばさびれた県なのである。

あまりいい思い出もなく、逃げるように東京に出た。

それでも僕は岩手県の食べ物や山や海、本当に素敵だなあと思う。

自分語りをしてしまったが、そんな田舎者になんかこのゲームはすごく琴線に触れるのだ。

名産図鑑もそうだし、各県の説明が、ガイドブック的な物言いに終始せず、ローカルなところもきちんととらえ、主観的な発言をしてて、とてもいい。

爆弾を斬るとダメージ。斬らないで落とすとダメージ。

連続で切ったり同時に切ったりするとハイスコアだ！

困ったらアイテムを使おう！

以上！

しかしそれだけだとあまりに雑なので、僕がこのゲームに感銘を受けた、福島県の説明を引用したい。

原発、放射能に関してですが、「気にしてもしょうがない・どうにもならない」がほとんどの県民の意見のように思われます。

生まれ育った土地を離れるまでの理由にはならず、県外からは風評被害を受け、東電の不透明な対応に腹を立て…。多くの県民が日々傷つきながら暮らしていることは確かです。

柔らかな物言いの中、きちんと痛み、怒り、悲しみを言葉にしてる文章だ。

ネットですら、こういった文章はどんどん見当たらなくなったなあと思った。

今年は実家には帰れないだろうなぁ…。カーチャン元気にしてるかなー…。